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女神の願い、ひとの答え  作者: しーぶる
<前編>~女神の願い~
3/31

ーー第3章 「過去」ーー

------

……そして、ある天使との戦いの後ーー

                 ------


ひと「……いま、楽にしてあげるからね」



ひと「……!」



******


……あの時から……



……世界には、

天使と悪魔が生まれ……■■が、消滅しました



……私は、嘆きました

すべて私が……悪いのだと……



……しかし、時が止まることはありません



……誰が、何を感じようと……関係なく、

生まれ落ちた命は……大きく、育っていくのです

                 

                   ******



ひと「……これは、なに……?」



天使「……!


   ……何か、見えたかい?」



ひと「…………


   …………はい」



ひと「……力を、吸収した時……


   なにか……記憶、みたいなものが……見えて……」



ひと「……前にも、見たこと……あるような……?」



天使「…………!」

 


天使「…………


   ……それは、君に受け継がれた記憶ーー」



天使「ーー父と母、そして……女神の記憶だよ」



ひと「…………っ!」



天使「…………


   …………今まで、君が…………」



天使「……夢で見ていたもの……なんだ」



ひと「……っ!


   …………夢…………」


   

ひと「…………


   ……だから、見たことある感じが……したんですね」



ひと「……………………」



ひと「…………?


   ……でも、なんで今も……」



ひと「……はっきりと、覚えていられるんでしょう……?」



天使「…………!」



ひと「……いつも、夢で見るときは……


   ぼんやりとしか、思い出せなかった……のに……」



ひと「……………………」


   

ひと「……それに……


   私は、なんで……」



ひと「…………


   ……なんで、お父さんとお母さんだけでなく……」



ひと「……女神さまの記憶も……


   受け継いで……いるんですか……?」



天使「…………っ…………」



天使「…………


   ……記憶が、安定したのはね……」



天使「……おそらく……


   君の力が……大きくなった、からだよ」



ひと「…………!」



天使「……だから……


   受け継がれた記憶も……安定したんだ」



天使「…………


   ……このまま力を、吸収していけば……」



天使「……忘れていた夢の記憶も……


   すべて……思い出せる、はずさ」



ひと「……!


   ……夢の記憶を……思い、だせる……」



天使「……………………」



天使「…………


   ……女神の記憶も、受け継いで……いるのは……」



天使「……君が……


   女神と同じ性質を、持っているから」



天使「…………っ


   ……ただ、それだけなんだ」



ひと「…………!」



ひと「…………」



ひと「……っ……


   ……あの、天使さん……は……」



ひと「……夢を……


   覚えているの、ですよね……?」



天使「…………


   ……うん、覚えているよ」



天使「……でも……


   君には、教えてあげられない」



ひと「……っ……


   ……どうして……ですか……?」



天使「…………


   ……君の力で、思い出さない限り……」



天使「……すぐに、忘れてしまう……からね」



ひと「…………っ」



天使「…………


   ……それに……君、には……」



天使「……その記憶について……


   君なら、どう思うか……どうするのかを……」



天使「……考え続けていて、ほしいからーー」



天使「ーーごめんね


   ……無理をさせてしまって」



ひと「…………っ…………」



ひと「……………………」



ひと「…………


   …………わかって、いますっ…………」



ひと「……天使さんが……


   私のことを、大切に……思ってくれて、いるのはっ……」



天使「…………っ!」



ひと「…………


   ……いつも、天使さんが……していることは……」



ひと「……私のためを……


   考えてくれて、いるからこそ……」



ひと「……その気持ちは、十分すぎるほど……感じていますっーー」


   

ひと「ーーでも、怖くてっ……」



天使「……っ……!」



ひと「…………っ


   ……その記憶を、持っている方は……」



ひと「…………泣いていたんですっ…………」



ひと「…………


   ……自分を責めて……すべてに、絶望してっ……」



ひと「……っ……


   ……悲しい記憶は、見たくないですっ……」



天使「……………………」



天使「…………


   …………ありがとう」



天使「……僕の気持ちまで、考えてくれて」



ひと「…………!」



天使「……っ……


   ……でも、だからこそ……」



天使「……君は、僕の想いではなく……


   君の心の、思うままに……歩んでほしい」



ひと「……!」



天使「…………


   ……君が、やりたいと思うのも……」



天使「…………やめたいと、思うのも…………」



天使「……誰かが……


   縛れるものでは、ないのだから」



ひと「…………っ!」



天使「…………


   ……そして、そうだね」



天使「……悲しいことは、見たくない……」



天使「……でも……


   夢の記憶は、過去の事実でしか……ないんだ」



天使「……だからこそ……


   目を背けては、いけないと思う」



ひと「…………っ


   …………どう、して…………?」



天使「…………


   ……これから起こる、悲しいことを……」



天使「…………防ぐため、だよ」



ひと「……っ……!」



天使「…………


   …………どうして…………」



天使「……悲しいことが、起きたのか……


   どうしたら……防ぐことが、できたのか……」



天使「…………


   …………過去を見て、考え…………」



天使「……そして、動くんだ……未来を、変えるためにっ」



ひと「…………!


   ……未来を、変えるため……」



ひと「…………っ」



ひと「……この世界の、崩壊を……防ぐためっ……!」



天使「……!」



天使「…………


   ……うん、そうだね」


   

天使「……君は……


   この世界の崩壊を知って、どうしたいと……思ってる?」



ひと「…………っ…………!」



ひと「…………


   ……崩壊してほしく、ないですっ……!」



天使「…………」



ひと「……っ


   ……だってっ……どんな、世界でも……」



ひと「……天使さんと、悪魔さんと……


   私のいる……大切な場所、だからっ……!」



天使「……っ……!


   …………うんっ」

   


ひと「…………っ!」



ひと「…………


   ……天使さん、ありがとうございますっ……!」



ひと「……私は……


   大切な場所を、守るために……」



ひと「……どんな悲しい記憶でも、見届けますっ!」



天使「……っ!


   …………ありがとう」



天使「……君がいてくれて、本当に……良かった」




------

……そして、ある悪魔との戦いの後ーー

                ------


ひと「……いま、楽にしてあげるからね」



ひと「……!」



*******


……私は、悪魔です



……悪魔の中でも、力は弱く……

何も特別なことは……出来ないけれど



……悪魔は……

全より個を、優先する種族でした


……しかし各々が、

孤立しているわけではなく……


……共通の目的があった時には、

みんなで協力することも……ありました



……それは……

同じ悪魔同士、だけでなく……


……ときには天使様たちとも……



……本当に……平和でした


……最初の、頃は……


                *******



ひと「……悪魔の、記憶……」



悪魔「……! 


   ……悪魔について、思い出したのね~」



ひと「…………


   …………はい」



ひと「……っ……」



ひと「……あのっ……悪魔さんは……」



悪魔「…………!」



ひと「…………


   ……心を失わなかった、最後の悪魔……」



ひと「…………なんですよね…………?」



悪魔「……っ!」



悪魔「…………


   ……そうね~」



悪魔「……今、この世界において……


   私以外に……心を持った悪魔は、いないわ~」



ひと「…………っ…………」



ひと「…………


   …………なら…………」



ひと「……ちがう、のかなっ……」



悪魔「…………


   …………ふふっ!」



ひと「……!


   ……悪魔、さん……?」



悪魔「…………


   ……あなたが、気になっていることは……」



悪魔「……分かっている、つもりよ~」



ひと「…………!」



悪魔「……だから、ね……


   怖がらなくても……いいの」



悪魔「……私に……


   話してみて、くれないかしら?」



ひと「…………っ!


   …………悪魔、さんっ…………」



ひと「……ありがとう、ございますっ……!」



悪魔「…………いいのよ~」



ひと「……っ……」


   

ひと「…………


   …………もしか、したらっ…………」



ひと「……この記憶は……


   悪魔さんの、記憶では……ないかってーー」

   


ひと「ーーそうだったら、


   嬉しいな……って……」



悪魔「…………っ!」



ひと「…………そう、思ってっ…………」



ひと「……っ……」



ひと「…………


   ……でも、違い……ますねっ……」



悪魔「……………………」



ひと「……悪魔さんは、最後の悪魔……


   心を持っている、強い悪魔……ですからっ!」



悪魔「……っ!


   ……私の、記憶だったら……嬉しかったの?」



ひと「……はいっ!」



悪魔「……!」



ひと「…………

   

   ……私が見る記憶は、受け継がれたもの……」



ひと「……天使さんから……


   そう、教えて……もらったので……」



悪魔「…………」



ひと「……っ……


   ……だから、もしもっ……」



ひと「……もしも……悪魔さんの、記憶ならっ……」



ひと「…………っ…………」



ひと「……私の、お母さんっ……なのかなってーー」



悪魔「ーーふふっ……!」



悪魔「……よ~し! 


   ……よしよし~!」



ひと「……っ!?


   …………えっ…………!?」 



悪魔「…………ふふっ!」



ひと「……えっ……?


   な、なんで、急に……抱き着いて……」



ひと「……撫でてくるのですかっ……!?


   ど、どうしたんですか!?」



悪魔「……ふふっ! 


   何でも、ないわよ~」



ひと「……悪魔、さんっ……?」



悪魔「…………


   …………今まで…………」


   

悪魔「……力の使い方ばかり、だったから……」



悪魔「……その話は……して、なかったわね~」



ひと「……?


   ……悪魔さん……?」



悪魔「…………

   

   ……あなたは、私の娘よ~」



ひと「……っ……!?


   …………ぇ…………?」



ひと「…………


   ……でも、悪魔さんは……最後の悪魔……」



悪魔「…………


   ……そうね~」



悪魔「……………………」



悪魔「……私は、最後の悪魔……」



悪魔「…………でもね…………


   ……力の強いものが、最後まで……」



悪魔「……生き残るとは……限らないのよ」



ひと「…………!」



悪魔「……弱いからこそ……


   生き残るために……必死に、諦めずに……」



悪魔「……光を、探し続けることが……できる……」



悪魔「…………


   …………だから、私は最後まで…………」



悪魔「……心を、失わずに……いられたの」



ひと「…………っ!」



ひと「…………


   ……何が……あったの、ですかっ……?」



悪魔「……それは……


   あなたの力が、増していけば……思い出すわ~」



悪魔「……………………」

  

 

悪魔「……私のことも……


   天使様の……ことも……」



ひと「…………!」



悪魔「…………

   

   …………あなたは、知っている…………」



悪魔「……すでに……夢で、見ているのだからーー」

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