ーー第20章 「暖かな癒しが満ちるとき」ーー
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……セレネとせれねは、聖域の奥へと進んでいく
時に立ち止まりつつも、ゆっくりと……
……確実に……再会へ、向かっていくーー
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セレネ「…………っ」
せれね「…………行こう」
セレネ「…………
……うん……」
セレネ「……………………」
せれね「…………
……もうすぐ、だよ」
セレネ「……っ!」
せれね「…………」
せれね「…………大丈夫」
セレネ「……っ……!」
せれね「……わたしとも……
向き合える、私なら……」
せれね「……大丈夫、だよっ……!」
セレネ「…………っ!」
セレネ「……………………」
セレネ「……うんっ……!」
セレネ「…………ありが、とうっ…………!」
せれね「……いいよ」
せれね「…………
…………わたしと、私…………」
せれね「……私たちで、支えあって……進んでいけば」
セレネ「……っ!」
せれね「…………それが…………」
せれね「……わたしと、向き合って……
ここまで連れてきてくれた……」
せれね「…………私に、対して…………」
せれね「……わたしが……してあげたい、こと……だから」
セレネ「…………っ!」
セレネ「…………本当に……ありがとうっ…………!」
セレネ「……あなたがいてくれて、良かったっ……!」
せれね「…………うんっ…………!」
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……そして、再会の時は来る……
……聖域の奥へと辿り着いた、セレネのもとへ……
懐かしくも、決して忘れることのない……暖かい声が届くーー
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■■「…………セレネ…………」
□□「…………セレ、ネ…………」
セレネ「…………っ…………!!」
せれね「…………
……女神、さま……お母、さん……」
悪魔「…………セレネ」
女神「…………
……セレネ……」
セレネ「…………っ!!」
せれね「……………………」
悪魔「…………
……久しぶり、セレネ」
セレネ「…………っ」
セレネ「…………おかあ、さんっ…………」
女神「………………」
女神「……お久しぶり……です」
セレネ「……っ!」
女神「…………セレネ」
セレネ「…………めがみ、さまっ…………」
セレネ「…………っ…………」
セレネ「…………………………」
セレネ「……っ
…………よう、やくっ…………」
セレネ「…………ようやくっ……あえ、たっっ…………!!」
悪魔「…………っ!」
女神「……っ!」
せれね「……………………」
せれね「…………
……よかった、ねっ……!」
せれね「…………私っ…………!」
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……再会は果たされた
しかし、セレネには……まだ、やることがある
……彼女の答えを、示すために……
知らなくては……ならないことがーー
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セレネ「…………っ…………」
セレネ「……………………」
せれね「……私……?」
セレネ「…………
…………ふぅ…………」
悪魔「……セレネ……?」
女神「……大丈夫、ですか……?」
セレネ「……………………」
セレネ「…………うんっ…………」
セレネ「…………大、丈夫…………」
せれね「…………
…………私っ…………」
悪魔「……………………」
悪魔「…………セレネ」
セレネ「……っ!」
セレネ「……お母、さんっ……」
悪魔「…………
……女神様と、私は……」
悪魔「…………」
悪魔「…………あなたの、答えを…………」
セレネ「…………っ!」
悪魔「……受け止めるわ」
セレネ「……っ!
…………ぇ…………」
セレネ「…………どう、してっ…………」
セレネ「…………知って……るの…………?」
女神「…………
……ずっと、見ていた……からですよ」
セレネ「…………っ…………!」
女神「……………………」
女神「…………セレネの、ことを…………」
セレネ「……っ!」
悪魔「…………
…………そして…………」
悪魔「……あなたのこともね~」
悪魔「…………セレネの、魔物さん」
せれね「…………っ!」
せれね「…………わたしの、こともっ…………」
悪魔「……そうよ~」
悪魔「…………
……もうっ、ほんとに傷ついたんだから~」
セレネ「…………?」
せれね「…………まさ、か…………」
悪魔「……うんっ、そのまさか」
せれね「……っ!」
セレネ「……?
……お母、さん……?」
女神「…………もう」
女神「……言いすぎですよ、悪魔さん」
悪魔「…………ふふっ」
悪魔「……すみませんっ、可愛くて……ついっ」
女神「……まったく……」
せれね「…………」
セレネ「……?
……女神様、お母さん……?」
悪魔「…………!」
悪魔「……ごめんなさいね~」
悪魔「……この子が、ずっと……
大きな樹の前で……叫んでたから、ね」
せれね「…………っ!」
セレネ「……!
……ずっと……?」
せれね「……っ」
悪魔「……うんっ、ずっと……」
悪魔「…………
…………セレネの……心を…………」
セレネ「…………!」
悪魔「……素直な想いを、叫んでくれてたわ」
悪魔「…………灰色の世界になっても…………」
悪魔「……ずっと、ね」
せれね「…………っ!」
せれね「…………
…………ごめん……なさいっ…………」
悪魔「……!」
女神「…………悪魔、さん」
悪魔「……ああっ、ごめんねっ!」
悪魔「……謝ってほしいわけじゃ、なかったのよっ……」
せれね「……っ!」
せれね「…………?」
悪魔「…………
……むしろ、感謝してるの」
せれね「…………っ!
…………感、謝…………?」
悪魔「…………うん」
悪魔「…………
……セレネの想いを……」
セレネ「…………!」
悪魔「…………苦しみ、を…………」
悪魔「…………
……私たちに、伝えてくれて……ありがとう」
せれね「…………っ…………!」
女神「……私からも……
本当に、ありがとう」
女神「…………
…………あなたのおかげで…………」
女神「……セレネの幸せを……
想いを……知ることが、できました」
セレネ「…………っ!」
せれね「…………
…………わたしの……おかげ…………」
悪魔「…………うんっ!」
悪魔「……あなたの、おかげよ」
せれね「…………っ!」
悪魔「……あなたがいてくれて……」
悪魔「…………本当に、良かったっ…………!」
せれね「……っ!」
せれね「……おかあ、さんっ……」
せれね「…………おかあさんっっ…………!」
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……せれねは、悪魔に抱き着いた
……その光景は……
まさに、過去にあったもの……
……幼いセレネと悪魔の……暖かな、抱擁だったーー
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悪魔「……!」
悪魔「…………ふふっ」
悪魔「……よーし、よしよ~し」
せれね「……っ
…………おかあ、さんっ…………!」
セレネ「…………っ!」
セレネ「…………
…………よかった、ねっ…………!」
セレネ「…………っ…………」
女神「……………………」
女神「…………セレネ」
セレネ「……っ!」
セレネ「…………女神……様っ…………」
女神「…………」
セレネ「……女神、様っ……?」
女神「…………っ
…………セレネ、も…………」
セレネ「……?」
女神「…………セレネも、来て……くれませんか…………?」
セレネ「…………?」
女神「……っ
……私に……抱き着いてっ……」
セレネ「…………!」
女神「…………
…………あなたの、暖かさを…………」
女神「…………私……にっ…………」
女神「……っ……」
女神「……感じさせて、くださいっ……!」
セレネ「…………っ!
…………女神、様っ…………?」
女神「…………
……お願い……できます、かっ……?」
セレネ「…………っ…………!」
セレネ「……………………」
女神「…………セレネっ」
セレネ「…………っ!」
セレネ「……女神、様っっ……!!」
女神「…………!」
女神「…………セレネっっ…………!!」
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……聖域の中は、暖かで柔らかな癒しに満ちていた
その中心にいるのは……抱き合う二組のシルエット……
……黒い翼をもつ者同士と、翼をもたない者同士……
……その二組の抱擁は、とても……暖かかった
……そして、抱擁の中で……女神は、セレネに語り掛けるーー
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女神「…………」
女神「…………セレネ」
セレネ「…………!」
セレネ「…………女神、様…………?」
女神「…………
……私と、悪魔さんは……」
女神「…………ずっと…………」
女神「……この世界でのあなたを……見ていました」
セレネ「……っ……!」
女神「…………だから、双子の姉妹…………」
女神「……シーアと、クロハのことも……」
セレネ「…………っ!」
女神「…………
…………そして…………」
女神「…………あなたの、苦しみも…………」
セレネ「……っ!」
女神「……あなたの歩んできた道も……知っています」
セレネ「……っ……」
女神「…………っ…………」
女神「……………………」
女神「…………
…………本当に、ごめんなさいっ…………」
セレネ「……っ……!」
セレネ「……女神、様っ……?」
女神「…………これは…………」
女神「……私と、悪魔さんの……謝罪です」
セレネ「…………!
……女神様と、お母さんの……」
女神「……………………」
女神「…………
…………あなたを…………」
女神「……独りに、してしまった……こと」
セレネ「…………っ!」
女神「…………あなたの、想いを…………」
女神「……ちゃんと……聴いてあげられなかった、こと」
セレネ「……っ」
女神「…………なにより…………」
女神「…………
……あなたの幸せを、勝手に決めてしまった……こと」
セレネ「…………っ…………」
女神「…………本当に、ごめんなさいっっ…………!」
セレネ「……………………」
セレネ「…………っ!」
セレネ「…………めがみ……さまっっ…………!!」
女神「……っ!
…………ごめんね、セレネっ…………」
女神「…………っ」
女神「……本当にっ……ごめん、ねっっ……!」
セレネ「……っ
…………めがみさまっっ…………!!」
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……そして、女神は……セレネにお願いをするーー
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女神「…………っ…………」
女神「……………………」
女神「…………セレネ」
セレネ「……っ……?
…………女神、様っ…………?」
女神「…………お願いが、あります」
セレネ「……っ!
…………お願、いっ…………?」
女神「…………
…………はい」
女神「……………………」
女神「…………
…………あなたの…………」
女神「……あなたの、答えを……聴かせてください」
セレネ「…………!」
女神「…………今度は…………」
女神「……ちゃんと……知りたいことも、教えますから」
セレネ「……!」
女神「……あなたの想いを……聴きますから」
セレネ「……っ……」
女神「…………
…………だから…………」
女神「……私の願いに対する、あなたの答えを……」
セレネ「…………っ!」
女神「…………
……あなた自身の考えで、歩んできた……道で……」
女神「…………その道の先に、見つけた…………」
女神「…………あなただけの……答えを…………」
セレネ「……っ!」
女神「……あなたの答えを、私に……示して、くださいっーー」




