ーー第19章 「私の答え」ーー
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……セレネの告白と姉妹の受容……
姉妹の想いを受け取り、彼女たちの在り方を見たセレネはーー
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セレネ「…………」
シーア「……セレネ、さんっ……?」
クロハ「……セレネ、お姉さん……
向き合う、って……何……?」
セレネ「……………………」
セレネ「…………
……シーア、クロハ」
セレネ「……私は、ここを……離れます」
シーア「…………っ!
…………ぇ…………」
クロハ「……っ!
……なん、でっ……?」
セレネ「…………私の、願いを…………」
セレネ「…………
……答えを……示すため、です」
クロハ「……っ!
……願い……?」
シーア「…………っ」
クロハ「……!
……お姉、ちゃん……」
セレネ「…………」
シーア「……………………」
シーア「……や……そ……は……」
セレネ「…………シーア」
シーア「…………っ
……やく、そくっ……はっ……」
クロハ「……おねえ、ちゃん……」
シーア「…………っ!」
シーア「…………約束、はっ…………!」
シーア「……私たちのっ……約束、はっっ……」
クロハ「……?
……約、束……?」
セレネ「…………
……約束は、必ず守ります」
シーア「……っ!
……どうやってっっ……!」
セレネ「…………
……近くにいなくても……」
シーア「…………っ!」
セレネ「……あなたたちを……見守り続けます」
クロハ「……っ!」
シーア「……っ……
……近くに……いなく、ても……?」
セレネ「……見守り、続けます」
クロハ「……………………」
シーア「……っ
……どう、やってっ……」
セレネ「……信じて、ください」
シーア「…………っ」
シーア「…………
……信、じてっ……?」
セレネ「…………」
シーア「……っ」
シーア「…………そん、なのっ…………」
シーア「……そんな、のっ……
どう……信じれ、ばっ……」
クロハ「…………
……お姉ちゃん」
シーア「……っ……?
……クロ、ハっ……?」
クロハ「…………
……セレネお姉さんは……本気、だよ」
セレネ「……!」
シーア「…………っ!」
シーア「…………なん、でっ…………」
クロハ「…………
…………だって…………」
クロハ「……っ
……だって、お姉ちゃんと……同じ瞳をしてるっ」
シーア「……っ!」
シーア「…………わたし、とっ…………?」
クロハ「……うんっ」
クロハ「…………
……あの時のお姉ちゃん……」
クロハ「……私から、逃げないって……
言ってくれた時の……お姉ちゃんと、同じ瞳……」
シーア「…………っ!」
クロハ「……………………」
セレネ「……クロハ……」
クロハ「…………セレネお姉さん」
クロハ「…………
……一つだけ、聞かせて」
セレネ「……!」
シーア「……クロ、ハ……?」
クロハ「……セレネお姉さんの、
やろうとしてる……ことは……」
クロハ「……心から望んでるもの……?」
クロハ「……それとも……
望んでなくても、やらなくちゃ……ていうもの……?」
セレネ「…………!」
クロハ「…………
…………どっち…………?」
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……セレネの決意に、クロハは尋ねるーー
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シーア「……クロハ……」
セレネ「……………………」
クロハ「…………セレネお姉さん」
セレネ「…………
…………それ、は…………」
セレネ「…………」
セレネ「……どちらも、そうです」
クロハ「……!」
シーア「…………!
……セレネ、さん……?」
セレネ「……………………」
セレネ「……これから……
私がやろうと、していることを……」
セレネ「……望んでいる……私も、います」
クロハ「…………」
セレネ「…………
…………でも…………」
シーア「……!」
セレネ「……私の罪を……」
セレネ「……この世界を、変えてしまった……罪を……」
クロハ「…………っ…………」
セレネ「…………
……罪の、意識……から……」
セレネ「……やらなくては……
という、想いも……あります」
シーア「……セレネ、さん……」
クロハ「……っ
…………ならーー」
セレネ「ーーでもっ!」
クロハ「……っ!」
セレネ「……それでも、一つだけ言えるのは……」
セレネ「…………
……私が、選んだ……」
セレネ「……思うままに選んだ、私の答え……なんです」
クロハ「…………っ!」
シーア「……っ……」
セレネ「…………
…………だから…………」
セレネ「……私は、この我儘を……貫きたいのです」
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……クロハの問いに対する、セレネの答え
その答えを、聴いた……クロハはーー
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クロハ「…………」
シーア「…………っ」
クロハ「…………
……お姉ちゃん」
シーア「……………………」
クロハ「…………お姉ちゃん」
シーア「……っ……
……クロ、ハっ……」
クロハ「…………
……聴いた、よね」
シーア「……っ」
クロハ「……セレネお姉さんの、想い」
シーア「…………
…………うん」
セレネ「……シーア……」
クロハ「…………
……なら、私たちは……」
クロハ「…………ううん」
クロハ「……私は、信じたい」
セレネ「……!」
シーア「…………っ
……クロハ……」
クロハ「…………
……私は知ってるから」
クロハ「……出来るかどうか、分かんなくても……」
クロハ「……やりたいことを……
自分が選んだ道を、進む人に……とって……」
シーア「…………」
クロハ「…………
……自分を、信じてくれる存在が……」
クロハ「…………光、が…………」
シーア「…………っ!」
クロハ「……どれだけ、暖かいかを……」
セレネ「……!
……クロハっ……」
クロハ「…………だから…………」
クロハ「…………
……私は、セレネお姉さんを……信じるっ……!」
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……クロハは答えた、シーアはーー
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セレネ「…………っ!」
シーア「……っ!」
クロハ「…………
……お姉ちゃんは……どうしたいの……?」
シーア「…………っ」
シーア「…………
…………私、はっ…………」
セレネ「……シーア……」
クロハ「…………お姉ちゃん」
シーア「……………………」
シーア「…………っ
……私もっ、信じたいっっ……!」
セレネ「……!」
クロハ「……っ!
……お姉ちゃん……!」
シーア「……っ
……けどっ……けれどっ……」
シーア「…………こわい、のっ…………」
クロハ「……お姉、ちゃん……」
シーア「…………っ
……だって……」
シーア「……私にとってっ、セレネさんはっっ……」
シーア「……もう、一緒にいるのが……
当たり前の……存在、だからっ……!」
セレネ「…………っ!」
シーア「……ずっとっ、一緒にいたいっっ……!」
クロハ「……っ!」
シーア「…………
……そう、想う……大切な存在、だからっ……!!」
セレネ「……っ!
……シーアっ……」
クロハ「……………………」
クロハ「……っ!
……うんっ……!」
クロハ「……私も、お姉ちゃんと……同じ想い、だよっ……!」
シーア「……クロハっ……」
クロハ「…………
……だからこそっ……信じてあげなくちゃっ……!」
シーア「…………っ!」
クロハ「……私たちは……」
クロハ「…………
……私たちだけは、信じるんだっ……!!」
セレネ「…………!」
クロハ「……セレネお姉さんの、光にっ……」
クロハ「……大切な存在のっ……光に、なりたいからっっ……!」
シーア「…………っ」
シーア「…………
…………うんっ…………!」
クロハ「……!
……お姉ちゃんっ……!」
セレネ「……シーアっ……!」
シーア「…………っ…………」
シーア「……でも……」
シーア「…………
……また、一つだけ……約束してください」
セレネ「…………!」
クロハ「……お姉ちゃん……?」
シーア「……っ
……必ずっ、またっ……三人で会うことをっっ……!」
クロハ「…………っ!」
セレネ「……っ!」
セレネ「……………………」
セレネ「…………っ」
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……シーアが求める約束
セレネにとっては、守れるか分からない……約束
……しかし、セレネは応える
シーアとクロハの存在は、セレネにとっても……
……もう、かけがえのない存在だから
……その想いを、表すように……
セレネは……二人を抱きしめながら、言葉を紡ぐーー
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シーア「……っ!?」
クロハ「…………っ!?」
セレネ「…………っ…………」
クロハ「……セレネ、お姉さん……?」
シーア「…………
……暖かいっ……」
セレネ「…………」
セレネ「…………二人とも…………」
セレネ「…………ありが、とうっ…………!」
シーア「……!」
クロハ「…………っ!」
セレネ「…………
……あなたたちが、いてくれてっ……」
セレネ「…………私と、出会ってくれてっっ…………」
セレネ「……………………」
シーア「…………
……セレネ……さん……?」
セレネ「…………っ…………」
セレネ「…………生まれてっ、きてくれてっっ…………!」
クロハ「…………!」
セレネ「…………本当にっ……
……ありがとうっっ……!!」
シーア「……っ!」
クロハ「…………っ!」
シーア「……っ……
……セレネ……さんっ……!」
クロハ「……セレネ……お姉さんっっ……!」
セレネ「…………っ…………!」
セレネ「…………
……約束、するよっ……!」
セレネ「……また……」
セレネ「……三人で、必ずっ……会おうねっっ……!!」
シーア「…………はいっっ…………!」
クロハ「…………うんっっ…………!!」
セレネ「…………っ…………!」
セレネ「…………
……じゃあ、いってきますっ……!」
クロハ「…………っ!
……いって……らっしゃいっ……!」
シーア「……っ!
…………どうかっ……お元気でっっ…………!!」
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……そして、セレネは……
姉妹と別れ……あの場所へと帰ってきた
……あの、大きな樹のもとへ……そこに、いたのはーー
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セレネ「…………」
せれね「……おかえり」
セレネ「……っ!」
せれね「……待ってたよ」
セレネ「……………………」
セレネ「…………
……ふぅ……」
セレネ「…………
…………今は…………」
セレネ「……ちゃんと、話してくれるんですね」
せれね「……うん」
せれね「…………
……私が……」
せれね「…………心を…………」
せれね「……わたし、を……ちゃんと、見てくれるから」
セレネ「…………っ!」
セレネ「……あなた、はっーー」
せれね「ーー答えをっ」
セレネ「…………っ!」
せれね「…………
……私の、答えを……聴かせて」
セレネ「……っ!」
せれね「…………わたしが知りたいのは、それだけ…………」
セレネ「……………………」
せれね「…………
……私が、聞きたいこと……知りたいこと、は……」
せれね「……全部……
女神さまと、お母さんに……聞けばいいから」
セレネ「…………っ…………!」
セレネ「…………どういう……こと…………?」
せれね「……ふふっ」
せれね「…………
……もう、私は……行けるんだよ」
せれね「…………聖域に…………」
セレネ「…………!」
せれね「……女神さまと、お母さんの……ところに……」
セレネ「…………っ!」
セレネ「……っ
……会え、る……?」
セレネ「…………
……女神、様とっ……お母、さんにっっ……」
せれね「……うん」
せれね「……私が、天使から……
陽の力を吸収したときに……もう、道は開いてたんだよ」
セレネ「…………っ!?
……あの、ときに……」
セレネ「……………………」
せれね「…………ふふっ」
セレネ「……っ!
……なんで、笑うの……ですか」
せれね「…………
……だって……」
せれね「……会うつもりで、来たんだよね」
セレネ「……っ……!」
せれね「……なのに……
いざ、会えるとなると……驚くんだなぁって」
セレネ「…………っ!」
セレネ「……………………」
セレネ「…………
…………ふぅ…………」
せれね「……大丈夫?」
セレネ「…………
……心配……してくれるん、ですね」
せれね「……当たり前だよ」
セレネ「……!」
せれね「……私の、こと……なんだから」
せれね「…………
……たとえ、鏡であっても……」
せれね「……器だったとしても……本体のことは、心配するよ」
セレネ「…………!」
セレネ「…………
……鏡……器……」
セレネ「……本体……」
せれね「…………それよりも」
セレネ「……っ!」
せれね「……私の答えを、聴かせて」
セレネ「…………」
せれね「……どうしたの?」
セレネ「…………
…………あなたは…………」
セレネ「……私の、心……なんですよね……?」
せれね「……うん、そうだよ」
セレネ「…………っ!」
セレネ「……………………」
セレネ「…………
…………なら…………」
セレネ「……なら、私の答え……なんて……」
セレネ「…………
……もう、知っているでしょうっ」
せれね「……うん、知ってる」
セレネ「……っ!」
せれね「……でも、私の言葉で……聴きたいの」
セレネ「…………っ
……なん、で……」
せれね「……そうしないと、逃げちゃうから」
セレネ「…………!」
せれね「……私は、弱くて……すぐ逃げちゃうから」
セレネ「…………っ」
せれね「……だから、言葉にするの」
せれね「……この世界に、私の言葉を……残すの」
セレネ「……!」
せれね「…………もう、わたしを…………」
せれね「……私の心を、無かったことに……させないために」
セレネ「…………っ…………!」
せれね「……わたしは、きえたくない……から」
セレネ「……っ!」
せれね「……生まれた以上は……
わたしは、きえたく……ないんだ」
セレネ「…………
……あなた、は……」
せれね「……ね」
せれね「……だから、お願い」
せれね「……私の答えを、私の言葉で……わたしに聴かせて」
セレネ「……!」
セレネ「……………………」
セレネ「…………
…………分かり、ました」
せれね「…………よかった」
せれね「…………
……なら、聴かせて」
セレネ「…………はい」
------
……そして、セレネは……自身の答えを、世界に響かせるーー
------
セレネ「…………」
セレネ「…………
……私の、答えは……」
セレネ「…………っ…………」
セレネ「…………
……世界を見守りながら、大切な存在と……在り続けることっ……!!」
せれね「……………………」
せれね「……大切な存在って?」
セレネ「……っ……!」
セレネ「……………………」
セレネ「…………
……女神様と、お母さん……」
せれね「……世界を見守るって……人間だけ……?」
セレネ「…………
……人も、魔物も……彼女たちも……全て」
せれね「…………どうやって、見守るつもり…………?」
セレネ「…………っ…………」
セレネ「…………
……その方法を見つけるために、聖域に行くんです」
せれね「……聖域に行けるか、分かんなかったのに……来たの?」
セレネ「…………
……聖域への道が開かれるまで、待ち続けるつもりでした」
せれね「…………最後に、聴くね」
セレネ「…………!」
せれね「……シーアとクロハ……
二人と一緒に来なかったのは……なんで?」
セレネ「…………っ…………!」
セレネ「……………………」
セレネ「…………
…………それ、は…………」
せれね「…………」
セレネ「……それは、聖域に行ってしまったら……」
セレネ「……ここには……
戻ってこれないかも、しれない……から」
セレネ「…………っ」
セレネ「……でも、彼女たちには……」
セレネ「…………
……ここで、やり残していることが……あります」
せれね「……………………」
セレネ「……まだ、クロハの祈りが……届いてない」
セレネ「…………」
セレネ「…………っ
…………だからっ…………」
セレネ「…………
……彼女たちとは、一緒に……行けないっ……!」
せれね「……………………」
セレネ「…………っ…………」
セレネ「…………」
せれね「…………
…………ふふっ」
セレネ「……!」
せれね「…………本当に、心で…………」
せれね「……感情だけで……動いてるんだねっ!」
セレネ「……っ
……感情だけでは、ありませんっ」
せれね「……!
……ごめんね」
せれね「……ふふっ
……そうだよね」
セレネ「……おかしい、ですかっ」
せれね「……うんっ!」
せれね「……だって……
さんざん悩んで……迷って、考えて……」
せれね「……方法が分からなくても……
どう辿り着くのか、分からなくても……」
せれね「…………大切な存在と、別れるとしても…………」
セレネ「…………っ…………」
せれね「…………
…………湧き出した感情を…………」
せれね「……確かにある、自分の心を……想いを……」
せれね「……無かったことにしてない」
セレネ「…………っ!」
せれね「…………あれだけ、わたしを…………」
せれね「……否定して、拒絶した……私が」
セレネ「……っ!」
せれね「……………………」
せれね「…………ありがとうっ…………!」
セレネ「……!?
……ぇ……」
せれね「……っ
……わたしをっ……」
せれね「……無かったことにっ……しないでくれてっ……!」
セレネ「…………っ!」
せれね「…………」
せれね「……今の私なら、大丈夫」
セレネ「…………!」
せれね「……女神さまと、お母さんに……」
せれね「……ちゃんと、私の答えを示せるよ」
セレネ「……っ!」
せれね「…………だから…………」
せれね「……いって、らっしゃいっ……!」
セレネ「…………っ…………!」
セレネ「…………っ
……あなた、はっ……?」
せれね「…………
……わたしは、鏡でしかないから……」
せれね「…………」
せれね「……私の隣を、歩けないよ」
セレネ「……っ……!」
セレネ「……………………」
セレネ「…………
…………それは…………」
せれね「……!」
セレネ「……それは、気持ちの問題……?」
セレネ「……それとも……何か理由が、あるの?」
せれね「…………っ!」
せれね「……………………」
せれね「…………
……気持ちの……問題……」
セレネ「…………!」
セレネ「……なら、一緒に行きましょうっ……!」
せれね「……!
……でもっ……」
セレネ「…………
……あなたは、私の……心、なんでしょう」
せれね「……っ
……うん」
セレネ「…………なら…………」
セレネ「……ずっと、私と……一緒にいて」
せれね「……っ!」
セレネ「……私が……」
セレネ「……また、心を……
無かったことに、しようとしたら……」
セレネ「…………あなたが、教えて」
せれね「…………っ!」
セレネ「……私を、助けてくれると……嬉しいな」
せれね「……っ
……いい、の……?」
セレネ「……うんっ!」
せれね「…………っ…………」
せれね「……ありが、とうっ……!」
セレネ「…………っ!」
セレネ「……………………」
セレネ「…………
…………よしっ…………」
セレネ「…………それでは」
セレネ「……女神様と、お母さんに……会うために……」
セレネ「……一緒に行きましょう、聖域へっーー」




