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女神の願い、ひとの答え  作者: しーぶる
<後編>~ひとの答え~
25/31

ーー第17章 「三人が踏み出す一歩」ーー

------

……クロハは恐れていた


シーアに……大切な人に嫌われることを……


……自分の怒りが……想いが、大切な人を傷つけることを……



……恐れていたのだ


気付かないふりをしていた、自分の想いと……


……醜い自分と、向き合うことを



……だから、クロハは大切な存在を拒絶した


自分を……そして、大切な人を……守るために……




……しかし、シーアは何も知らない



……クロハの叫びは、シーアには聞こえていない


……クロハが、自分に怒りを向ける理由を知らない



……それでも……


彼女は向かう……大切なクロハのもとへ……



……向き合うために、抱きしめる




……それは、シーアの覚悟の表れだった


もう逃げない、という覚悟の……想いの表れだったーー

                          ------


シーア「……クロハっっっ!!」



クロハ「……っ……」



クロハ「……なん……で……」




------

……シーアがクロハを抱きしめた瞬間、悪魔の動きが止まった


……時が止まったかのような、静寂の中で……二人の想いが溢れ出すーー

                               ------


クロハ「……な、んで……おねえ……ちゃんっ……」



シーア「…………っ」



クロハ「……な、んでっ……


    ……こんな……にっ……あった、かいのっ……?」



クロハ「……なみだ、がっ……でてくるのっっ……?」



シーア「……いいのっ


    …………そのままで…………」



シーア「……私が……いるからっ……!」



シーア「……私が、抱きしめ続けるからっっ!」



クロハ「…………っ!」



シーア「……何も、分からなくてもっ……」



シーア「……クロハが、どんなに変わってもっ……」



シーア「……私はっ……」



シーア「…………お姉、ちゃんはっ…………!」



シーア「……クロハから……逃げないからっっ!」



クロハ「……っ!


    ……おねえ……ちゃんっ……」



シーア「……ごめんねっ」



シーア「……今まで、クロハに向き合えなくてっ……」



クロハ「…………っ」



シーア「……逃げ、続けてっ……」



シーア「……何も……伝え、なくてっ……」



シーア「……本当にごめんねっ……


    あなたをっ……クロハを、独りにしてっっ」



クロハ「……っ……!」



クロハ「…………ちゃん…………」



クロハ「……おねえ……ちゃん……っ……」



シーア「……クロハっ」



クロハ「……ぅ……」



クロハ「……ぅ……うぁ……


    うぁあぁーーーーっっん!!」



シーア「……クロハっ……!」



クロハ「……そう……だよっっ!!」



クロハ「……おねえ……ちゃんっ……


    いつもっ、いつもっっ……」



クロハ「……こたえてっ……くれ、なくて……


    さみしくてっ……かなしくてっ……」



シーア「……うんっ」



クロハ「……わたし……


    わたしっ、がんばったんだよっっ!」



クロハ「……ひとりでもっ……


    さみしく、ても……がんばったっっ……!」



クロハ「……おねえ、ちゃんの……」



クロハ「……おねえちゃんを……


    すこしでもっ……いやせたら……って……」



シーア「……うんっ……


    ……知ってるよっ……」



クロハ「……なの、に……」



クロハ「……なのにっ……ひど、いよっ……」



クロハ「……わたし、が……


    わたしがっ……おねえ、ちゃんを……」



クロハ「……っ


    ……くるしめてた……なんてっっ……」



シーア「……っ!」



クロハ「……いって……よっ……」



クロハ「……なんで……なんでっ……!


    わたしはっ……おねえちゃんと……」



クロハ「…………っ


    ……ただ……ずっと……いっしょにっ……」



クロハ「……そばに……


    いたかった、だけ……なのにっ……」



シーア「…………っ!」



クロハ「……わかん……ないよっ……」



クロハ「……おねえ、ちゃんがっ……


    わたしに……どうして、ほしいのかっ……」



クロハ「……わたし、はっ……


    どうしたら……いいのかっ……」



シーア「……っ


    ……クロハっ……」



クロハ「……や……だよ……っ……」



クロハ「……はなれたくっ……ない……


    いっしょにいたいっ……のに……」



クロハ「……おねえちゃんがっ……くるしい、のは……」



クロハ「……いや……だよっ……」



シーア「……クロハっっ……」



クロハ「……おねえちゃんを……


    くるしめる……わたしがっ……」



クロハ「……おねえちゃんに……


    おこってる……わたし、がっ……」



クロハ「…………っ」



クロハ「……こわ、い……こわいのっっ……」



シーア「……クロハっ……私はっっーー」



クロハ「ーーきえ……たい……」



シーア「……っ!」



クロハ「……きえたほうが……いいって……」



クロハ「……おもう、のにっ……


    きえたく……ないのっっ……」



シーア「…………っ!」



クロハ「……もう……」



クロハ「……わかん……ないよっ……」



クロハ「……おねえ、ちゃんも……わたしもっ……」



クロハ「……わたしの……こころもっ……


    ……なにもっ……わかんないっっ……」



シーア「……っ!


    ……クロハっっっ……!」



クロハ「……っ


    ……おねえ、ちゃんっ……」



シーア「……いいのっ……


    それで……いいのよっっ……」



クロハ「……でもっ……


    でも……それじゃーー」



シーア「ーーいいのっっ……!」



クロハ「……っ……!」



シーア「……今の、ままで……変わらなくてっ……」



シーア「…………


    ……言った、でしょ……」



シーア「……お姉ちゃんは、クロハから逃げない……って」



クロハ「…………っ…………!」



シーア「……っ……


    ……クロハが、どんなに変わってもっ……」



シーア「……変わらなくても……」



シーア「……私は、クロハからっ……逃げないっっ……!」



クロハ「…………っ!」



シーア「……向き合う、からっっ!」



シーア「…………


    ……だから……」



シーア「……クロハの感じてることを……想いをっ……」



シーア「……これからも……


    お姉ちゃんに……教えて、くれないっ……?」



クロハ「……っ!」



シーア「……それで、今度こそっ……」



シーア「……独りじゃなく、二人でっっ……」



シーア「……私とっ、クロハでっっ……


    …………探していきましょうっっ…………!」



シーア「…………っ


    ……二人で、一緒にっ……生きられるっっ、道をっっっ!」



クロハ「…………っ…………!」



クロハ「…………ふたり、でっ…………」



シーア「…………っ」



シーア「……今まで、逃げてきた……私をっ……」



シーア「……クロハが……


    受け入れて……くれる、ならっ……」



シーア「……私はっ……そう、生きたいっっっ!」



クロハ「……っ!


    ……おねえ……ちゃんっ……」



シーア「……クロハは……どうっ……?


    どう……したいっ……?」



クロハ「…………っ!」



クロハ「…………


    ……わたし……は……」



クロハ「………………………………」



クロハ「…………っ


    ……わたし、はっ……おねえ、ちゃんと……」



クロハ「……おねえちゃんとっ……


    いっしょにっっ……いたいっっ!!」



シーア「……っ……!」



クロハ「…………っ


    ……くるしめ、てても……」



クロハ「……おこって、てもっ……」



クロハ「……いっしょにっ……


    いたい……よっっ……!」



シーア「……っ!」



シーア「…………っ…………」



シーア「……うんっっ……!」



シーア「…………私もっ、同じだよっっ……!」



シーア「…………クロハと……同じっ…………!」



クロハ「…………っ!


    …………おねえ、ちゃんっっ…………!」



シーア「……ありがとうっ……クロハっっっ……!!」




------

……そして、シーアとクロハは……


二人で一歩を……新しい一歩を、踏み出した




……二人をじっと見つめていた、悪魔も……


彼女たちの想いを聴き終わった瞬間に、消えていった……



……その光景を見守っていた、セレネには……


悪魔が……消える間際に、微笑んだように……見えたのだった




……そして……


この出来事を見守り終えた、セレネは……ある覚悟を、胸に抱いたーー

                              ------


セレネ「(……良かったっ……!)」



セレネ「(……本当にっ……良かったっっ……!)」



セレネ「(…………っ)」



セレネ「(……シーアが悪魔に、襲われそうになった時……)」



セレネ「(……あの時は……


     吸収の力を、使う覚悟も……したけれど……)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……シーアは、凄い)」



セレネ「(……何の力もないって……


     シーアは、言うけれど……)」



セレネ「(……クロハを癒せる、凄い力が……あるんだよ)」



セレネ「(…………


     ……たとえ……)」



セレネ「(……クロハしか、癒せないとしても……)」



セレネ「(……誰かの心を……


     癒せることは……凄いこと、なんだよ)」



セレネ「(……それは……)」



セレネ「(……誰かを、自分以上に……


     大切に想えるからこそ、出来ること……だから)」



セレネ「(…………


     ……私のお父さん、みたいに……ね)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……とにかく、二人が無事で……良かった)」



セレネ「(……もし、何かあったら……)」



セレネ「(……私の責任、だから)」



セレネ「(…………


     ……こうなることを……)」



セレネ「(……悪魔が、現れる……可能性を……)」



セレネ「(……私は考えていた……のに……)」



セレネ「(…………


     ……それでも、私はっ……)」



セレネ「(……私の思うままに……選んだんだっ……


     二人に想いを、伝え合って……ほしかったっ……)」



セレネ「(…………たとえ、壊れてしまっても…………)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(…………


     …………ふふっ…………)」



セレネ「(……シーアにも、言われたけど……)」



セレネ「(……ほんとに……


     私って……我儘で、ずるい……な……)」



セレネ「(…………


     ……あの二人なら……)」



セレネ「(……どう、動くかなんて……


     分かって……いたのに……)」



セレネ「(……分かったうえで……)」



セレネ「(……危険なことを、知っていて……)」



セレネ「(……それでも……


     自分の願いのために、動く……なんて……)」



セレネ「(…………


     ……ほんとに、誰に……似たんだろうね……)」



セレネ「(……そう、思うよね……


     女神様……お母さん)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……だからこそ……)」



セレネ「(……私の思うままに、選んだからこそ……)」



セレネ「(……私も、責任を……取らなきゃね)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(…………


     ……シーア、クロハ……)」



セレネ「(……私は……


     あなたたちに、私のことを……)」



セレネ「(…………


     ……私が、歩んできた道……)」



セレネ「(……そして、歩もうとする道を……伝えるね)」



セレネ「(……っ……


     ……私もっ……向き合いたい、からっ……!)」



セレネ「(……私の、想いにっ……心にっっ……!)」



セレネ「(……そしてっ……


     ……大切な、存在にっ……!)」



セレネ「(…………女神様とっ、お母さんにっっ…………!!)」



セレネ「(…………っ…………)」



セレネ「(……………………)」



セレネ「(……でも、私は知ってる……)」



セレネ「(……何も、伝えられない……まま……


     突然訪れる、別れの……つらさをっ……)」



セレネ「(……その別れが、深い傷を……


     残すかも……しれない、ことをっ)」



セレネ「(…………


     ……知っている、からこそ……)」



セレネ「(…………私は…………)」



セレネ「(……別れる前に、想いを……全て、伝えるんだ)」



セレネ「(…………


     ……そして、二人にも……)」



セレネ「(……別れることを……


     受け止めて、もらったうえで……私の望む道を、進みたいっ)」



セレネ「(…………


     ……それが……)」



セレネ「(……誰かに似て、我儘で……ずるい、私の……)」



セレネ「(……似てるけど違う、私なりの……答え、だからっ)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(…………


     ……私の答えを……)」



セレネ「(……私を、見ててねっ……!)」



セレネ「(…………お父さんっっ…………!)」



セレネ「(……………………)」



セレネ「(……この答えが……)」



セレネ「(……どんな道に、繋がっていようと……)」



セレネ「(……私は……


     私の、思うままに……生きて、いくよっーー)」

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