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女神の願い、ひとの答え  作者: しーぶる
<後編>~ひとの答え~
23/31

ーー第15章 「暗闇に灯る約束」ーー

------

……シーアは、聞いて……しまった



……セレネと……


セレネの大切な方の、結末を……辿った、道を……


……自分と、クロハの……


辿り着くかもしれない、可能性の一つを



……シーアは揺れる


セレネの叫びによって……そして、彼女はーー

                   ------


シーア「……っ」



シーア「……セレネ……さんっ……」



セレネ「…………っ…………」



セレネ「…………


    …………だからっ…………」



セレネ「……シーア、にも……」



セレネ「……あなた……にもっ……


    クロハが、感じる幸せをっ……」



セレネ「……クロハ自身から……


    聞いて、ほしいんですっ……」



シーア「…………っ!」



セレネ「……その、答えを……聞いてから……」



セレネ「……あなたの在り方を、決めても……」



セレネ「…………


    ……あなたの望む心を、どう受け止めるか……」



セレネ「……決めても、良いと……思うんですっ」



シーア「……っ!」



セレネ「……だってっ……」



セレネ「……だって、あなたの望んでいる……ことはっ……!」



セレネ「…………っ


    ……あなたにとっての、幸せはっ……!」



セレネ「……あなた、一人でっ……


    手に入れられる、ものでは……ないからっっ」



シーア「…………っ!


    ……わたし、だけではっ……」



セレネ「……クロハが、いるからこそ……」



セレネ「…………


    ……大切な、相手が……いるからこそっ……」



セレネ「……あなたの幸せはっ……


    掴めるものに、なるんですっ……!」



シーア「……っ


    ……クロハが、いるからっ……」



セレネ「……だからっ……」



セレネ「……大切な相手の、想いをっ……


    願いをっ……そして、幸せをっっ……」



セレネ「……あなた、だけで……


    決めないで……あげて、くださいっ……」



シーア「…………っ!」



セレネ「……クロハの感じることは……


    クロハにしか……分からない、からっ……」



セレネ「……っ……


    ……大切な相手、ならっ……」



セレネ「……ちゃんと、向き合ってあげてほしい……と……」



セレネ「……私は、願って……いますっ……!」



シーア「…………っ…………!」



シーア「…………


    ……セレネ、さんっ……私はっ……」



シーア「……っ……」



セレネ「……シーア……」



セレネ「…………っ」



セレネ「…………」



セレネ「…………


    ……無理は、しなくて……いいんですよ」



シーア「……っ」



セレネ「……あなたの、ことは……


    あなただけが……決められるの、ですから」



シーア「…………っ!


    ……わたし、だけがっ……」



セレネ「…………


    ……私、は……」



セレネ「……過去の、経験から……


    私が感じていた……ことを……」

   

 

セレネ「……あなたに……伝えたいと、思った……」



セレネ「…………


    ……あなたたちの関係が……」



セレネ「……あなた、たちが……私に……」



セレネ「……私と、私の大切な方に……似ていたからっ」



シーア「……っ……!」



セレネ「…………


    ……ただ、それだけ……なんです」



シーア「…………」



セレネ「……だから……」



セレネ「……これは、私の我儘……なんですよ」



シーア「……!」



セレネ「……ただ……


    私が、シーアに……伝えたかったんです」



シーア「…………」


    

シーア「……わが……まま……」



セレネ「……そうですよ」



セレネ「……我儘、なんです」



セレネ「…………


    ……我儘でも……」



セレネ「……シーアには……


    知ってほしい、と……私が、思ったんです」



シーア「…………っ


    ……セレネ……さんっ……」



セレネ「……シーアが望む、幸せ……」


  

セレネ「……大切な存在と、ずっと一緒にいたい……」



シーア「……っ!」



セレネ「……そんな、幸せっ……」



セレネ「…………」



セレネ「……あなたは……

    

    醜い、と……相手の幸せを、奪ってしまう……と……」



シーア「…………っ」



セレネ「……否定している、けれど……」



セレネ「…………


    ……私も……」



セレネ「……同じ、幸せを……望んでいるん、ですよっ」



シーア「…………っ…………!」



セレネ「……だからっ……」



セレネ「……その、幸せの……形はっ……」



セレネ「……あなた一人が、感じるものでは……ないんですっ」



シーア「…………っ!


    ……ひとりじゃ、ないっ……」



セレネ「……その幸せを望む……


    あなたはっ……シーアはっ、在っていいのですっっ!」



シーア「……っ!」



セレネ「……っ……


    ……少なく、ともっ……」



セレネ「……同じ幸せを望む、私がいますっ!」



シーア「……セレネ、さんっ……」



セレネ「……そして……


    私は、シーアの……幸せを……」



セレネ「……幸せを望む心を……


    おかしいとは……思いませんっっ!」



シーア「…………っ!」



セレネ「…………


    ……だからっ……」



セレネ「……だから、ねっ……」



セレネ「……シーアっ……


    あなたの、幸せをっ……!」



セレネ「……あなたが感じるっ……望む、心をっ……!」



セレネ「……あなた、自身をっ……」



セレネ「……少しは……


    信じて、あげてもっ……良いんですよっ……!」



シーア「…………っ…………!」



セレネ「…………


    ……あなたは、おかしくない」



シーア「……っ!」



セレネ「……あなたは……独りじゃ、ない」



シーア「……っ……」



セレネ「……私が、いますっ……」



セレネ「…………っ


    ……同じ幸せを望む……私が、いますからっっ!」




------

……セレネの想いを……叫びを聴いた、シーアはーー

                      ------


シーア「……っ!」



シーア「…………っ


    ……私、はっ……独りじゃ、ないっ……」



シーア「……っ


    ……私はっ……私の、幸せはっ……」



シーア「……在って、いいん……ですかっっ……?」



セレネ「……良いんですよっ」



セレネ「……私は、そう思いますっ」



シーア「…………っ!」



セレネ「…………


    ……でも……」


   

セレネ「……クロハの、ことは……


    クロハの幸せは……私には、わかりません」



シーア「……っ……」



セレネ「……もしかしたら……」



セレネ「……シーアと……


    同じ幸せを、望んでいるかも……しれない……」



シーア「……っ!」



セレネ「……そうではないかも、しれない」



シーア「…………」



セレネ「……それは……


    クロハにしか、分からない」



セレネ「…………


    ……だから……」



セレネ「……クロハから……


    教えてもらうしか、ないんです」



シーア「……っ……」



シーア「……もうっ……」



シーア「……もう、分かって……いるんですっ……」



セレネ「…………シーア」



シーア「…………っ


    ……セレネさんの、お話をっ……」



シーア「……私と、クロハがっ……辿るかも、しれないっ……」



シーア「……可能性を、知ってしまった……からっ……」



セレネ「…………」



シーア「…………っ…………」



シーア「……でも……怖いっ……」



シーア「……怖いん、ですっ……」



セレネ「……シーア……」



シーア「……クロハがっ……


    もし……クロハの、幸せがっ……」



シーア「……私と……違ったらっ……」



シーア「……そう、思う……だけでっ……」

    


セレネ「…………


    ……分かり、ますよ」



シーア「…………っ!」



セレネ「……私、も……


    自分の気持ちを、伝えるのはっ……」



セレネ「……ずっと、怖かったっ……」



シーア「……セレネ、さん……もっ……」



セレネ「……そう、ですよ」



セレネ「……今も、怖いっ……


    私の心と……向き合うのはっ……」



シーア「…………」



セレネ「……それでもっ……


    私は……私の、思うままにっ……」



セレネ「……シーア……


    あなたに、私の想いを……伝えました」



シーア「……っ!」



セレネ「…………


    ……その責任は……」



セレネ「……我儘の責任は、取りますね」 



シーア「……!


    ……セレネ、さんっ……?」



セレネ「……何度でも、伝えます」



セレネ「……シーアが……


    私の言葉で、どう変わろうと……」



シーア「……っ!」



セレネ「……変わらないと、しても……」



セレネ「……シーアの望むとおりに……なっても……」



セレネ「……ならなくても……」



セレネ「……私は、シーアを……見守り続けます」



シーア「…………っ!


    ……セレネ、さんっ……」



セレネ「……だから……」



セレネ「……シーアは……


    シーアの、思うままに……生きてください」




------

……セレネの誓いと願いを受け取った、シーアはーー

                      ------


シーア「……っ!」



シーア「…………


    ……セレネさん……あなた、はっ……」



シーア「……あなたはっ……


    本当に……優しくてっ、厳しく……てっ……」



シーア「……そしてっ……


    ずるいっ、ですっっ……」



セレネ「…………!」



シーア「…………っ


    ……あんな、お話をっ……」



シーア「……セレネさんと……


    セレネさんの、大切な方のっ……」



シーア「……結末をっ……聞いて、しまったらっ……」



セレネ「…………」



シーア「……私はっ……」



シーア「……このまま、何もしないで……


    いられるはずが……ありませんっ……」



セレネ「……!」



シーア「……っ


    ……誰、よりもっ……」



シーア「……クロハとっ……


    離れ離れに、なりたくないっ……私がっっ……!」



セレネ「……シーア」



シーア「…………


    ……セレネ、さんはっ……」



シーア「……分かっている、はずっ……なのに……」



シーア「……なのにっ……


    最後の一歩は、私に……選ばせるん、ですねっ……」



セレネ「…………」



シーア「…………っ


    ……本当にっ……ずる、いっ……」



シーア「……ずるいっ、ですっっ……!」



セレネ「…………シーア」



シーア「……っ……


    ……セレネさんっ、私は……」



シーア「……私はっ……


    クロハの、答えを……聞いてもっ……」



シーア「……クロハの幸せを……願う、ことがっ……


    クロハのことを、想い続ける……ことがっ……」



シーア「……できるっ……でしょうかっっ……?」



セレネ「……………………」



セレネ「……できますよ」



シーア「……っ!」



セレネ「……大丈夫」



セレネ「……シーアは、もう……できている、から」



シーア「……っ……?


    ……私、が……できている……?」



セレネ「……そうです」



セレネ「…………


    ……シーアは……」

  


セレネ「……クロハの幸せを……


    奪ってしまうかも、しれない気持ちに……」



セレネ「……あなた自身の……


    望む心に、気付いたときに……」



セレネ「…………


    ……その心を、無かったことにせず……」



セレネ「……その心を……抱えたまま……


    姉として、クロハのことを……想い、続けた」



シーア「…………っ!」



セレネ「……想い続けることが……


    出来たでは、ありませんかっ!」



シーア「……っ!」



シーア「…………


    ……でもっ……」



シーア「……それはっ、役割をっ……


    演じていただけ……なんですよっ……?」



セレネ「…………


    …………シーア」



シーア「……!」



セレネ「……私は、思うんです」



セレネ「…………


    …………たとえ…………」



セレネ「……役割を……演じている、つもりでも……」



セレネ「……自分の中に……


    心にない、一面……は……」



セレネ「……演じることすら、出来ないと」



シーア「…………っ!」



セレネ「…………


    ……私から見たら……」



セレネ「……姉という役割を……


    演じている、シーアは……」



セレネ「……シーアの中に在る、クロハを想う……あなた……」



シーア「……っ!」



セレネ「……クロハの幸せを……


    心より、願っている……あなたの……」



セレネ「……シーアの、優しい……綺麗な一面……」



セレネ「……シーアの……心の、一部……」



セレネ「…………


    ……そう、感じられるんです」



シーア「……!


    ……わたしの、一部……」



セレネ「……だから……」



セレネ「……役割を演じている、あなたも……」



セレネ「……あなたの一部、だと……


    確かにある……あなた自身、なのだと……」



シーア「…………っ!」



セレネ「……信じても……良いのだと……」


  

セレネ「……私は、思いますよ」



シーア「……っ!


    ……セレネ、さんっ……」



セレネ「……少なくとも、私は……」



セレネ「……シーアの、綺麗な一面だと……信じています」




------

……セレネの信頼……そして、シーアはーー

                  ------


シーア「…………っ…………!」



シーア「……っ


    ……姉の、役割のっ……私、もっ……」



シーア「……私の……一部っ……」



セレネ「……そう、信じます」



シーア「……………………」



シーア「……っ……


    ……そんなっ……そんな、ことっ……」



シーア「……すぐにはっ……


    信じ、られませんっ……」



セレネ「…………」



シーア「……っ


    ……けれ、どっ……」



セレネ「…………!」



シーア「……あなたのっ……」



シーア「…………


    ……私の、想いをっ……叫びをっ……」



シーア「……聴きたい、と……


    伝えてくれたっ……セレネさんの、言葉っ……ならっ……」



セレネ「……っ!」



シーア「…………っ


    ……少し、はっ……」



シーア「…………


    …………信じて、みようとっ…………」



シーア「……少し……だけでもっ……


    信じて、みたいと……思えますっっ……!」



セレネ「…………っ!


    ……シーアっっーー」



シーア「ーーでもっ」



セレネ「……っ!」



シーア「……一つ、だけ……」



シーア「…………


    ……一つ、だけで……いいんです」



セレネ「……シーア……」



シーア「…………


    ……怖がりな、私のっ……」



シーア「……お願い、を……我儘……をっ……」



シーア「……聞いて、くれませんかっ……?」



セレネ「…………!」



シーア「……私にっ……」



シーア「……勇気、をっ……


    支えをっ、くれませんかっっ……?」




------

……ついにシーアは、一歩を踏み出した


そんな彼女を見て、セレネは……思わず抱きしめてしまうーー

                          ------


セレネ「……っ!


    ……ふふっ……!」



セレネ「……シーアっっ……!」



シーア「……っ……!?」



セレネ「……ようやくっ……


    あなたの、我儘をっ……」



シーア「……セレネ、さんっ……?」



セレネ「……あなたのっ……ためにっ……」



セレネ「……何か、できるっ……私にっ……」



セレネ「…………っ


    ……なれたん、だねっっ……!」



シーア「……っ……!」



シーア「…………


    ……セレネ……さんっ……」



シーア「…………っ」



シーア「……あったかい……けどっ……


    くるしぃ……ですっ……」



セレネ「……っ!


    ……ごめんなさいっ」



シーア「……いえ、大丈夫……です」



セレネ「…………


    ……ふふっ……!」



シーア「…………!


    …………ふふふっ…………!」



シーア「……セレネさんは、あったかい……ですねっ……!」



セレネ「……!


    ……シーアも、暖かい……ですよっ……!」



セレネ「……でも、すみませんっ……


    思わず……抱きしめ、すぎましたっ……」



セレネ「……緩めますから……このままで……」



シーア「…………!」



セレネ「……このまま……聴かせて、ください」

    


セレネ「……シーア……


    あなたの言葉を……私、に……」



セレネ「……私に……


    あなたの我儘を……聴かせてください」



シーア「……っ……!」



シーア「…………


    ……セレネ、さんっ……」



セレネ「…………」



シーア「……分かり、ましたっ」



シーア「…………


    …………このままで…………」



セレネ「……ありがとう、シーア」



シーア「………………」    



シーア「……改めて……


    ……セレネさん……」



シーア「……私と、約束……してくださいっ……!」



セレネ「…………!」



シーア「…………


    ……どんなことが、あろうとっ……」



シーア「……私が、どんなに……変わろうとっ……」



シーア「…………


    ……私をっ……信じて、くれるとっ……」



セレネ「…………」



シーア「……私だけ、でなく……


    クロハもっ、見守り続けて……くれるとっ……」



セレネ「……!」



シーア「……っ……


    ……約束……して、くれますかっ……?」



セレネ「…………っ!」



セレネ「…………


    ……もちろん、ですっっ……!」



シーア「……っ……!」



セレネ「……その想いは……私が、あなたに……」



セレネ「……伝え続けたもの……


    知ってほしかった、私の想い……ですから」



シーア「……っ!


    ……セレネ……さんっ……」



セレネ「…………


    ……私は、あなたに……」



セレネ「……シーアに、約束します」



シーア「……!」



セレネ「…………


    ……これから、どんなことがあろうと……」



セレネ「……シーアが、どんなに変わろうと……


    たとえ、変わらなかったとしても……」



セレネ「……私はっ……」



セレネ「……少なくとも、私だけはっ……


    ……シーアを、信じていますっ!」



シーア「…………っ!


    ……セレネ、さんっ……!」



セレネ「……そして……


    シーア、クロハ……」



セレネ「……あなたたちを、見守ります」



セレネ「…………


    ……私は……いつまでも……」


    

セレネ「……あなたたちを、見守り続けますからっーー」

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