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女神の願い、ひとの答え  作者: しーぶる
<後編>~ひとの答え~
22/31

ーー第14章 「綺麗で醜いあなたでいて」ーー

------

……シーアの想い


そして、シーアの叫び……



……彼女の物語を聴いていた、セレネは……


彼女に何を……伝えるのかーー

                  ------


セレネ「…………」



セレネ「…………っ


    ……シーア……ありがとうっ……!」



シーア「……っ!」



セレネ「……あなたの、想いをっ……


    ……あなたの……叫びをっ……」



セレネ「……私に、聴かせてくれて」



シーア「……っ……


    ……セレネ……さんっ……」



セレネ「……シーアっ……」



シーア「……っ……!」



シーア「…………


    ……わた、しっ……」



セレネ「…………!」



シーア「……私……やっとっ……」



シーア「……やっとっ……言えましたっ……」



セレネ「…………っ!」



シーア「……ずっとっ……苦し、かったっ……」



シーア「……っ……」



シーア「……私の……心がっ……


    ……私の、望む……ことがっっ……」



セレネ「…………」



シーア「……っ」



シーア「…………


    ……どうしようもなくっ……」



シーア「…………っ


    ……我儘……だからっ……」



セレネ「……っ……


    ……シーア……」



シーア「……クロハの、ことを……


    大切な……存在の、ことをっ……」



シーア「…………何もっ…………


    考えて、いなんじゃ……ないか、って……」



セレネ「…………シーア」



シーア「……っ……」



シーア「……そんな……自分勝手な、私がっ……」



シーア「……私……なん、だってっ……」



セレネ「……シーア……」



シーア「…………っ…………」



シーア「……私はっ……醜いっ、てっっーー」



セレネ「ーー醜くなんて、ありません」



シーア「……っ!」



セレネ「…………っ!」



セレネ「…………


    ……いえ……違い、ますね……」



セレネ「……シーア……


    あなたは……醜いだけでは、ないでしょう」



シーア「…………!」


  

セレネ「……とても、綺麗なところも……あるではないですか」



シーア「……っ……!」



シーア「…………


    ……綺麗な……ところ……?」



セレネ「……そうですよ」



セレネ「……あなたの綺麗なところ……」



セレネ「……あなたは、役割を……


    演じたでは、ありませんか」



シーア「…………っ!?


    ……それが、綺麗……?」



セレネ「……はい、綺麗です」



セレネ「…………


    ……自分の醜さを、自覚していながら……」



セレネ「……その醜さを無かったことにせず、


    しっかりと……向き合っているから」



シーア「…………!」



セレネ「…………


    ……向き合った、上で……」



セレネ「……クロハのことを……


    クロハの、幸せを……優先したからこそ……」



セレネ「……自分の心を消してでも、


    姉という……役割を、演じることを……」



セレネ「……あなたは、選んだのでしょう」



シーア「…………っ!」



セレネ「……あなたには……」



セレネ「…………


    ……シーアの、中には……」



セレネ「……大切なクロハのために……


    大切な存在の、幸せのために……」

   


セレネ「……自分の幸せすらも、手放せる……」



セレネ「……そんな……


    とても、綺麗で……凄いところも、あるのですよ」



シーア「…………っ…………」



シーア「…………


    ……私、が……凄い……?」



セレネ「……はい、シーアは凄いです」



シーア「……っ……」



シーア「……………………」



シーア「…………っ


    ……セレネ、さんっ……」



シーア「……でもっ、それは……」



セレネ「…………」



シーア「……私の、醜さからっ……


    逃げたっ……だけ、なんですよっ……?」



セレネ「……シーア」



シーア「……


    …………っ」



シーア「……私の醜さは……


    在り続けるんですっ……!」



シーア「…………


    ……受け止めきれない……この、醜さはっっ……!」



セレネ「……………………」



セレネ「…………


    ……醜くても、いいじゃないですか」



シーア「…………っ!?」



セレネ「……それも、あなたの一部……なんですから」



シーア「……っ……」



セレネ「……少なくとも、私はそう思います」



シーア「…………っ


    ……なに、をっ……いってーー」



セレネ「ーーそれに」



シーア「……っ!」



セレネ「……あなたに……


    醜いところが、あったとしても……」



セレネ「……あなたの綺麗なところが……


    無くなるわけでは、ありませんから」



シーア「…………!」



セレネ「……私は……


    どちらもシーアの一部、なんだと……」



セレネ「……そう、感じましたよ」

    


シーア「……っ……!?」



シーア「…………」



シーア「…………っ…………」



セレネ「…………


    …………シーア」



シーア「……っ


    ……醜くても、いいっ……?」



セレネ「…………」



シーア「……セレネさんは……何をっ……」



シーア「……何を、言ってっ……いるん、ですかっっ……!」



セレネ「……シーア……」



シーア「……っ


    …………このっ…………」



シーア「…………私の……醜い、心がっっ…………」



セレネ「…………」


    

シーア「…………っ」



シーア「……クロハとっ……

    

    一緒にいたいと……願うっ、望むっ……心がっ……!」



シーア「……っ……


    …………クロハのっ…………」



シーア「……大切な、存在の……


    幸せをっ……奪うかも、しれないんですよっっ……!」



セレネ「…………


    …………シーア」



シーア「…………っ…………」



シーア「……そん、なのっ……」



シーア「……そんな、ことっ……許される、はず……」



セレネ「…………」



シーア「……っ


    ……私、がっ……」



シーア「……許せる、はずがっ……無いんですっっ……!」



セレネ「……………………」



セレネ「…………


    ……そう、ですね」



シーア「…………っ!」



セレネ「……もし……そう、なったら……」



セレネ「…………


    ……クロハの、幸せを……」



セレネ「……あなたの我儘で、奪うことに……なったら……」



シーア「…………っ」



セレネ「……シーアは……


    自分を、責め続ける……でしょうね」



シーア「……っ!」



シーア「…………


    ……分かっ、てるなら……」



セレネ「…………」



シーア「……っ……」



シーア「……分かってる、ならっ……なん、で……」



シーア「……なんでっ……


    そんな、ことをっ……」



シーア「……そんな、言葉をっ……


    伝えるの……ですかっっ……!」



セレネ「……っ……」



セレネ「…………


    …………それ、は…………」



セレネ「…………っ…………」



セレネ「……あなたがっ……!」



シーア「……っ!」



セレネ「…………っ


    ……私、の……」



セレネ「……大切な方を……


    思い起こさせる、からっ……」



シーア「……っ……!?


    ……セレネ、さんの……大切な……?」




------

……セレネは、シーアに……彼女の在り方に……


この世界で過ごしていた、自分の姿だけではなく……



……セレネにとっての、大切な存在……


……「女神様」の姿も、重ねていた……




……そんなシーアに、セレネは伝える


自身と女神様の結末を……辿った、道を……



……その時に、感じた心を……


そして、今……叫びたい、想いをーー

                      ------


セレネ「…………っ…………」



セレネ「……………………」



セレネ「……私、の……」



シーア「…………!」



セレネ「…………


    ……私の、大切な……方……」



セレネ「……その方は……


    いつも、自分を……責めていました」



シーア「……っ……」



セレネ「……そして、私のことを……希望、だと……」



セレネ「…………

    

    ……闇の中で輝く、光……だと……」



シーア「…………っ!」



セレネ「……そう、言って……くれました」



セレネ「…………」



セレネ「……あなたが伝えてくれた……


    あなたと、クロハのような……」



セレネ「……そんな関係、だったんです」



シーア「……っ!」



シーア「…………


    ……私と……クロハの、ような……」



セレネ「……………………」



シーア「…………!」



シーア「…………


    …………今っ…………」



シーア「……今、その方はっ……


    セレネさんの……大切な、方はっ……」



シーア「……どこ、にっ……?」



セレネ「…………っ…………」



シーア「……っ……!


    ……もし、かしてっーー」



セレネ「ーー離れ離れに……


    なって、しまい……ました……」



シーア「…………っ!」



セレネ「…………


    ……会えなくなって、しまったんです……」



シーア「…………っ…………」



セレネ「…………」



シーア「……っ……


    ……どう……してっ……」


 

シーア「…………なん、でっ…………?」



セレネ「……………………」



セレネ「……どうして……なんでしょうね……」



セレネ「…………


    ……私には、あの方の想いが……」



セレネ「……全て、分かるわけでは……ありません」



シーア「…………っ」



セレネ「…………


    ……それでも、分かっているのは……」



セレネ「……あの方が……


    私に、伝えてくれたこと……」



セレネ「…………」



セレネ「……それは……


    ……私の幸せを、願ってくれていた……ことです」



シーア「…………!」



シーア「…………」



シーア「…………?


    ……セレネさんの……幸せ、を……?」



セレネ「……はい」



シーア「…………


    ……それなら……どうしてっ……」



シーア「…………っ


    ……どう、してっ……」


 

シーア「……離れ離れに……


    なって、いるんですかっっ……!」



セレネ「…………っ…………」



セレネ「……………………」



シーア「……セレネ、さんっ……」



セレネ「……っ……」



セレネ「…………


    ……その方が考えた、私の幸せは……」



セレネ「……多分……

    

    ……シーアが、姉として……」



セレネ「……クロハに願っている幸せと……


    似ているもの、だったんです」



シーア「…………っ!


    ……姉、として……クロハに……」



セレネ「…………」


    

セレネ「……私の周りに、たくさんの人がいて……」



シーア「……っ!」



セレネ「……私が、一人じゃない……


    孤独じゃない……寂しく、ない……」



シーア「……っ……」



セレネ「…………


    ……そんな、幸せを……」



セレネ「……願ってくれて、いたんだ……と……」



セレネ「……そう、思うんです」



シーア「…………っ」



セレネ「……私が、あの方といた……ところは……」



セレネ「……人間は、私一人……でしたから」



シーア「…………っ!


    ……人間が……一人っ……!?」



セレネ「…………


    …………でも…………」



シーア「……!」



セレネ「……その、幸せは……」



セレネ「……その方自身が……


    犠牲に、ならなくては……」



シーア「……っ……!」


  

セレネ「…………


    ……私と、離れ離れに……ならなくては……」



セレネ「……叶わない、ものだった……」



シーア「…………っ


    ……そん、な……」



セレネ「……っ……」



セレネ「…………」



セレネ「……だから、私とあの方は……


    離れ離れになって……しまったんですよ」

     


シーア「…………っ…………」



セレネ「…………」



シーア「…………っ


    ……そんなっ……そんな、ことって……」



セレネ「……………………」



シーア「……っ……」



シーア「…………


    ……セレネ……さん、は……」



シーア「……っ


    ……セレネ、さんはっ……」



シーア「……幸せに……


    なれたん、ですかっ……?」



セレネ「…………っ…………」



セレネ「…………」



セレネ「…………


    …………いいえ」



シーア「…………!」



セレネ「……幸せには……


    なれません、でした」



シーア「……っ……!」



セレネ「…………」



セレネ「……っ


    ……だって……」



セレネ「……だって、私の幸せはっ……」



セレネ「…………っ」



セレネ「……大切な、方とっ……


    ずっと、一緒にいることっっ……!」



シーア「…………っ…………!」



セレネ「……っ……


    ……だったん、ですからっ……」



シーア「……っ……


    ……セレネ、さんっ……」



セレネ「…………っ


    ……あの方が考える、私の幸せとっ……」



セレネ「……私が感じる……


    私の、幸せはっ……違った、からっ……」



シーア「……っ……!」



セレネ「…………」



シーア「…………っ…………」



シーア「…………


    ……それ……はっ……」



シーア「……その、すれ違い……はっ……」



シーア「…………私と……クロハ、でもっーー」



セレネ「ーー誰にでも、起こる……もの、です」



シーア「…………っ!」



セレネ「…………」



セレネ「……私、は……」



セレネ「…………


    ……大切な、方と……」



セレネ「……離れ離れになった、私は……


    ……思ったんです」



シーア「…………」



セレネ「…………


    ……誰かの幸せを……」



セレネ「……他人が勝手に決めることは……


    してほしく、ない……と……」



シーア「……っ!」



セレネ「…………っ…………」



セレネ「…………」



セレネ「……っ


    ……私、はっ……」



セレネ「……あの方に……


    聴いて、ほしかった……からっ……!」



シーア「…………」



セレネ「……私は……


    あの方に……伝えたかった、からっ……!」



シーア「…………


    ……セレネ、さん……」



セレネ「…………っ


    ……私の感じる……幸せをっ……」



セレネ「……私が、あのときっ……


    どれだけ、幸せだったかをっっ……!」



シーア「…………っ」



セレネ「……っ


    ……そしてっ……」



セレネ「……聴き、たかったっ……」



セレネ「……私と一緒に、いたい……って……


    そう、言って……くれた、のはっ……」



セレネ「……あの、言葉は……


    あなたの望み……だったの、って……」



シーア「……っ!」



セレネ「…………っ


    …………もしっ…………」



セレネ「……もしもっ……


    それが、あなたの望み……だったらっ……」



セレネ「……もっと、伝えてほしかったっ……!


    もっと……聴き、たかったっ……!」



シーア「…………


    ……セレネ……さんっ……」



セレネ「……っ


    ……綺麗なだけの、あなたじゃなくてっ……」



セレネ「……醜い、あなたもっ……


    あなたの望む心もっ……知りたかったっっ……!」



セレネ「…………っ


    ……私の、前ではっ……」



セレネ「……ありのままの、あなたでっ……


    ……綺麗で醜い、あなたでっ……いて、欲しかったっっーー」

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