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女神の願い、ひとの答え  作者: しーぶる
<前編>~女神の願い~
2/31

ーー第2章 「叫び声」ーー

------

……ある荒野にて……


大地を震わせるような、叫び声が響く




……その声は……


世界に生まれてしまったと、ただ嘆くような……



……それでいて……


この世界と繋がることを、切実に願うような……



……まるで「産声」のように、世界に響いていた




……その叫び声を、あげていたのは……


心を失い、暴走した……存在だったーー

                    ------


天使「……!


   ……この、叫び声は……」



悪魔「……天使と悪魔が、戦っていますね~」



ひと「……!


   …………あれが…………」



ひと「……天使さんと、悪魔さん以外の……」



ひと「…………? 


   ……なんだか、見た目がーー」



天使「ーー暴走の影響で、見た目が……変化したんだ……」



天使「…………


   ……元々は、僕たちに……近しい姿を、していたんだよ」



ひと「…………!」



悪魔「…………


   …………それとね…………」



悪魔「……私たちと違うのは、見た目だけではないの~」



ひと「……!」



悪魔「…………


   ……意思の疎通は、出来ないし……」



悪魔「……あなたを見たら……襲ってくる……」



悪魔「…………だから、気を付けてね~」



ひと「……っ!?


   ……私、襲われるの……ですかっ……?」



天使「……!


   ……こちらに気付かれた、くるよっ!」




------

……暴走した、天使と悪魔との戦いの後ーー

                  ------


ひと「……ふぅ……」



ひと「…………


   ……何とか、なりました~」



悪魔「……よく、頑張ったわね~」



悪魔「…………よしよし~」



ひと「…………!


   ……むふふー」



天使「…………ふふっ


   ……微笑ましい光景、だね」



ひと「…………むふふー」



ひと「…………


   …………あっ…………!」



ひと「……ところで……


   この方たちは、どうしましょう……?」



天使「…………


   …………そうだね…………」



天使「……力を、吸収しようか」



ひと「…………!


   …………吸収…………」



悪魔「…………いつもの感じで、大丈夫よ~」



悪魔「……私たちの力を……


   吸収するのと同じ、だからね~」



ひと「……!


   ……わかり、ましたっ……!」




------

……そして、人は力を……吸収するーー

                ------


ひと「……………………」



ひと「……もう、吸収できない……ですね」



ひと「……っ! 


   ……形が……崩れて、いってる……」



天使「…………気にしなくていい」



天使「……もう、この世界の……


   天使と……悪魔たち、は……」



天使「…………


   ……終わることすら、許されない……」



天使「…………悲しい、亡霊…………だから」



悪魔「…………


   ……天使さんの、言う通りよ~」



悪魔「……とうに……


   彼らの心は、終わりを迎えているの」



ひと「…………っ!」



悪魔「…………


   …………けれど…………」



悪魔「……大きな力によって……


   無理に器を、使われてる……」



ひと「…………!」



悪魔「…………


   …………これは、あなたが…………」



悪魔「……器を、開放してあげた……結果……」



悪魔「……だから……ね……


   気に病むことでは、ないのよ~」



ひと「……!


   …………はい」



ひと「…………


   …………でも……なんだか…………」



ひと「……あの叫び声が、気になって……しまって……」



天使「…………っ!」



ひと「……あの、小さくても……


   確かに……響いてくる、声が……」



ひと「…………っ」



ひと「…………


   …………感情とかじゃ、なくてっ…………」



ひと「……ただ、消えたくない……って……


   言葉をっ、叫んでるように……感じられてっ……」



天使「……………………」



ひと「…………


   …………私、にもっ…………」



ひと「……あんな叫び声を……


   あげたときがっ……あったんじゃ、ないかと……」



悪魔「……っ!」



ひと「…………っ


   ……似ている……って……」



ひと「……そう、感じて……しまったんです」



悪魔「…………っ…………」



ひと「…………


   …………でも、あの姿はっ…………」



ひと「……生きている……というよりも……」



ひと「……生かされている、ように……


   苦しそうにっ……感じて、しまってっ……」



天使「…………


   ……そう……だね」



天使「…………でもね」



天使「……それ、でも……


   彼らを……終わらせて、あげられるのは……」



天使「…………君だけ、なんだーー」



ひと「ーー……っ!」



天使「……だから君は……


   君にしか、できないことを……したんだよ」



天使「……よくやったね、よしよし」



ひと「…………っ…………!」



ひと「……………………」



ひと「…………


   …………はいっ…………!」

 


ひと「……ありがとう、ございますっ……!」




------

……女神がいる聖域を、内包している……


ある、大きな樹の……根元にてーー           

                 ------


ひと「…………!」



ひと「……大きな、樹っ……!」

 


ひと「…………


   ……ここに、女神さまが……おられるんですね!」



悪魔「……そうみたいね~」



悪魔「……この樹の中に……


   聖域が、あるらしい……のだけれどーー」



天使「ーー入口が、閉じてしまっている……」



天使「…………っ


   ……まだ、力が……足りないのかっ……」



ひと「…………!


   …………力って…………」



天使「…………


   …………君の中にある…………」



天使「……陽の力と、陰の力のこと……だよ」



ひと「…………!」



天使「…………今、この世界には…………」



天使「……陽の力のみを持つ、天使と……


   陰の力のみを持つ……悪魔が、いる」

   


天使「……それら以外は、存在しなかったんだ」



ひと「……っ!


   ……それってーー」



天使「ーーしかし、君が生まれた」



ひと「……!」



天使「…………


   …………女神と同じく…………」



天使「……陽の力と、陰の力……


   その二つの力を……持っている、君が……」



天使「…………


   …………そして、聖域の入り口は…………」



天使「……女神、自身か……


   同等の力をもつ、存在にしか……開かれることはない」



ひと「…………


   ……女神さまと、同じ……」



ひと「…………っ!」


 

ひと「……私が、女神さまに……


   近しい力を持てば……会うことができる、ですね……!」



天使「……っ


   …………うん」



天使「…………


   ……そう……その通り、だよ」



ひと「……?

 

   ……天使さん……?」



悪魔「…………


   ……天使、さん……」



悪魔「……………………」



悪魔「……うんっ!」



ひと「……!


   ……悪魔、さん……?」



悪魔「…………天使さん、それなら~」



悪魔「…………


   ……他の天使や、悪魔たちの力を……吸収して……」



悪魔「……終わらせてあげるのが、良いんじゃないですか~」



天使「…………っ…………!」



天使「…………


   ……あり、がとうっーー」



悪魔「ーーいえ」



ひと「…………?


   ……天使さん、悪魔……さん……?」



天使「…………


   ……大丈夫だよ」



ひと「……!」



天使「…………うん


   ……なら、そうしようか」



悪魔「……ですね~」



天使「…………


   …………もう…………」



天使「……僕たちの力は、少ししか……ないから……」



天使「……これ以上……


   吸収すると……消えてしまう、からね」



ひと「……っ!?


   …………えっ…………?」



ひと「……天使さんと、悪魔さんも……


   消えて……しまうの、ですかっ……?」



悪魔「…………大丈夫よ~」



悪魔「…………


   ……これ以上、力を吸収しなければ……」



悪魔「……消えることは、ないから~」



天使「…………うん、そうだね」



悪魔「…………


   ……私たちは、ずっと……あなたと一緒だから」



ひと「……っ!


   ……良かった、ですっ……!」


 

ひと「…………私もずっと…………」



ひと「……ずっと、お二人と……一緒にいたい、ですからっ!」



天使「…………っ…………!」



天使「……………………」



ひと「……天使、さん……?」



天使「…………!   


   ……そう、だね」



天使「…………


   ……僕たちも、ずっと……君と、一緒にいたい」



ひと「…………はいっ!」



天使「…………


   …………よし!」



天使「……なら……


   天使と悪魔たちのところへ、向かおうか」



ひと「……はいっーー」

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