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女神の願い、ひとの答え  作者: しーぶる
<後編>~ひとの答え~
19/31

ーー第11章 「似た者同士な私たち」ーー

------

……そしてセレネは、シーアのもとへ向かう



……シーアは何を想うのか


セレネは……彼女に、問いかけるーー

                  ------


セレネ「……シーア、


    少し……いい、ですか?」



シーア「……?


    ……セレネさん?」



シーア「……なにか、あったんですか?」



セレネ「……いえ、少し……」



セレネ「……シーアのことが……


    心配に、なってしまって……」



シーア「……っ!」



セレネ「……最近……


    様子がおかしいと、感じたので」



シーア「……っ……


    ……………………」



シーア「…………?」



セレネ「……?


    ……シーア……?」



シーア「……セレネさんが……直接、私に……?」



シーア「…………


    …………!」



シーア「……ああ……なる、ほど……」



セレネ「……シーア……?


    大丈夫、ですか……?」



シーア「……ごめんなさい」



シーア「……少し、気になって……」



セレネ「……?


    ……気になる……?」



シーア「……はい」



シーア「…………


    ……セレネさん、もしかして……」



シーア「……クロハに……


    何か、お願い……されましたか?」



セレネ「……!」


 

セレネ「…………


    ……ふふっ……」



セレネ「……やはり、シーアには……分かりますか?」



シーア「……はい


    分かりますよ」



シーア「…………


    ……セレネさんと、過ごした時間も……」



シーア「……短く、ないですから」



セレネ「…………!


    ……そう、ですね……」



シーア「……そう、ですよ」



シーア「……だから……」

    


シーア「……全部は、分からなくても……


    少しくらいなら、私でも……分かるんです」



セレネ「…………!」



シーア「……セレネさんは……」



シーア「……私とクロハに、優しくて……


    ……心配も、してくれる……」



セレネ「…………」



シーア「……けど……


    それを、私たちに……」



シーア「……直接、伝えることは……しない、ですから」



セレネ「…………っ!」



シーア「……いつも……


    柔らかな瞳で、見てるだけ……」



シーア「…………


    ……まるで……」



シーア「……………………」



シーア「……見守ることしか、


    できないと……言っている、ように……」



セレネ「…………」



シーア「…………っ」



シーア「……でも、私たちが……


    本当に、壊れそうな……時はっ……」



シーア「……手を、差し伸べて……くれるんですっ……」



シーア「……っ……」



セレネ「……!」



セレネ「……………………」



セレネ「…………


    ……シーアは……」



シーア「…………!」



セレネ「……シーアは、本当に凄い……ですね」



シーア「…………っ!」



セレネ「……周りの人のことを、よく見ています」



シーア「……っ


    ……そんなこと、ない……ですよ」



シーア「…………


    ……私は……凄く、ないです」



セレネ「……シーア……」



シーア「…………


    ……セレネさんの、ことは……」



シーア「……おそらく……


    クロハも……感じている、でしょうしね」



セレネ「…………」



シーア「…………


    ……そう……私、は……」



シーア「……何も……


    特別、じゃないん……です……」



シーア「…………


    …………あの子の……ように…………」



セレネ「…………


    …………シーア…………」



シーア「……っ」    


    

シーア「……だから私はっ、姉という役割にーー」



シーア「ーーっ……!?」



セレネ「……!

 

    ……シーアっ……!」



シーア「……すみませんっ……


    ……わたし……なんでっ……?」



セレネ「…………


    ……シーア……」



シーア「……っ……


    ……………………」


    

シーア「…………


    ……少し……」



シーア「……変なことを、言ってしまい……ました……


    忘れて……もらえると、助かります……」




------

……シーアから溢れた想い、言葉……



……それは、セレネにとっては……


忘れることなど、出来ない言葉だったーー

                 ------


セレネ「(…………)」



セレネ「(…………


     ……姉という……役、割……)」



セレネ「(…………


     ……役割……か……)」



セレネ「(……………………)」



セレネ「(……シーア……あなたは……)」




------

……そしてセレネは、確信するーー

              ------


セレネ「…………」



セレネ「……シーア……」


    

セレネ「……あなたは……


    私と……本当に、似ていますね」



シーア「…………っ!」



シーア「…………


    ……セレネさんと……私、が……?」



セレネ「……そうですよ


    ……あの、時も……」



セレネ「……クロハが……


    暴走した魔物に、語りかけた……ときも……」



シーア「……っ……」



セレネ「……私とシーアは……


    一緒に……見守っていたでは、ないですか」



シーア「…………っ!」



セレネ「……あの時、あなたは言っていましたね」



セレネ「……いつも、こうなる……と」



シーア「…………っ…………」



シーア「…………


    ……あれは……」



シーア「……私には……


    それしか、できない……から……」



セレネ「…………」



シーア「……っ


    ……力の、ない……私がっ……」



シーア「……クロハのために、できる……ことは……」



シーア「…………っ


    ……それしか……ない、からっ……」



セレネ「……………………」



シーア「……っ……


    ……ただ……それだけ、なんです……」

 


セレネ「…………


    ……だからこそ、似ている……のですよ」



シーア「…………!


    ……だから……こそ……?」



セレネ「……何も、できないと……分かっていても……」


  

セレネ「……あなたは……


    クロハを、見守る……という道を、選んだのです」



シーア「……っ


    ……選、んだ……」



セレネ「……何もしないことも、できるのに……


    ……それでも……動いて、しまう……」



セレネ「……そんな……あなただからこそ……


    私は、似ていると……そう、感じるんだと……」



セレネ「……思って、いました……」


 

セレネ「…………」



シーア「…………


    ……セレネ、さん……?」



セレネ「…………


    ……ですが、私たちが似ているのはっ……」



シーア「……!」


    

セレネ「……それだけでは、なかった……みたいですねっ……」



シーア「……?


    ……セレネ……さん……?」




------

……シーアの言葉を聞いたセレネは、


彼女に伝える……伝えたい、想いを考えるーー

                   ------


セレネ「(…………っ)」 



セレネ「(…………


     …………本当に、良かったっ…………)」



セレネ「(……っ……)」



セレネ「(……シーアの心は……消えて、ないんだ)」



セレネ「(…………


     ……自分が傷つくことを、恐れてる……)」



セレネ「(……だから、役割に……徹してる……)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……そう、思い込むように……してるんだ)」



セレネ「(……自分が……


     完全に……壊れて、しまわない……ように……)」



セレネ「(…………っ)」

     


セレネ「(…………


     ……あの頃の……)」



セレネ「(……この世界で……


     見守る者で、あろうとした……私のように……)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……今なら……)」



セレネ「(……今の私だから、分かるんだ)」



セレネ「(…………


     ……役割に、徹しているのは……)」



セレネ「(……自分の心を、守るため……


     自分を……諦めてない、証拠……なんだよ)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……だから、今のシーアは……大丈夫)」



セレネ「(…………


     ……私が、心配してたのは……)」


     

セレネ「(……シーアが……


     大切な人を、強く想いすぎて……)」



セレネ「(……自分を、犠牲に……


     ……自分の幸せさえも……手放して、しまうこと)」



セレネ「(…………


     ……それも……)」



セレネ「(……悲しみながら、ではなく……


     当たり前のこと……のように……)」



セレネ「(……っ……)」



セレネ「(……かつての……


     旧い世界での、天使たちの……ように……)」



セレネ「(……心を失ってしまうことを、心配してたんだ)」  



セレネ「(…………


     ……シーア……)」


  

セレネ「(……あなたの……


     クロハに対する、在り方が……)」


     

セレネ「(……自分の弱さに、傷つきながらも……


     クロハのために……動いて、しまう……)」


     

セレネ「(……クロハのことを……


     優しく包み込む……光のような、在り方が……)」



セレネ「(……危うく、感じたんだ)」



セレネ「(…………っ…………)」



セレネ「(…………


     ……力を……使わなくなって、からの……)」



セレネ「(……私に、似てるところが……あったから……)」



セレネ「(…………


     ……あの頃の、私も……)」



セレネ「(……自分の弱さに、傷つきながらも……


     天使と悪魔のような……魔物の、暴走の時……)」



セレネ「(……動いて、しまったんだよ)」



セレネ「(…………


     ……そして……)」



セレネ「(……あなたたちから、


     匿ってほしい……と、お願いされた時……)」



セレネ「(…………


     ……私たちの、心を……考えずに……)」



セレネ「(……多くの……普通の人に、とっての……


     幸せを願って……離れようと、してしまった)」



セレネ「(…………


     ……私たちは……違う、存在だからと……)」



セレネ「(……あなたたちの幸せを……勝手に、決めつけて)」



セレネ「(……………………)」



セレネ「(…………


     ……その考えは、ね……)」



セレネ「(……多分、だけど……

     

     ……自分の心を……)」



セレネ「(……何かを望む、自分の心を……


     信じ切れて……いない、から)」


     

セレネ「(……だから……     


     多くの人にとっての、幸せを……)」



セレネ「(……分かりやすい……幸せを……


     ……先に、考えちゃうのかも……って、思うんだ)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……シーア……


     ……あなたも……)」



セレネ「(……そうなんじゃ、ないかな)」



セレネ「(…………


     ……でも……)」



セレネ「(……今は、まだ……


     信じ切れなくても……)」



セレネ「(……望む心を……無かったことに、してない)」



セレネ「(……だから……


     役割に徹して……その心を、守ってる)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……だから、今は……大丈夫)」



セレネ「(…………


     ……でも、ね……)」



セレネ「(……役割に徹して……


     そう、思い込んで……心を守る、ことは……)」



セレネ「(……っ……


     ……自分から、心を離す……こと、なんだっ……)」


     

セレネ「(…………


     ……その望む心を……いつか、消して……)」



セレネ「(……感じられなく、して……しまうんだよっ……)」



セレネ「(…………っ…………)」



セレネ「(…………


     ……私は……そう、だった)」



セレネ「(……役割を……生きる理由に、して……)」



セレネ「(…………


     ……そんなふうに、思い……込んで……)」



セレネ「(……その果てに……


     疲れ、ちゃったんだ)」



セレネ「(…………


     ……そして……自分の、心が……)」


     

セレネ「(……私が……


     何を、望んでいるのか……分からなく、なった)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……でもね……


     今は……思うんだ)」



セレネ「(…………


     ……役割を、演じてると……思い込んでた私も……)」



セレネ「(……私自身が……


     感じて、悩んで、迷った先に……生み出した……)」



セレネ「(……私の一部、なんだって)」



セレネ「(……お父さんからの……


     贈り物を受け取った、今の私だからっ……)」


 

セレネ「(……これまでの私を……


     受け止められた、今の私だからっ……)」



セレネ「(……そう、思えるんだっ……!)」



セレネ「(…………っ!)」



セレネ「(……それにっ……


     ……どれだけ、役割を……演じようとしてもっ……)」


     

セレネ「(……自分の中に、ないものは……


     演じようがない、んじゃないか……って……)」



セレネ「(……思っちゃうっ……)」



セレネ「(……っ……


     ……だからっ……)」



セレネ「(……役割を、演じてると……

     

     そう思ってた私もっ……私の一部、なんだから……)」


     

セレネ「(……否定、しなくてもっ……


     ……無かったことに……しなくてもっ……)」



セレネ「(……良いんだって、思ったんだっ……!)」



セレネ「(…………っ…………)」



セレネ「(…………


     ……その私の一部を、含めて……)」


     

セレネ「(……その上で、私がどうしたいかを……


     決めれば……いいん、だって……)」



セレネ「(……私の望む心を、信じれば……いいん、だって……)」



セレネ「(……今の私は、思うんだ)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……だから……)」


  

セレネ「(……シーアにも……


     役割を、演じてほしく……ない……)」



セレネ「(……シーアの望む心も……失ってほしく、ない)」



セレネ「(…………


     ……私は、そう思う)」



セレネ「(……そして……私は……)」



セレネ「(……そう、思う……


     そう、望む……自分の心に、向き合って……)」



セレネ「(……私の思うままに……生きて、いくんだっ)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……だからね、


     私は……シーアに……)」



セレネ「(……あなたに、伝えるよ)」



セレネ「(…………


     ……あなたが、望んでいること……)」



セレネ「(……役割を演じてまで……


     そう思い込んで、まで……守ろうとした、心を……)」



セレネ「…………


    ……シーア、あなたが望んでいることはーー」

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