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女神の願い、ひとの答え  作者: しーぶる
<後編>~ひとの答え~
13/31

ーー第5章 「痛みの中で出会ったのは」ーー

------

……そして、運命の時が来る



……魔物の領域で過ごす、セレネに……


セレネの耳に、忘れることのない……叫び声が、届く



……聞きなれた、魔物の声ではなく……


旧い世界で、聞いたものと……全く同じ……



……想いの暴走の時の……叫び、声が……




……その叫び声に、思わず振り向いたセレネ……


……その瞳に……映った、ものは……



……旧い世界で見た……


暴走した、天使と悪魔のような姿……



……変わり果てた姿をした……


二体の……暴走した、魔物だったーー

                      ------


セレネ「……っ……!?


    ……この……叫びはっ……」



セレネ「…………っ


    ……いつもの、魔物の……


    叫び声とは……違うっ……」



セレネ「(……忘れるはずが、ないっ……


     ……この……叫び、声は……)」



セレネ「…………っ…………」



セレネ「(……旧い世界で聞いたっ……


     あの、悪魔と……お父さんの、器の……)」



セレネ「(…………


     ……想いの暴走の、時のっ……叫び声だっ……)」

 


セレネ「……っ……


    ……どう、してっ……」



セレネ「……この世界で……何が、起こってーー」



セレネ「ーーっ……!?」



セレネ「(…………


     ……あの……姿、は……)」



セレネ「…………っ」

     


セレネ「(……どうし……て……?


     ……なん、でーー)」



セレネ「ーーなんでっ……この、世界に……」



セレネ「……天使と……悪魔が……


    …………いる、のっ…………?」



セレネ「…………っ!」



セレネ「(……天使、から……)」



セレネ「(…………


     ……陽の、力を……感じ、るっ……?)」



セレネ「……な、んでっーー」



セレネ「ーー……っ!


    ……動き……出したっ……」



セレネ「(……どこを、目指して……)」



セレネ「(…………!


     ……この方向……は……)」



セレネ「(……人間たちの……ところ……)」



セレネ「(…………


     ……やっぱり……


     ……魔物……なの……?)」



セレネ「…………っ


    ……どっちに、しても……」



セレネ「……変わって……しまったっ……」



セレネ「…………っ…………」



セレネ「…………私も、もう…………」



セレネ「…………    


    ……逃げられない……のかなっ……」



セレネ「……っ


    ……私、は……私はっっーー」




------

……天使と悪魔を彷彿とさせる、


暴走した二体の魔物は……境界を越え、進み続ける


……人間たちの住む、ある村を目指して……




……そして、セレネは……魔物を、追いかけた……



……迷いも、恐怖もある中で……


最後には……追いかけて、しまっていた……



……セレネが、村に辿り着いた時……村は、燃えていたーー

                          ------


セレネ「……っ……!?


    ……燃えて、るっ……」



セレネ「(…………っ


     ……旧い、世界で……)」



セレネ「(……私が生まれた、夢……みたい、だ……)」



セレネ「(……あの、怖い夢の中で……


     ……っ……


     ……おとう、さんが……言ってた……)」



セレネ「(…………


     ……燃えている……って……)」



セレネ「(……争いがあったんだ……って……)」



セレネ「……っ……


    …………でもっ…………」



セレネ「(……でも……これは、違うっ……)」



セレネ「(…………っ


     ……一方的、な……蹂躙っ……)」



セレネ「(……人間たちが……消えて、しまうっ……)」



セレネ「…………っ…………」



セレネ「(……そう、なったら……


     他の魔物たちが……次々と、暴走する……)」



セレネ「(……そして……この、世界はーー)」



セレネ「ーー私……なら……」



セレネ「(……っ……


     ……私なら……止められる……)」



セレネ「(…………


     ……吸収の力を……使えばっ……)」



セレネ「…………っ


    ……でも……」



セレネ「(……それ、でも……)」



セレネ「(…………こわ、いっ…………)」



セレネ「(…………


     ……これ以上……力を……)」



セレネ「(……陰の力をっ……吸収して、しまったら……)」



セレネ「…………っ…………?


    ……陰の……力……?」



セレネ「(……陽の、力……なら……?)」



セレネ「(…………


     ……あの……)」



セレネ「(……天使の、ような……魔物だけ、ならっ……)」



セレネ「……もし、かしたらっ……」



セレネ「(…………

    

     ……変わらずに、いられる……?)」



セレネ「……っ……」



セレネ「(……分から、ない……)」



セレネ「(……そもそも、なんでっ……)」



セレネ「(……なんで……天使のような、魔物からは……


     陽の力を……感じる、のっ……?)」



セレネ「(…………


     ……あれは……魔物、なの……?)」



セレネ「…………」


     

セレネ「(……何もっ……分からないっ……)」



セレネ「…………っ…………


    …………けれ、ど…………」



セレネ「(……今の、私にっ……)」



セレネ「(……っ……


     ……目を背けられなかった、私に……)」



セレネ「(……できる、ことはっ……)」



セレネ「……っ……!


    ……あの……天使はーー」



セレネ「ーーっ!?


    ……倒れてる、人をっーー」



セレネ「ーーだめっっっ!」




------

……そして、


セレネは、魔物の力を吸収する……



……その時、誰かの記憶……想いを見るーー

                  ------


******


……私は……いえ、私たちは……



……この、世界が……変わったとき……


……世界が、灰色に包まれたときに……生まれました




……シーア、と名付けられた私と……


……クロハ、と名付けられた妹……私たちは、双子でした




……両親は……私たちを生んだとき、消えてしまいました



……それでも……


……生きていけたのは、村の人たちのおかげです


……私たちを、恐れていたけれど……育ててくれました



……それは、もしかしたら……



……私たちへの優しさではなく、自分たちが……


……罪悪感を、抱かないようにするため……



……そんな思い、だったのかもしれませんが……


……それでも、感謝していたんです




……このまま何事もなく、


過ごしていけると……思っていました



……でも、ある日……


……村の人に、見られてしまった……



……クロハが、暴走している魔物に……


……人間の敵に、話しかけている姿を……




……人間たちにとって……


……この世界が……変わった時、以降……


……魔物たちは、明確な敵です



……人間を襲う、よく分からないもの……


……恐怖を抱くのは、自然ですね




……私たちが生まれる前は、


人が襲われることは……なかったそうです



……私は、その時を知りません



……だって、私たちが生まれてから、


魔物は人を襲うように……なったのですから



……だから、私たちは……恐れられた




……でも、今までは……他の人と変わらなかった……



……それが、変わってしまった……


……クロハのことを知られてしまった……




……私たち双子は……


引き離されて……隔離、されました





…………あぁ……クロハ…………


………………クロハ………………


……クロハ…………クロハ…………




…………どこに……いるの…………


…………私の大切なクロハ…………


……私には……あなたしかいないの……




……あなたといるときだけは……


…………心が落ち着くの…………



……暖かな闇に……包まれるような……


……穏やかな……あなたとの時間……



…………あなたが……くれた…………


………………私の……救い………………




……あなたが……消えてしまうのは……


………………それだけは………………


…………絶対に…………だめ…………



…………どうか……どうか…………


………………きえないで………………




…………あなた……が…………


…………きえてしまう……まえに…………


……わたしが……みつけて……あげないと……



…………それまで……わたしは…………


………………きえたくない………………


…………消えたく……ないんだ…………




……どこに……いるのっ……


……クロハっ……


                       ******




------

……誰かの想いを見たセレネ


……その直後、倒れていた女性が……目を覚ますーー

                      ------


 女性「…………っ!?


    ……あなた……は……?」



セレネ「…………っ!」



セレネ「(……この……女性、からは……)」



セレネ「(…………


     ……陰の心が……ほとんど、感じられないっ……)」



セレネ「…………!」



セレネ「(……もし、かしてっ……)」



セレネ「(…………


     ……さっきの、魔物……と……)」



セレネ「(……天使のような、魔物と……


     繋がって、いた……のはっーー)」



 女性「ーー…………っ


    ……あの……あなた、は……?」



セレネ「……っ……!


    ……すみ、ません」



セレネ「…………」



セレネ「……私のことは……


    今は……気にしないでください」



 女性「……?


    ……どう、して……?」



セレネ「…………


    ……それよりも……」



セレネ「……クロハを、探さないとーー」



 女性「ーーっ……!?


    ……なん……でっ……」



 女性「……どうして……クロハの、ことをっ……?」



セレネ「…………


    ……私は……」



セレネ「……あの……


    暴走した魔物を、追ってきたんです」



 女性「…………っ!」



セレネ「……そして、


    その魔物に……クロハという女性が……」



セレネ「……関係しているかも、しれないと……」



 女性「……っ……!


    ……クロハ、が……」



 女性「……っ


    ……それは、村の人がっーー」



セレネ「ーーだから、今は……


    一緒にクロハを……探して、くれませんか……?」



セレネ「…………


    ……彼女を、助けるために」



 女性「…………!


    ……クロハを……助、ける……?」



 女性「…………」



 女性「……それに……


    魔物を……追って、きた……?」



 女性「…………


    ……魔物を見たら……普通の人は、逃げる……のに……」



セレネ「…………」



 女性「…………っ!


    …………もし、かしてっ……同じ…………?」



 女性「…………っ…………」



 女性「…………


    ……分かり、ました……」



セレネ「…………!」



 女性「…………


    ……私は……シーアと、いいます」



セレネ「……!


    ……シーア……」



シーア「…………っ」



シーア「……クロハを……助けないとっ……


    ……私がどうなろうと、あの子だけは……」



セレネ「……っ……!」



シーア「…………だから…………」



シーア「…………


    ……あなたの、言葉を……信じます」



シーア「……どうか……


    ……よろしく、お願いします」



セレネ「…………!」



セレネ「……ありがとう、ございます」



セレネ「……では、いきましょう」




------

……シーアと出会った、セレネ……


セレネは、彼女について考えるーー

              ------


セレネ「(…………


     ……やっぱり……)」



セレネ「(……この人が、シーア……)」



セレネ「(……さっきの想いが……彼女、の……)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……あの想いと……


     彼女から、ほとんど……陰の心が、感じられないこと……)」



セレネ「(……そして……


     あの、天使のような魔物……)」



セレネ「(……引き離された、双子……)」



セレネ「(…………


     ……もし、クロハから……)」



セレネ「(……ほとんど、陽の心を……感じられ、なかったら……)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……私の力がなくても……)」


     

セレネ「(……彼女が……シーアが、いれば……)」



セレネ「(…………


     ……大丈夫かも、しれない……)」



セレネ「(…………っ)」



セレネ「(…………


     ……まだ、こんな時まで……)」



セレネ「(……私は……怖いと……


     そう、思ってしまう……)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……自分のこと、ばかり……


     ……どうしようもない、私っ……)」



セレネ「(…………っ


     ……本当、に……)」



セレネ「(……どうしようも……ないね……)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……なんで……)」



セレネ「(……シーアの、想いが……


     見れたのかも……分からない……)」



セレネ「(……クロハのもとに、


     シーアを連れて行っても……)」



セレネ「(…………


     ……悪魔のような魔物が……


     ……何とかなる、確証も……ない……)」



セレネ「(…………


     ……何とか……ならなかった、ら……)」



セレネ「(…………っ…………)」



セレネ「(……私にっ……今の私に……


     できるかは……分からないっ……)」



セレネ「(…………


     ……けれど……)」



セレネ「(……覚悟、だけは……しておかないと……)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……分からないこと、だらけ……)」



セレネ「(……だけど……もう……


     ……変わって、しまったのだから……)」



セレネ「(…………


     ……そして……)」



セレネ「(……私は……


     動き、出して……しまったっ……)」



セレネ「(……っ……


     ……目を背けて……)」



セレネ「(……逃げることも、出来た……のに……)」



セレネ「(…………っ…………)」



セレネ「(……動いて……しまった、んだ……)」



セレネ「(…………


     ……なら、私……は……)」



セレネ「(……私の、心に……


     従う……しか、ない……)」



セレネ「(……っ)」



セレネ「(……押し殺した、心が……)」



セレネ「(……また……世界を……


     変えて……しまわない、ようにっ……)」



セレネ「(…………)」



セレネ「(……私は……


     ……私の心にっ……従うんだっ……)」

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