表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神の願い、ひとの答え  作者: しーぶる
<後編>~ひとの答え~
10/31

ーー第2章 「過去から響く叫び声」ーー

------

……そして、穏やかな世界が続く中……


初めて、一人の人間が……消えようとしていた……




……その時、セレネは聞いてしまう


あの、旧い世界を……思い起こさせる、叫びを……



……小さくとも、


確かに聞いたことのある……産声のような、叫び声をーー

                        ------ 


セレネ「……っ……!


    ……この……叫び、声はっ……!」



セレネ「……っ! 


    ……なん、でっ……!


    どこからっ……!?」



セレネ「……っ……!


    あの……魔物から……!」



セレネ「(…………?


     ……魔、物……?)」



セレネ「(……なんで、魔物がここに……)」



セレネ「(…………

     

     ……境界を越えた……ここに、いるの……?)」



セレネ「…………っ!?」



セレネ「(……っ……


     ……これ、はっ……)」



セレネ「(……これは……力……!?)」



セレネ「(……あの、魔物から……


     大きな陰の力を……感じるっ……!?)」



セレネ「…………っ


    ……どう、してっ……?」



セレネ「(……なんでっ……?


     ……あの、世界じゃないのに……


     ……天使と悪魔の世界、じゃないのにっ……)」



セレネ「(……っ……


     ……この、新しい世界で……


     心じゃなく……力を、感じるのっ……?)」



セレネ「…………!」



セレネ「(…………


     ……あの……旧い世界の、暴走みたいに……


     姿が……変化している様子は、ない……けれど……)」



セレネ「(……でも……今も、響いてる……


     この、叫び声……この……声、はっ……)」



セレネ「…………っ」



セレネ「(…………

     

     ……忘れるはずが……ない……)」



セレネ「(……小さいけれど、確かにっ……


     ……確かに、暴走の時の……叫び、声だ……)」



セレネ「…………っ!?


    ……人を、襲おうと……して、る……!?」



セレネ「ーーだめっっ……!」




------

……そして……


人が、魔物に襲われる瞬間……セレネは……


……見守る者では、いられなくなった




……彼女の力で、


魔物に満ちる陰の力を、吸収したとき……



……彼女は、初めて知るのだった……


……魔物の言葉を……そして、想いをーー

                   ------


******


……き…………たく…………ない……


……き……え……たく…………ない……


………………きえたくない………………


………………消えたくない………………


                ******


セレネ「…………っ!?」



セレネ「(…………


     ……これ……は……


     ……知って……る……)」



セレネ「(…………っ


     ……あの……ときの……


     ……陰の、女神さまの……とき、の……)」



セレネ「(……っ……


     ……あの時より……


     ……すごく、小さいけれど……同じだ……)」



セレネ「…………!」



セレネ「(…………


     ……それなら、この……魔物の、想い……は……)」



セレネ「(…………


     ……女神さまが言っていた……

     

     ……人間の……最後の、想い……?)」



セレネ「……っ……」



セレネ「(……なん、で……?


     ……なんで、魔物から……?)」



セレネ「…………っ!


    ……消え……た……?」



セレネ「……っ……!?」



セレネ「ーーいけないっ……!


    ここに、居てはーー」



セレネ「(ーーここに居ては……人と、関わってしまうっ……!


     ……早く離れないとっ……!)」




------

……そして、独りになったセレネは……


あの……陰の力を持った、魔物について考えるーー

                     ------ 


セレネ「…………」



セレネ「(……あれは……


     ……想いの、暴走……だった、の……?)」



セレネ「……っ……」



セレネ「(……分から、ない……


     ……今の私じゃ……何、も……)」     



セレネ「(…………


     ……でも、あの……叫び声と……)」



セレネ「(……っ……


     ……なに、より……感じてしまった……


     この世界に……あるはずのない、力が……)」



セレネ「(……陰の、力がっ……)」



セレネ「…………っ」



セレネ「(……私に、思わせる……)」



セレネ「(…………


     ……この、世界にも……あるのだと……)」



セレネ「(……想いの、暴走はっ……)」



セレネ「…………っ…………


    ……変わって、ないっ……」



セレネ「(……っ……


     ……何も……変わって、ないっ……


     ……あの、崩壊する世界から……何もっ……)」



セレネ「…………っ」



セレネ「(…………


     ……いや……信じ、よう……)」



セレネ「(……っ……


     ……信じ、たいっ……よ……)」



セレネ「(……変わってる、はずだって……


     ……ちゃんと、世界は……救われたんだ、って……)」



セレネ「……っ……」



セレネ「(…………


     ……そうじゃなきゃ……救われて、なきゃ……)」



セレネ「(…………っ


     ……何のために……女神さまと……お母、さんはっ……)」



セレネ「(……っ……


     …………何のために……私、はっ…………)」



セレネ「…………っ…………


    …………ふぅ…………」



セレネ「(…………


     …………落ち、着こう…………)」



セレネ「(…………


     ……大丈夫……


     ……女神さまの、言葉を……思い出すんだ……)」



セレネ「(……女神さまは、言ってた……)」



セレネ「(……新しい世界では、


     何が起こるか……分からない、って……)」



セレネ「(……だから、見守ってほしい……と……)」



セレネ「…………っ!」



セレネ「(……私は、そのために……)」



セレネ「(……世界を、崩壊させないために……


     ……見守る者として、ここに……いるんだっ……)」



セレネ「…………」



セレネ「(……だから、もし……

  

     ……もしも、私の想像通り……)」


 

セレネ「(……これからも、想いの暴走が……


     暴走した魔物が……現れる、としても……)」



セレネ「…………っ」



セレネ「(……私の力なら……吸収の力なら、大丈夫……


     さっきも……大丈夫、だった……)」



セレネ「(…………


     ……それに……魔物の力を吸収する、だけなら……


     ……人間と、関わることには……ならない……)」



セレネ「(…………っ


     ……ならない……はずっ……)」



セレネ「(…………


     ……その、はず……だから……)」



セレネ「(……まだ、私はっーー


     ーー見守る者で、在り続けられるっ……)」



セレネ「……っ……」



セレネ「(…………


     ……だから、大丈夫だよ……)」



セレネ「(……女神さま……お母さん……お父さん……


     ……心配しないでね……大丈夫、だから……)」



セレネ「……私が、いるからっーー」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ