第47話 ルーちゃんのトコトコ日記④
○○月○○日
ぼくをさらった人は、無罪放免とはいかなかったけど、罪を軽くしてもらえたって、つがいが言っていた。
つたない言葉でも、ちゃんと伝わって良かった。
ぼくの凍らせたお屋敷は、氷が解けるのに3日かかったらしい。ちょっとやり過ぎたかも?
○○月○○日
オーレリアとつがいが仲直りした。このままこじれて別れたら、ぼくがオーレリアのつがいになれたのに、とっても残念だった。今度、オーレリアを泣かせたら、本気で氷漬けにしてやる。
○○月○○日
つがいが忙しくなって、なかなか帰ってこない。オーレリアは寂しそうだけど、ぼくは一緒に寝られるからすごくうれしい。このまま帰ってこなくてもいいよ。
○○月○○日
オーレリアがお茶会に行った。ぼくはお留守番でつまらなかった。色々と準備をしているオーレリアは忙しそうだ。貴族って面倒くさいな。
○○月○○日
オーレリアのつがいが帰ってきて、新婚旅行ってものに行くらしい。つがいがぼくを置いて行くって言った。ドラゴンは新婚旅行には行けないらしい。ぼくは人間に変身できるから、絶対について行って、意地悪なつがいの邪魔を絶対にすると決めた。部屋だって一緒になって、寝るのも一緒がいい。
○○月○○日
オーレリアのつがいが、オーレリアと言い合いになった。ぼくは隣の部屋で、こっそり聞いていた。
聖女の祈りに対する考え方の違い?ぼくは不思議に思った。だってお母さんがぼくにくれた太古の記憶には、聖女はいなかった。天界樹に祈っているのは地上に住む動物と人間だった。
聖女が誕生したのは、ずっと後のはずなのに、どうして今は聖女だけが祈っているんだろう?ずっと不思議だったんだよね。聖女って神様の愛し子だよね?
つがいがオーレリアを虐めている。監禁するって言うから、ぼくは思わず殺気を放ってしまった。やっぱり、つがいは排除した方がいいかな?もういらない気がする。
オーレリアが湯あたり、ってやつで倒れた。ぼくはオーレリアが楽になるように、体にゆっくり冷気をあててあげたよ。
つがいがぼくからオーレリアを取ろうとするから、つがいの足を凍らせようかと思った。オーレリアが仲良くして欲しいと言ったから、仕方がないからぼくが真ん中に寝ることで、つがいとオーレリアを離すことに成功した。
新婚旅行もこの調子で、ドンドン邪魔して、帰ってきた頃にはぼくがオーレリアのつがいだ。
途中で、東の辺境伯領へ寄るって言っていたけど、あっちの方角には嫌なオーラがあるから、ぼくが気をつけて、オーレリアを守らないと……
いつも読んでいただきありがとうございます。
残り一話となりました。ルーちゃんの日記を読んで、いや、どうやって?と思われている方、正解です。
想定外に話数が増えたので、今回は二部制でお届けいたします。
明日は一部完結です。よろしくお願いいたします。




