表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/81

第38話 ルーちゃんのトコトコ日記③

○○月○○日

 ぼくの異変に気づいて、オーレリアがぼくを癒してくれた。つがいのクリスもぼくを冷やしてくれたから、熱かった体が楽になった。少しだけ感謝してもいいかと思った。


○○月○○日

 王宮に行ったら、人間がぼくのことを見て嫌な顔をした。ドラゴンがこわい、気持ち悪いと失礼なことを言われて、なんだか気分が落ち込んだ。ぼくが人間の姿になれたらよかったのに。そしたらオーレリアが悲しい顔をしなくてすむのに。


○○月○○日

 朝、オーレリアが叫んだ声で目が覚めた。ぼく、いつのまにか人間になっていた。ちょっとびっくりしたけど、これで悪口を言われなくなったら、オーレリアも悲しくないと思った。嬉しかった。

 人間の服はなれないけど、ガマンだ。


○○月○○日

 お母さんから手紙が来た。ぼくの変身は原因がよくわからないらしい。でもぼくは知っている。オーレリアの涙が原因だ。だって涙を舐めたら、体が熱くなったんだ。

 しゃべれないから行動で示したのに、ぼくがオーレリアの頬をなめたら、つがいが怒った。

 でも、どうして人間の姿になったのかは、ぼくもちゃんとは分からない。

 人間になったらスプーンが使えるようになって、アイスが上手に食べられた。ぼくはイチゴの味が一番好き。美味しかったから、たくさん食べたよ。


○○月○○日

 オーレリアの元気がない。いつもため息をつくけど、つがいと上手くいってないのかな?もしそうなら、これはチャンスかも?

 ぼくが人間になったから、大きくなったらオーレリアのつがいをやっつけて、ぼくがオーレリアのつがいになったらいいんだよ。

 そうしたら、絶対にオーレリアを泣かすことはないし、幸せにできるとおもんだけど……


○○月○○日

 元気がないオーレリアをはげまそうと、ぼくは人間の姿でこっそりお屋敷を抜け出した。

 ちょうど、お屋敷の隣には森があって、そこにはきれいな花が咲いているらしい。庭に来る小鳥さんが、ぼくに教えてくれたんだ。その花を見れば、きっと元気のないオーレリアも元気が出るはずだ。

 このお屋敷は入ることはむずかしいけど、出ることは簡単だった。すぐに戻れば気づかれないと思って、こっそり出たのが間違いだって、ぼくは分かっていなかった。

 森に辿り着いて、教えてもらった花を摘んでいたら、いきなり誰かにつかまって、ぼくは大きな袋に詰めこまれた。

 ドラゴンに戻ろうとしたけど、甘い匂いのする布を口にあてられたら、眠くなって寝ちゃった。

 次に気がついたら、手足を縛られた状態で、どこかの部屋のベッドの上に寝転がされていて、さすがのぼくもびっくりだ。これ、誘拐っていうものかな??


いつも読んでいただきありがとうございます。

投稿を確認していたら、第36話が重複していたので35話の前にあった分を削除しました。すみませんがよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ