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短編まとめ

風切り自転車

作者: ultimate!!

昔から一人が好きだった。

友達と遊んだりするのもすごく好きだが、

それが終わると「楽しかった」

という気持ちより「疲れた」

という気持ちが先に来てしまう。


数年前まではあまり気にしていなかった。

遊ぶのにも色々使うんだがら、疲れるのは当然くらいに思っていた。

ただ最近になって、友達と遊ぶことが疲れると感じることがあった。

それに対して、自分はなにかおかしいんじゃないか

と、思うようになった。


そもそもあまり他人に興味がなかったが話すことは好きだったので、

学校ではよく話すけど遊びには誘わない

という感じでいた。




数年前、親に自転車を買ってもらった。

それまでも自転車は持っていたのだが、あまり乗っていなかった。

それこそ友達と遊びに行く時に乗るくらいだった。

そんなものだったので、買ってもらってからもあまり乗っていなかった。


買ってもらって2年ほど経った頃、通学の途中まで自転車を使い出した。

使い出したと言っても、最寄駅までだ。

その道を自転車で走ると、今まで感じたことがないくらい気持ちが良かった。

そこで初めて、土日に自転車で走ってみようかと思った。




それまで土日はやることもなかったのでただただゲームをしているだけだった。

昔からゲームとかの遊びが好きで、プラモデルを作ったり、小説や漫画を読んだりするのも大好きだった。

つまり、インドア派だった。唯一好きな運動といえば水泳くらいだろうか。

それも数ヶ月に一回とかそのペースだ。

そんな時に自転車に興味が出た。もともと土日に用事もないので、早速出かけることにした。


行くところが無い。

ここまで本当に家の周辺、最近一番遠くまで行ったところで駅だ。どこに行けばいいかわからない。

そう思ったが、とりあえず通学に使っていない方の駅まで行くことにした。




気持ちいい。スピードに乗って風を切ることは本当に気持ちがいい。

本当はダメだが、イヤホンで音楽も聞いている。本当はダメだが。

途中の交差点を曲がる。駅とは逆方向だが、もともと行くあてもないのでまぁいいか。

その道を通っていると、今まで親の車で通った、行ったことがある店の前を通り、なんだかなつかしくなる。




さらに進んで大きい坂を下る。スピードがどんどん速くなる。

最高に気持ちいい。信号も丁度青なのでスピードを緩めずに通り抜ける。

昔親に坂を下るときはブレーキをかけながら下れと言われたことを思い出す。

まぁ、向かいから自転車も来てないしいいだろと思いそのまま進む。

やはり気持ちいいのは大事だからな。


イヤホンのことを警察の人に注意された。

すいませんでした。やめます。




そんなこんなで進んでいると、高台にある公園に着いた。

今までこんな公園があることも知らなかった。

夕方なのも相まってすごく綺麗だと思った。

ここまで来れたのも自転車のおかげだな などと思いながら帰路につく。

友達と遊ぶのも好きだが自分はやはり一人が好きなんだなと再確認した日になった。




今日も学校に通う。いつも通りの通学路、いつも通りの学校生活。

ただ、休みになると自転車を走らせる。

小さい何かを見つけるために、風を切りながら。

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