インターミッション2
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しばらく川を下ると、森の中に沼があった。
泥を踏み、水草をかきわけて進む。
足に何かが当たった感触がして見ると、骨であった。それに気づき周囲を見回すと、泥に半ば埋もれるようにして、数々の骨が見え隠れしている。
咎人流しの川に流された者の死体が流れてきてここで溜まったのだ。
まるで咎人の墓場だ。
自分も、息を吹き返していなければ今ごろは泥中の白骨の仲間入りをしていたことだろう。
……そちらのほうがよかったのかもしれないが。
今後の展望はない。
腹が減っていた。季節は晩秋、森に入ればまだ果物や木の実があるだろう。
足元を魚が横切ったが、さすがにこの場で捕まえる気はしなかった。
町を探すべきだろうか? だがそれには躊躇してしまう。
もしも人間と出くわしたらどうしたらいいのか……。人間たちの中で暮らしていけるのか。
まだ考えが決まらない。
決まるまでは森の中で過ごそう。野外生活者、レンジャーの心得がある。
沼を抜けた。
木立のうしろに隠れていたモンスターが不意打ちをしかけてした。唸りをあげる棍棒を、間一髪身を沈めてかわした。
醜い、豚が直立したような風体の魔物であった。
魔物は一体だけではない。枝の上から、茂みの奥から、何体も姿を現した。
腰の剣を抜き放つ。
異邦の太陽が、刀身に反射して白く閃いた。
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