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〜リーフスカイ〜  作者: たっくん
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第九話「ジャングル」

「くそ、やっぱ圏外だよな。無理か…。」

匠と悠子は歩きながら電話をしようと試みていた。

「んー、しょうがないよ。森だもん。」

ホテルからならWi-Fiのお陰でなんとかなるんだろうけど、実際、森のど真ん中と言えるほどのジャングルのような場所にいるから、圏外は当たり前であった。

「なんか、嫌な予感するよな。」

「なにが?」

匠の言う言葉に悠子が首を傾げる。

匠が色んな方向をチラチラと気にしている。

「…なんかいるの?」

「いや、なんか、見られてるみたいで…。」

「誰も見てないでしょ。」

悠子が匠を放っていくように歩いていこうとした時、草むらからヘビが飛び出した。

「キャッ!!」

「悠子!!」

思い切り匠が悠子を庇いこんでヘビから守る。

「っ!」

しばらく抱きしめていると悠子が恥ずかしくなって顔が赤くなる。

「あ、ご、ごめん、ありが…。」

離れようとした時、地面に匠が倒れ込んだ。

「え。」

何が起きたのか…理解するのに時間がかかる。

背中に小さな傷跡、そして少量だがその傷跡から血が垂れている。

「…もしかして、ヘビに…?」

分かってはいたが、今このジャングルのような森で医者なんて居ないし病院すらない。

「どうしよう。」

カバンにはこれといって治療できるものはない。

その頃、僕らはというと、歩き続けていて迷っていた。

「…真実、さっきから同じところ通ってないか?」

僕が聞くと真実は小さな声で呟いていた。

「…おかしい。…。」

あんなに冷静沈着な真実でさえ、やはりそういう子どもらしい部分があるのを見てなんか安心できた。

「はぁ。ちょっと休憩。」

突然のことが多すぎて全く頭も回らずに歩いていたから疲れていた。

「萌守、食べ物なんかある?」

萌守の持っているカバンの中を見るが、特にこれといって今すぐ食べれそうな食材はなかった。

作れば食べられるものはあったが作るための物がない。

「…しゃーねぇか。」

木陰にそっと座り込んで僕はお茶を飲んだ。

「…あ、私も欲しい。」

美奈とゆっくりお茶を飲む。真実はまだ色んな方向をチラチラと確認していた。

「…ま、誰にでも迷うことはあるよね。」

美奈がそっとフォローの言葉を言ったが真実はそれを無視してまだ確認している。

「…正憲…愛琉。」

僕が助けれなかった二人をなんとかして助けたいと思うが、やっぱり石のお守りが無ければ意味が無い。

変えられない過去が目の前にある中、引っかかることがあった。

まず、石はちゃんとポッケに入れてたはず。でもない。

落ちた瞬間なんて分かるはずだし、盗られても分かるはず。

一つの結論にたどり着いた。

それはここの森で迷った7人の内の誰かが別の世界線で僕から石を奪い使ってきた。

それが一番筋は通ると思った。

つまり、仲良かった皆の中に裏切り者がいる可能性が高い。

なんてのは考えたくはなかった。

だから、とりあえず、心では思うことにして行動には移さないことにした。

しばらく休憩していると真実が立ち上がった。

「そろそろ移動しよう。こっち。」

指を差す方向はどう見てもジャングルと言えるような森だ。

「え、大丈夫なの?」

「大丈夫、近道だから。」

どう見ても近道のようには思えず、僕と萌守も美奈はじっとそのジャングルの奥を見つめた。

「…早く助けを言いに行かなくていいの?」

呆れたような顔をして真実が指をジャングルに向けて言った。

「そうだな、行くしか無さそうだ。」

僕は膝に手を付いて立ち上がった。

「…行くしかないんだろうけど…なんか怖い。」

美奈がすっと僕の後ろに隠れ込む。なんだ、この可愛い生き物は。さっきまでカッコよかったのに、なぜだろう。可愛くなったりカッコよくなったり…最高か?

なんて見とれていると萌守が手を引っ張った。

「ほら、行くよ?」

そして僕らはジャングルのような森へと迷い込んで行った。そう、文字通り、迷うことになるんだ。

しばらく歩いていると、予想通り迷った。

「結果的に迷ってんじゃん!」

美奈が真実にツッコミを入れた時だった、ガサッという音が草むらからした。

「え?!何?!」

萌守が驚いて地面に尻もちをつく。

恐る恐る草むらへと向かう。

「雄翔くん、気をつけて?」

美奈が後ろから優しく声を掛けてくれる。

草むらへ向かった瞬間、ヘビが飛び出してきた。

「うわっ!」

「キャァァァ!!!」

そのヘビは出てきた瞬間、大急ぎでどこかへと去っていった。

「な、なんだったんだ?」

僕が後ろを振り返ると真実だけが残っていた。…まさかの美奈と萌守が居なくなってしまっていた。

「え、嘘だろ…?」

こうして僕らは完璧にバラバラになってしまった。それも最悪な場所で…。

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