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〜リーフスカイ〜  作者: たっくん
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第五話「断崖絶壁」

目を開けると、そこは雨が上がった瞬間だった。

「すげぇ!!」

「は?!」

正憲が突然大声を出した。

「時を戻せるのか?!」

「え?何を言ってるの?」

正憲の言葉に美奈が驚いた顔をした。

「いや、雄翔の持ってるこの石さ!握ったらなんか時が戻ったんだ!」

全部言いやがった。…まぁ、いいか?ダメなんだろうけど。

「時が戻るなんてバカみたい。寝てたから夢見てたんでしょ。」

美奈にバカにされるように正憲は頭をはたかれていた。

「…時を戻せる能力なんてあるわけない。」

聞こえるか聞こえないかの声で愛琉が小さく呟いた。

「…ホントなのになぁ〜。」

なんでまだ言うかね。いっそのこと僕だけ時を戻してなかったことにしてやろうか。あの気まずい空間から救ったのは僕だぞ。

なんて事を思っていると真実が外へと出た。

「行くよ。早く。」

そしてさっきの通った道を歩いていく。正憲は忘れていたのか同じ質問はしなかった。

それよりも、こっちの石のことを質問していた。

「なぁ、それって、時を戻せるだけなのか?なんかもっとすげぇこととかないのか?」

「…ま、半年以内なら未来に行けるってのは分かった、過去には多分、50年以内にいけるっぽいけど、何か祈ることがなければ意味が無い。」

もうここまで言ったからいいか、と思って言ってしまった。

そう、これを言ったことからここにいる誰かが…裏切ることになることを、僕はまだ知らない。

「あれ、看板がない。」

少し先に行ったところで、あるはずの看板がなかった。

「…雨で流されたかな。」

愛琉がチラチラと色んな方向を探すが見当たらない。

「…どっちだっけ。」

「実はここだけ忘れた。」

真実が悩んだ顔をして俯いて呟いた。

「真実ちゃんが忘れたら私が覚えるわけないよ。」

笑いながらだが愛琉はかなり困った顔をしていた。

「あ、待ってて。」

突然、真実がどこかへと走り去っていってしまう。

「なんだ?急に。」

「わかんないけど、待っててって言われたし待ってようよ。」

皆が静かに森の中でボーっとしていた。かなり時間は経っていた気がする。

「ただいま。」

「おせぇぞー。トイレか?」

地面に座っている正憲が呆れた顔で真実に言った。

「デリカシーなさすぎるよ、それは。」

美奈に気持ち悪がられてしまい、正憲は一人置いていかれてしまう。

「おい、待てってばー!」

そして再び皆は前へと歩き始めた。でも方向は分かってるんだろうか。

「方向はこっちなの?」

僕が聞きたいことを真実に聞くと笑顔で

「そうだよ。」

と言った。真実の笑顔ってこんなに太陽みたいなんだなって思った。なんか、元気を貰えた気がした。

しかし、いつの間にかスレスレの崖に来ていた。

「合ってるの?!」

萌守が怖がりながら二人に聞くと

「こっちが近道なんだよ。」

と愛琉が萌守をヨシヨシしながら優しく囁いた。

そのギリギリの絶壁の崖を真実、正憲、愛琉、萌守、美奈、僕の順で歩いていく。

「…怖い。」

怖がる萌守と手を繋ぐ愛琉がゆっくり手を引いていた。

「大丈夫、絶対大丈夫だから。」

なんか振りのようにも聞こえてしまうのは僕だけだろうか。なんて思っていたが、愛琉はドジっ子ではあるもののこういう崖ではかなり華麗な歩行だった。

「流石、山で育った女の子だな。」

ニヤニヤしながら正憲が振り返って言った。

「山と、海ですけど〜。」

強調しながら愛琉が正憲に大きな声で訂正した。

「ま、山で育ってなくとも大丈夫だけど。」

正憲が意気揚々と真実に着いて早々と歩いていく。

「…山をそんな舐めてちゃダメだよ。」

ニヤリと笑った愛琉が正憲に言った瞬間、正憲の足元が少し崩れた。

「うわっ!!!」

何とか片足が落ちそうになった所で真実が正憲の手を取って助けた。

「大丈夫か?油断禁物。」

「は、はい…。」

なんとか再び戻って皆が歩き始める。

「ばーかばーか!」

「はぁ?!」

愛琉の言い放った言葉が正憲に突き刺さる。

「誰がバカだ!」

「正憲に決まってるじゃんか〜。」

ニヤニヤと愛琉が笑いながら小馬鹿にしている。

もちろん、そんなことをしたらどうなるかなんて分かってるはず。

「キャッ!!!」

愛琉の足元が崩れて落ちそうになる。なんとか正憲が手を握って助けた。

「…へっ、お互い様だな。」

「…むぅ。」

そしてなんとかこの断崖絶壁を超えることに成功した。しかし、断崖絶壁はこれだけで終わらないのが山だった。

やっと終えたと思ったら目の前にまた断崖絶壁が見えていた。

「嘘でしょ。」

「マジか。」

「頑張らないと。」

「怖い。」

「大丈夫、大丈夫。」

「これがまだいくつかあるからね。」

次々に言い合ってる中で最後に真実が言ったことで皆が凍りついた。

その瞬間、何かが一粒顔に落ちてきた。

…雨だ。また雨が降ってきた。

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