99話 許嫁と放課後デート
「あーー、疲れた」
俺はソファーに飛び込む様に座り込み、深いため息を吐いた。
今日は色々とあった、周りから変な目で見られるし、絡まれるし、変な奴に助けられるし。
「...本当に、あれって加藤だったのか?」
あまりにも変わり替えに今でも驚いている、まさか素顔があんなにイケメンだとは思わなかった。
あいつが同じ学校に事に、大智達と特に俺たちに問題を巻き込まないで欲しいな。
「ちあきー」
「うおッ!」
俺がソファーに座ってる時、横からシャルロットが抱きついて来た。
「学校楽しいね」
「初めてなのか?中学とかは行かなかったの」
「うん、ボクずっと家の中で勉強してたからね」
「それ、楽しいのか?」
「紗奈がいたからね、凄く楽しいよ...でも、今の方が楽しいね」
シャルロットは嬉しそうに笑った。
俺はそんな可愛らしいシャルロットの頭を撫でると、俺の膝を枕にして寝転んだ。
「ねぇ、ちあきー」
「んー?」
「もしさ、ボクたちの中で1人しか選べなかったらどうする?」
「え?...」
まさかのシャルロットから、物凄く難しい質問を訪ねてきた。もしも、ハーレムではなく1人しか選べなかったら俺は誰を選ぶのだろ?
「えへへ、良いよ正直に言って。誰も言わないから」
俺が物凄く考え詰めた表情を見て、俺のほっぺをすりすりと撫で始めた。
「俺は弱いからな誰かを傷付けて幸せになるなんてやりたくないから、誰も選ばないと思う...でも、もしも1人を選ぶなら―――だと思う...」
「ふ〜ん」
シャルロットは俺の答えを聞いて、顔色一つ変えずに真剣な顔で聞いていた。
「でも、周りからは非常識だと思われるけど、俺はみんなを選ぶ選択って案外悪くないと最近思ってきてるだよ。今も俺はシャルの事が好きだからな」
「うふふ、ボクもちあきの事が大大大好きだよ」
ふと俺たちはお互いの顔を近づけてキスしようとしたが、シャルロットはハッと思い出し、指で俺の唇を抑えた。
「だ〜め。初めてはその子にしなくちゃね」
「そ、そうか」
俺も雰囲気的にキスしようとした行為に恥ずかしくなり、顔を赤らめてしまった。だが、心の中では少し残念と思っている。
チュ
「...え?」
「唇はその子に優先させるけど、ここは良いでしょう?」
シャルロットは白い歯を見せて、ニカっと笑ったのだ。
シャルロットがキスした所は俺の右頬なのだ。
不意打ちにキスされてしまった事に俺は、顔を真っ赤にしながら右頬を抑えた。
「えへへ、照れてるちあき可愛い」
「て、照れてないし」
照れてる事に馬鹿にされてしまったので、俺は無理矢理話の話題を変えた。
「そ、そういえば許嫁って何の話なんだ?」
「ボクもあまり詳しく無いけど。ボクのお父さんとちあきのお父さんが決めた事だって」
「は?親父が?村雨って伝えられてたから、ジジィあたりかと思ってた」
「今度ボクのお父さんに会う時、詳しく聞きなー。まぁ、多分大した理由はないと思うよ、只々ボク達のお父さんって仲が良いらしいからね」
「ふーん、シャルは許嫁の事をどう思ってた?」
「んー?ボクは正直どうでも良かった。流石に酷い人なら断るけど、まぁどうでも良いから適当にしてたんじゃない?」
「そ、そうか」
もしも、俺が許嫁じゃなかったらシャルロットは他の奴と結婚しちゃうんだな〜っと思うと少し心が苦しい。
「大丈夫だよ。そもそも、ちあきが許嫁と知る前からボク好きになってたからね。許嫁がちあきじゃなかったら断って君の所に行ってたよ」
っとニコニコとシャルロットは笑って居たのだ。
俺たちは夕食の時間前までずっとソファーの上でイチャイチャと探していたのだった。




