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96話 夏休み明けと転校生

「あっ.....」


 紗奈もいつもの癖になってしまったのか、思わず俺の事を様と呼んでしまった事に、焦るわ見せたのだ。

もう、呼んでしまった事にしょうが無いのかと、そのまま様呼びで突き進もうとしていた。


「千秋様、す、すみません」


「いや、俺は良いけど。紗奈が変な目で見られるのが心配だな」


「それなら構いませんよ?」


 紗奈が俺の事を様呼びしてる事に変な奴と思われて欲しくなかったが、紗奈自身はそこの所は何とも思ってないらしい。

騒がしくなりそうな所に救世主が現れた。


「ほら、座れー」


担任の松浦先生が教室に入ってきて、話をする為に立ち上がってる生徒達を座らせた。

 教卓の前に立ち、持ってた綴込表紙を教卓の上に置いて話を始めた。


「えーー、知ってる奴も居るが今日は転校生が来ます」


「ちなみに、男?女?」


「女性です」


「「「「「おおおお!!!」」」」」


 潤の質問に松浦先生から帰ってきた回答に、男子生徒が大盛り上がりだった。


「あまり、教師の俺が言うのもアレだけど。喜べ男ども美人だ」


「「「「「おおおお!!!!!」」」」」


 男子生徒達は夏祭りでの盆踊りしてる奴らより騒がしかった、そんな男子生徒を女子生徒はうわーっと少し引き気味だった。


「じゃー、転校生入ってから」


ガラガラガラ


 扉を開くとそこから、ハーフの様な銀髪女性が入って来た。あまりにも美しさに騒いでいた男性陣がゴクリと息を飲んだ。


「すーーーー」


まず俺は一旦深呼吸を繰り返した。


「じゃ、自己紹介を」


「はい、ボクの名前はシャルロット・天野・ウィダーソン。イギリスとハーフだよ。えっと、あとは〜。他に言う事無いね。よろしくみんな!」


シャルロットは宜しくと、可愛いらしい敬礼をした。

 紗奈の方を見ると、驚いていたのでまたシャルロットの独断だろう。

 俺たちは流石に焦り始めた、学校で俺たちの関係を公表してない事、何か口を滑らせてしまうのかも冷や汗をかいていた。


「では、質問がある者は挙手」


「「「「はいはいはい!!」」」」


潤やクラスのお調子者達がいっぺんに手を上げ始めた。


「彼氏とか居ますか?」


「いまs〜〜〜せん」


「「「「「うおおおおお!!」」」」


シャルロットが居ると言いそうな所に紗奈が首を横にブンブン振っていた事に気付いて、何を伝えたかったのかと察してくれた。

居ないと言った事に、男子陣はすごく盛り上がってた。


次々と男子に刺されて行き、ほとんどまともじゃない質問に松浦先生は女子生徒に指す様に集中した。


「ウィダーソンって言ってましたが、あの有名なウィダーソンと関係があるのですか?」


「うん。ボクのお父さんがそこの社長をやってるの。ねぇ、紗奈?」


「そ、そうですね」


「「「おおお!!」」」


紗奈と中良さそうとしてた事に、本当にウィダーソンの娘だと信憑性が上がった。


「何故イギリスから日本に?やはり、不知火さんに会う為ですか?」


その問いにシャルロットは首を横に振った。


「ううん、違うよ。紗奈もボクの一緒にイギリスに居たからね。ボクが日本に来たのは、好きな人に会う為かや?にゃはは、ちょっと恥ずかしいな」


「「「「きゃーー!!」」」


シャルロットは気恥ずかしそうに頬をかいた、その可愛さに女子陣は声を上げて、好きな人が居ると聞かれ男子陣は天国から地獄に落とされた様に絶望していた。


「結構時間使っちまったな。まだ質問したい奴は放課後になってからにしろ。じゃ、早乙女に後ろだな」


「うおぃ!俺が居るだろ」


 松浦先生のボケと潤のツッコミでクラスの中が笑いの空気になったが、よりによって俺の名前が出てしまった事に状況が悪化した。


「えー?ボクちあきの後ろが良い。だめ?」


「...君早乙女と知り合いなのか?」


「知り合いも何も、一緒に住んでるもん」


「スーーーー」


「「「「「えええええ?!!!!」」」」」


 クラス中は笑いの声から、シャルロットの一言だけで驚愕の声に変わっていったのだった。

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