90話 夏休みと夏祭り⑦
「んー?どうしたんだ?」
何故かみんなは、俺の方を何か覚悟でも決めたかのような力強い目で見ていたのだ。
これから、何が始まるのかと、俺は少し不安を覚えていた。
「ごめんね〜、直ぐに済むと思うから」
「ちーちゃん先輩、気楽でいて下さい」
「お、おう」
まじで何が始まるのか、俺はどんどん怖くなってきた。
すると、みんなは同時に一呼吸を終えて、同時に俺の名前を呼び始めた。
「ちー君」「千秋君」「ちー!」「お兄ちゃん」
「ち、ちーちゃん先輩」「ちあき」「千秋様」
「は、はい。な、なんでしょう?」
「「「「「せぇ〜の!!」」」」」
「え?マジで何が始まるの?」
「「「「「「貴方の事が、大好きです!!」」」」」
「.........ほぇ?」
いきなりの言葉に俺は、人生で出した事がない情けない声が出てしまった。
目を見開き、俺は開いた方が塞がらず、『あなたのことが、だいすきです』の言葉が耳に焼き付いていた。
「ど、どゆこと?」
言葉の意味は分かるが。思ったより混乱していて、俺の頭はその言葉を理解出来なかった。
「えーー、だから私はちー君の事が好き」
「私も貴方の事が好きです」
「あたしは、ちーの事が好きだ」
「昔からずっと、お兄ちゃんの事が好きだよ」
「ちーちゃん先輩が好きです!」
「ちあき〜好きだよ」
「私は千秋様の事が好きです」
「....え?うん、はい。ん?」
呆けている俺を無視して、7人は何かを話し始めた。
最初は楓が一歩前に進んだ。
「じゃ、まずは私からね。ちー君、改めて好きです。ん〜、いつから好きになったかは、覚えてないけど。気付いたら、貴方の事を目で追ってたの。ちー君の横顔を見てると心がドキドキする。...まだ、言いたい事が沢山あるけど、みんなを待たせるのも悪いし。最後に言うよ好きです」
楓は一歩下がって入れ替わる様に、灯里が出てきた。
「えーこほん。私は早乙女千秋の事が好きです。正直、最初は貴方の事が嫌いでした。ですが、貴方の事を知るとどんどん好きになって来ました。私は貴方からずっと一緒に居たいと言われた時は気付きました。私も貴方とずっと一緒に居たいと思いました。だから、好きです。付き合って下さい」
言い切ったと、灯里はスッキリした様な顔になった。
そして、入れ替わるより七海は恥ずかしそうに目を逸らしていた。
「あー、なんだ。ちょっと、恥ずいけど。あたしが思うよりお前の事が結構好きだよ。多分一目惚れだったと思う。あたしは男と、言うのがあまり好きでは無いけど。何故かちーだけは全然悪い気がしないんだよ。あまり上手い事が言えないけど、これだけ言うよ好きだ」
七海も言い切ったぞっと、嬉しそうに笑って。次は愛香と入れ替わって言った。




