表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/112

89話 夏休みと夏祭り⑥

「あ、お兄ちゃん達がやっと来たよ」


 俺たちは人気が無い場所に辿り着くと、先に愛香達がレジャーシートとテントを貼って、寛いで居た。

ここは、俺と楓と愛香の3人しか知らない特等席の場所だ。


「悪い悪い、人が多くて」


「やっぱり?今の時間帯だと混むからね」


 楓はこれから、何か始まると夜空を見上げていた。

俺は、楓の横顔を見て一年前の事を思い出していた。


「あの時は、3人だったよな。今じゃ、こんなに騒がしくなったよな」


俺は後ろで楽しく騒いでる、灯里達を見つめてた。


「そうね。一年後はどうなってるのかな?みんな、彼氏とか出来てもっと増えたりするのかな?」


楓はニコッと揶揄う様に言ってきた


そうか、あいつらに彼氏が出来たら...


ズキンッ


俺は何故か息苦しくなった心をを抑えた。

一緒にいる事が多かったから俺は考えてなかったけど...いや、考えない様にしてたけど、もし、あいつらに、彼氏を作らないなんて保証はどこにもないんだよな。


他の男なんて、あんなに魅力的な彼女達をほっとく訳がないよな?

俺はあいつらとずっと一緒に居れば良いと思ってたけど、彼女達の隣に他の男がいる事を想像したくない。


「ちー君?」


 俺が思い詰めた表情になってた事に、楓は少し心配する様な目で見つめていた。


「ご、ごめん。なんでもないよ」


「...もしかして、私達の誰かに彼氏が出来たら、嫌?」


俺は楓の問いに、目を見開いて楓に振り向いた。


「そ、それは...まぁ、結構嫌」


「ふ〜ん、致命的な鈍感君じゃなくて良かった」


 何かボソボソと喋っていたが声が小さくて聞こえなかった。でも、何故が楓は嬉しそうに、笑っていた。


「ちー君は、どう思うの?これから、私達の関係を」


「...俺はずっと、みんなとこのままと一緒に居たい」


「ふ〜ん、でも変わらない関係何て存在しないんだよ?さっきの話に戻すけど、もしも彼女達に誰かが告白して、付き合ったら、ちー君がどう思うが貴方とその子の関係は変わるよね?」


「...」


確かに、彼女達...楓を含めて、彼氏が出来たら。

 彼氏の方を優先して、俺らと一緒にいる事は出来なくなる。


 例え俺が彼女達達の関係を変えたく無いと願っても、彼女達はそうとも限らない。

俺は考えたくなかった、このままずっと一緒に居たいと思ってたが、現実はそうは出来ない。


「まぁ私から言うのは、今の関係を無くしたくないのであれば、変えないんじゃなくて、今の関係以上に変えれば良いんじゃない?」


っと楓は微笑んで言った。

俺はずっと心のモヤモヤに息苦しかった。


俺って何で彼女達の事をこんなに依存してるんだ?


「...そうか、俺ってもしかしてお前らの事が」


バァン!


すると、夜空に大きな光が照らされた。

 そう、花火だ。だが、まだ一つしか上がられてなく、どうやら、開始の花火の合図だろ。


みんなは、花火に気がついて俺の近くに座り始めた。

 すると、次々と花火が上げられて、色々な形や色など全て迫力もあり、綺麗だった。


「もう、終わっちゃったね」


愛香は少し寂しそうに呟いた。

 花火は大体20分近く打ち上げられていたが、感覚では一瞬の時間だった。


「よぉし、少し寛いでから、帰るか」


 俺は立ち上がり、出たゴミを片付けて様とすると、楓達が顔を赤くして一列に並び始めた。


「?」


「ねぇ、ちー君、少しだけ私達から大事な話があります」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ