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87話 夏休みと夏祭り④

「賑やかですね」


 紗奈は一年ぶりの日本だったので、日本の伝統行事の祭りを懐かしそうに、周りを見渡していた。


「あれは、たこ焼きですね。イギリスになかったので、懐かしく感じますね」


「食べたい?」


「...はい」


「じゃ、ちょっと待ってて買ってくるよ」


俺はたこ焼きの屋台と所に、向かって歩いた。

 10コ入りを、2個買って紗奈達の所に戻って、みんなで分けて食べたのだ。


「...懐かしいですね。やはり、美味いです」


「そうか、それは良かったよ。ほら」


美味しそうに紗奈が食べてたので、俺はたこ焼きを一つ爪楊枝で刺して、紗奈に差し出した。

 紗奈は差し出したたこ焼きを、少し頬を赤らませて、耳に掛かった髪をかき上げて、食べたのだ。


 それを俺の近くでやっていたもので、俺はドキッと心臓を跳ねさせてしまった。


☆★★☆☆


「千秋君、綿飴食べてみたいです」


「俺も食いたいな。行こうか」


 俺と灯里で、綿飴の屋台に向かった。

楓達は、先に目的の場所に行ってると先に向かって行った。


「毎度あり」


 一つずつで良かったが、灯里が一番高い綿飴を見たいと言って、一番大きい綿飴を2人で一緒に食べる事になった。

灯里は綿飴を一口サイズにちぎって、パクリと食べた。


「美味しいですね。千秋どうぞ」


一口サイズのちぎった、綿飴を俺に差し出した。

 手で食べようとしたが、両手には目的の場所で食べる物を持っていたので、俺は少し気恥ずかしそうに、あーんしてもらった。


「んまい」


 すると、灯里は指に少し溶けた綿飴をペロリと舐めた。

俺は完全に口づけだと、思ってしまって灯里の顔が見れなくなってしまった。


「千秋君?顔赤いですが、大丈夫ですか?」


「だ、大丈夫だから。行こう」


赤くなった顔を見られない様に、俺は少し先に前に進んだ。

 もうすぐ、あれが始まるのかどんどん人が多くなって来たので、両手に持ってた荷物を頑張って片手で持って。

俺は灯里とはぐれない様に、ソッと手を掴んだ


「え?」


「人が多くなったから、掴んでて」


「...うん」


 灯里はコクリと頷いて、ただただ引っ張られるだけみたいになった。

だが、何故か握っている手を、ギュッと離さないと言わんばかりに強く握っていたのだ。


「ありゃ、千秋じゃん」


何で、こうも俺は運が無いのだろう。

 目の前に、ミズキと真斗に出会してしまった。


「よっ、千秋君!それと...あれ?楓さんじゃない?」


 いつも、楓と一緒にいる訳だから、真斗はてっきり俺と楓が一緒に居ると思っていた。

灯里は、俺の背中に隠れてしまった。


「男性の方は見た事あるのですが、女性の方もお知り合いですか?」


やはり、真斗は初対面の人から見ると女にしか見えない様だ。声も女性寄りなので、間違えるのも無理がない。

何故か、灯里は俺が他に女性の知り合いが居たらダメみたいな目をしていた。


「にゃはは、俺男だよ」


「え!す、すみません」


 真斗は自分が女性と勘違いしていたので、男だと教えてたら、灯里は物凄く驚いた表情で頭を下げて謝った。


「...な〜んだ、てっきり楓さんと付き合うかと思ったな」


 真斗はあまり納得行かない表情で、俺達に聞こえない声でボソッとつぶやいた。


「千秋達はデートなのか?」


 ミズキはやはり、前みたいにニヤニヤと揶揄って来た。


「いや、俺らはちょっと買いたい物があったから。先に楓達がこの先に待ってるだ」


「楓さんと一緒に居たのか、あ!」


 すると、ミズキは何か思い出したか様な表情になり、灯里の前に立って深く頭を下げた。


「え?え?」


いきなり、2回しか会ったことない人に、頭を下げらた事に灯里は困惑していた。


「ごめん。前に、千秋を僕達の事情で巻き込んでしまって」


どうやら、ミズキは加藤達の抗争を、俺を巻き込んだ事を謝っていたのだった。



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