85話 夏休みと夏祭り②
「よし!みんな浴衣も着て来たし。行くか!」
俺たちは夏祭りが開催されてる場所に向かうと、俺は玄関に行こうとさい、シャルロットに服を掴まれた。
「ちあき?そのままで行くの?」
「ん?そのまま?歩きでも行けるよ?」
シャルロットは歩けば遠いと思って、俺は歩きでも近いとと答えたが、どうやら質問が違ったらしい。
「違くて、その服装のままで行くのかな?」
「へ?」
俺の服装を見渡すと、黒シャツにジーパンっと言った別に変哲もなんもない普通の服装だ。
「ちあき、浴衣は着ないの?」
「...いや、ねぇ。何か男が浴衣って少し恥ずかしいなぁってね?」
俺はポリポリと頭をかきながら、浴衣を着ることが気恥ずかしそうにしていた。
「千秋様も着てみて下さいよ」
「えーー、まぁ別に良いよ」
俺はUターンして、一回自分の部屋に戻り、タンスの奥から浴衣を取り出した。
一年前近くに、吾郎から貰った物で1、2回程度しか着たことなかった。
「うーん、やっぱり恥ずかしいな」
浴衣姿の自分を鏡で見ていたが、あまり気に入らなかった。
少し恥ずかしそうに、灯里達の所に向かって見せると、灯里達は何故か無言で見つめていた。
「...もしかして、似合わないか?」
「え?!に、似合いますよ!凄くかっこいいです」
「なら、良いけど。やっぱり、おかしくないよね?」
「「「「全然おかしくない」」」」
「お、おう。そうか」
そして、俺たちは一緒に夏祭りを開いている場所に向かって行った。祭りの場所に近づいてくると、どんどん周りの人が増えてきて、こちらに注目していた。
「なんだよ、あれ?全員美人すぎるだろ」
「撮影か?声かけてみよーぜ!」
「お、おい!あれ、SANAじゃねぇか?」
「うお!本物じゃねぇか!サイン貰って行くか?」
「俺は握手してくるぜ」
っと、周りから色々な男達が近づこうとしたが、俺と七海が近づいてくる奴らを睨みつけて。近づく者は居なかった。
何故か、俺の悪口を言われる羽目になっていたが。
「ちあき、あれなぁに?」
俺の浴衣の先をクイクイっと引っ張って、シャルロットが指で指したのは、林檎飴だった。
「あれは林檎飴だよ。食べとくか?」
「うん!」
俺は林檎飴の屋台の所に行って、一つ買って戻ったら、2分ぐらいの出来事なのに、早速ナンパされていた。
「ねぇねぇ、お姉さん達、俺らと一緒にまわらないか?」
「綺麗だね。俺達と楽しいこと遊ぼうぜ?」
5人組のナンパ野郎が、灯里達にしつこく話しかけていた。
七海が嫌な顔をしてるのに、照れ隠しするなようと、自分勝手な解釈をされて、七海はゴミを見るような目で見ていた。
「あまりしつこいと、叫ぶぞ?」
「まぁまぁ、そんな事言わないでよ」
「おい」
流石に見てられなかったので、俺は後ろから男達を威圧するように呼びかけた。
「何だよ?お前も入りたいのか?」
「俺の連れに何の様だよ?」
「はー?お前の連れ?なら、こんなに居るなら俺らに分けても良いだろう?」
「はぁ〜、あまり調子に乗るなよ」
「あ?」
俺がナンパ野郎の事を睨みつけたら、ナンパ野郎は拳を握り絞めていた。正直灯里達の前で問題は起こしたく無かったが、流石にしつこいので、やむ得ない。
だが、後ろのナンパ野郎達が俺の顔を見て、どんどん青ざめていた。
「お、おい!やめろ。こ、こいつ早乙女だ!」
「はぁ?!さ、早乙女ってあの悪魔の早乙女か?!」
おっと、とうとう悪魔まで呼び名がランクアップしてしまったか...
男が俺の早乙女千秋の分かった瞬間、いきなり土下座をしだした。
「す、すみません!病院送りだけは勘弁して下さい」
集団の男達が俺を囲んで土下座しだしたので、周りから結構目立っていた。
「分かったから、もう失せてくれ」
「「「「はぃぃぃ」」」」
ナンパ野郎の集団は熊から逃げる様に走って行ってしまった。
俺は悪魔と呼ばれていた事に、肩をしょんぼりしてしまい、そのままシャルロットに林檎飴を渡した。
嬉しそうに食ってた事に、俺の元気は完全回復したのだった。




