8話 スタンプと焦り
翌朝、雨だったのでジョギングは休みで二度寝した。
すると、誰かに無理矢理叩き起こされた。
「千秋さん、起きて下さい」
「うわっ!何で居るんだよ!灯里」
「こんな時間になっても、起きてないからですよ!遅刻しますよ」
「えーー、今日はもっと寝ていたいよ」
「ダメです」
俺はしょうがなく、ベッドから起き上がった。
半分寝てる状況で洗面所に向かって、灯里と肩を並べて歯磨きをした。
「灯里、何か欲しいのないか?」
「え?」
「いや、いつも自分の服じゃないと落ち着かないだろ?今日放課後暇なら、みんなで買いにいかないか?俺が奢るからよ」
「そんな、悪いですよ」
「良いって良いって、バイトはたまにしかしてないけど、金は遊べる程度ならあるから」
どっかに行ってしまった夫婦からは毎週あまる程振り込まれているので、お金はここ数ヶ月なら困らない程度の貯金があったのだ。
「じゃー、お言葉に甘えて。必ずお返します」
「いらんっね」
そして、朝食をとり先に灯里と愛香が一緒に登校しに行った。
20分後ぐらいに、俺と楓と一緒に学校に向かった。
自分の席の後ろに潤がスマホをいじっていた、俺の姿を見かけた瞬間立ち上がり手を振った。
「おー、千秋と楓今日も早いな」
「今日は早く起きたからね」
まぁ、2人とも誰かさんに朝早く叩き起こされたからね。
朝のホームルームが終わり、一時間目の授業を準備してるとき、昨夜作ったグループにメッセージを送った。
千< 今日、デパート行くよ〜。行く人?
楓< 行く行く
愛< 私も行く〜
灯< 私もご一緒させて頂きます。
千<オッケー、愛香は校門で合流ね。
愛< 分かったよ〜
っと、チア服を来た犬なのかワニなのか良く分からないキャラのスタンプが送られてきた。楓も同じスタンプを持っていて返した。
これ、流行ってるのか?
あっという間に、放課後の時間になった。
後ろから潤が、俺の肩を掴んできた。
「千秋〜、今日は暇か?」
「今日も用事ある」
「つれないな〜、今日も3人で遊んで来るよ」
「じゃー、まずは教室の前に溜まってる奴らを何とかしないとな」
「え?...わーお。助けてよ俺の親友の千秋君」
教室の外のを見ると、潤目的の女子達が群がっていた。
俺に助けを求めても、俺は聞こえなかった事にしてそのまま立ち上がった。
「楓、灯里行くぞ〜。あ、」
色々と面倒を避ける為学校では、千秋と灯里はいつも犬猿の仲で過ごして居る事になって居る。俺は無意識的に灯里の名を呼んでしまった、少し焦りを見せた。
「灯里?...確か、成瀬さんの下の名前だよね?」
学校では、灯里は遊んだりしないのでみんな成瀬と呼んで居る者が多い。灯里の事を下で呼んで居るのは俺と楓と愛香ぐらいなのだ。
犬猿の仲と言われてる俺が灯里って呼んでしまった事に、クラスの連中がざわついた、。
「は?何言ってんの?明るい内に行くよって楓に言ったんだよ」
我ながら良い誤魔化し方だな。っと心の中でドヤ顔をかました。
チラッと灯里の席を見ると、本人はもうそこに居なかった。
彼女も少し焦ったのか、先に校門に向かって行ったのだろう。
「そうなのか?..俺的にはあかりって」
「意味が分からん、何であまり話した事ない奴を、いきなり下の名前で呼んで一緒に帰ろって誘うだよ。俺らこの後用事あるから、もう行くぞ」
「あ、」
俺は、ボロが出る前に教室を後にした。
潤は納得してなく、ずっと首を傾けていたのだ。
校門につくと、灯里と愛香が立っていたのだ。
「マジで悪かった」
「本当に焦ったわよ。」
「ちー君、あの誤魔化し方はないかと...」
「なになに?何かあったの?」
愛香には、今日あった出来事を説明しながら4人でデパートに向かって行った。その時俺の誤魔化方に愛香は物凄く笑っていたのだ。