79話 夏休みと海④
「す、すげーな」
俺たちは、食卓に並べられやる食材を見て驚いていた。
タイに刺身、和牛などどれもこれも、豪華な奴ばっかりだった。
「ちあきー、隣に座る?」
「お、ならお邪魔するぞ」
シャルロットが、隣の席にポンポンと手を叩いたので、俺はシャルロットの隣に腰をかけた。
すると、シャルロットは食卓の上にある食べ物をキョロキョロと見渡した。
「紗奈ー、ハンバーガーがないよ?」
「ハンバーガーばっかり、食べてますと体に悪いですよ?」
「紗奈のケチンポ」
シャルロットは頬をぷくーっと膨らませていた。
隣で見てた俺は、突きたいなーっと考えていたのだ。
「ほら、シャル。この肉も美味いから食べな」
俺はいつも通りに、高そうな肉をシャルロットの口の中に運んだ。
「美味いー」
そして、俺たちは楽しい夕食を済ませて、ホテルの温泉に浸かった。
え?混浴かって?馬鹿言うんじゃねぇよ。高級ホテルに混浴はないだろ!(*実際には、有ります)
「ちあきー、花火やろうよ」
俺が座っていると、後ろから抱きつくように、花火やろうと提案して来た。
「お!夏といえば花火だからな、やろうやろう」
そして、俺達はオールバック男に案内されてホテルの裏についた。向かう途中に、オールバック男にデパートの件で俺は謝ったが、逆に自分を倒すほどの実力と褒められてしまった。
七海と灯里は自分の、ススキ花火に火をつけて、赤と紫の炎の色が交差しあっていた。
「綺麗ですね」
「そうだな」
愛香と美音は、お互いの花火に火をつけて、愛香は花火を持って走っていた。
「みーちゃん、見て見て、色が変わる!」
「あーちゃん、き、気を付けてくださいよー」
愛香が持ってた花火は、燃えている途中で火花の色が様々に変化する変色花火だった。
楓と紗奈は、みんなの花火を見ながら、ゆっくりと2人で話しながら、階段の所で座っていた。
「ちあき、楽しい?」
「おう、本当にありがとうな」
シャルロット達が、俺らをハワイに連れて貰ったことや、色々と俺は感謝をしていた。
ずっと、ニコニコしてるシャルロットに俺はどこか異変を覚えていたのだ。ずっと、ハワイに行く前から
「シャルは楽しくないのか?」
「えー、ボクは楽しいよ」
「...なんかあったら言えよ。ずっと、元気ないぞ?」
自分が元気ないと気付かれない様に、ずっと笑ってたらしてたのに、まさか千秋に気付かれていた事に目を見開いた。
「まぁ、まだ出会って数日の俺より、せめて紗奈には打ち明けた方が良いぞ?シャルが元気がない事に紗奈は心配してるぞ?」
俺はそっと、シャルロットの頭を優しく撫でた。
何故か少し泣きそうな表情になっていたが、感情をグッと我慢して、立ち上がった。
「ちあきは、変な事を言うね。ボクは大丈夫だよ」
「そう、なら良いけど」
これ以上聞いても、しつこい野郎になってしまうので、俺はこれ以上聞こうとは思わなかった。
シャルロットは、クルッと回って笑顔で伝えた。
「ちあきと出会って、ボクは楽しかったよ。ありがとね」
「おう、俺も楽しいぞ」
「ふふ、ごめんだけど、ボクこの後用事があるから、みんなで楽しんでね」
「...おう、」
シャルロットはホテルの入り口の所に向かって行った。
俺はシャルロットの背中を見て、少し悲しい表情になってただろう。
「...なんで、そんな別れみたいな言い方なんだよ」
シャルロットは紗奈の横を通過した。
「お嬢様、お戻りですか?」
「うん、ちょっと用事があるからね。紗奈は楽しんででね」
「...分かりました」
シャルロットはホテルの中に入って行った。
紗奈は少し考えた後に、立ち上がりシャルロットの後をおった。




