78話 夏休みと海③
俺は少し休暇しようと、シャルロットが寝てる日傘の所に向かった。
「千秋様、お帰りなさいませ」
「だから、様は良いっ...もう、良いや」
俺は諦めて、そのまま様呼ばわりで良いと投げやり状態になっていた。
「どうぞ、お茶です」
「お、サンキュー」
俺は紗奈から、お茶が入ってあるペットボトルを受け取り、蓋を開けた、ペットボトルの中身を口の中に流し込ん
だ。
ずっと、日差しの下で動いていたのか、いつも飲んでいるお茶より、格段に美味しさを感じた。
何故か、紗奈がチラチラと俺の背中で体を見ていた。
「千秋様は、どんな武術をおつかいなんでしょうか?」
「え?、俺得になんも習ってないよ」
どうやら、俺の無駄の無い筋肉と、前のデパートで見せた格闘技を見て、何が習っていると勘違いされた。
「そうだったのですか?」
「うん、まぁ強いて言うなら、体力作りに朝ジョギングに、筋トレを夜にやるね」
「成る程。でば、武術はどこで?」
「んー、それは昔に少し習ったらぐらいだよ」
だって、ジジィが本格的に教えると危険だから、教えてくれなかったんだもん。
「そうなんですね」
すると、愛香がビーチボールを抱えながら、こちらに走って来てる事に気づいた。
「お兄ちゃん!遊ぼうよ」
「良いよ、見た感じだとビーチバレーかな?」
「そうそう、シャルロットさん...あ、寝てる。紗奈先輩はどう?」
「私は大丈夫です。お嬢様の護衛がありますので」
「...そうなんだ」
断られたちゃったと、愛香はしょんぼりと肩をすくめた。
紗奈は少し申し訳なさそうに、愛香を見ていたのだ。
☆☆☆★☆
そして、チーム分けが終わり、お互い睨み合っていた。
俺と灯里と楓vs七海と愛香と美音別れて試合をする事になった。
本来なら2対2がビーチバレーだが、人数的に考えると3対3になった、だが多い方が盛り上がる。
「皆さん、勝ったら負けた側に出来る範囲の命令を一つする罰ゲームはどうでしょう」
どうやら灯里は罰ゲームがあった方が楽しいと、提案を出した。
みんなは、その提案に即答でオーケーと頷いたのだ。
「じゃ、私から行くぜ」
ジャンケンの結果で相手チームからスタートした。
七海は高くボールを上げて、サーブをした。
「え?」
「っしゃ!まず一点」
七海のサーブしたボールは凄い勢いで、ラインすれすれ内側の地面に落下した。
3人は本気でやらないと負けるっと重い、体を引き締めた。
ルールは15点マッチなので、何が起きるかはまだ分からない。
そう俺は思い、諦めたりはしなかった。
「「「参りました」」」
瞬殺!美音は...うん、兎も角。七海と愛香のタッグが強すぎる。
俺ら3人が、手も足も出なかった。どうやら、後から聞いた話だが、七海は中学生の時、バレー部で都大会ベスト4の経験があると聞いた。
そりゃ、勝てないわ
「どうしよっかなー」
罰ゲームを考えるのは、最も点数をとった七海だった。
七海はたまにドSの所があるので、どんな罰ゲームをやらされるのか、息をゴクリと飲んだら。
「今夜、寝る時。私達3人でちーと同じベッドで寝るで決定ね」
「え?」
それだけで、良いの?むしろご褒美では?っと、心の中で思っていた、あまり重く無い罰ゲームだと、俺は嬉しそうに楓と灯里を見たら、物凄く絶望の顔を浮かべていたのだ。




