7話 放課後と豚肉
「千秋と楓、今日暇か?ゲーセン行かね?」
潤が学校の帰りにゲームセンターに行かないかと、聞いてきた。後に、大智と千寿も合流するだろう。
ピコーン
「ん?」
スマホを見ると、灯里からのメールが来たのだ。
灯< あの、流石に何もしないのも、アレなので。今日の買い物一緒に行きませんか?荷物運び手伝わせて下さい。
千< 別に良いよ。
「悪い、俺用事あるわ。」
「そうか...楓はって、千秋が居ないなら来ないか。いいや、俺ら3人で行くよ」
「悪いな」
潤は残念そうに、大智達のクラスに向かって行った。
潤が廊下に出ると、女子の集団に囲まれてしまって助けを求める目線で見てきたから無視した。
「楓は、どうする?このまま帰るのか?」
「...先に帰る」
「なんか、機嫌悪くないか?」
「機嫌悪くない」
っと、頬を膨らませて先に帰ってしまった。
俺は何で昼休み後から機嫌が悪くなっているのか、全然分からなかったのだ。
ピコーン
灯< 校門で待ってます。
千< オッケー
「あ、愛香にも連絡しないと」
千< カレーの具材、俺と灯里が買いに行くからね
愛< 分かった
と同時に、瞳がハートになってる犬なのかワニなのか、よく分からないキャラのスタンプが送られてきた。
いつも、何て返せばいいのか分からないので、そのままスマホをポケットにしまった。
☆☆☆☆☆
「何で、マスクつけてるの?」
校門で灯里と合流したとき、今日学校で一度もマスクをつけてなかったのに、今俺がマスクをつけている事に疑問を抱いた。
「あんまり、外で俺と一緒に歩いているの、嫌だろ?」
「別に、私は気にしないけど」
「まぁ、一応だ。変な噂が流れてきたら、困るだろ?」
「別に楓さん達と、一緒に行くのだから」
「来ないよ、楓も愛香も。まぁ、早く行こうぜ」
2人は、肩を並べて商店街を回った。
何を話して良いのか分からず、2人はずっと無言の状態で周りを見渡しながら肉屋に向かった。
「お?千秋、今日は知らない嬢ちゃんと一緒に居るな。新しい子か?」
「知り合いだよ」
「ガッハハ」
いつも、愛香か楓と買い物しに行ってたので、知らない女と歩いている事に揶揄う様に言った。
「今日は、カレーだからな。灯里は何の肉が良いか?」
「...豚が良いです」
「ポークカレーか、初めてだな。うん、おっちゃん、豚ブロックの300ちょうだい。」
「はいよ、360円だ」
俺は財布を取り出そうとしたが、先に灯里が500円を渡した。
「私払うよ」
「別にいいのに..」
お釣りをもらって、次々とカレーの材料を買って家に帰った。
「ただいま」
「失礼します」
「お兄ちゃん、灯里先輩おかえり〜」
俺は買ってきた材料を全て愛香に渡した。
愛香は何を買ってきたのか袋の中を確認した。
「今日、ポークカレーにするの?」
「作れるか?」
「んー、初めてだけど。まぁ、何とかなるでしょう」
「ちー君、あかりん、おかえり〜」
シャワー室から下着姿で濡れた髪をタオルで拭いている、楓が出てきた。どうやら、機嫌が治っていて、俺はホッと胸を撫で下ろした。
そして、俺達4人は愛香が作ったポークカレーを美味しく召し上がったのだ。
そのあと、俺と楓が一緒に寝る事がハレンチだと灯里に注意されたので、俺の部屋で灯里と楓が一緒に寝る事になった。