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67話 夏休みと真実②

2本目

「...ちーちゃん先輩...あの〜」


「ん?あ、お茶のおかわりか?」


「ち、違います。そ、その〜、似合ってますよ」


「え?あー、これか?まぁ、ありがとね」


俺の今の服装は実用呉服を着ていた。

 流石にこの後ジジィと会うので、この屋敷らしい服装を、この屋敷の自分の部屋から着替えて行ったのだ。


「若!昨日ぶりでございますぜよ!」


おっと、いきなり語尾が可笑しい吾郎に対して、選んだ人をミスったのかと、後悔し始めた。


「まさか、若がこんな別嬪さんを連れて来るのは..しかも、複数も...泣けて来るぜ」


吾郎は本気で泣き出した。

 ゴリラのおっさんが目の前で泣いている事に、灯里達は戸惑っていた。

すると、いきなりニカッと笑い出して頭を下げた。


本当、こいつの感情渋滞してるよな


「姐さん方達、これからも若を宜しくして下さい」


「ね、姉さん?貴方の方が年上では?」


「おい!何て事を言うだ!」


俺は吾郎が言ってる事に、俺は思わず顔を赤くしてしまった。

何故、千秋が照れ始めてるの?っとみんなは首を傾げていた。


「若もやはり若いですね」


「うるせぇ!」


ドン!


すると、襖を強く開ける音が聞こえて長髪の白髪のお爺さんが飛び出してきた。


「うお!!ワシの千秋じゃ!!!」


「クソジジィ!自分の歳を考えろ!」


子供の様にはしゃいでいた事に、俺は怒鳴り始めた。


「孫よー!久しぶりじゃ!」


「ひっつくな!」


「「「孫?!」」」


ジジィが俺に抱きついてきたので俺は強く引き離そうとしたが、思ったより力が強く全然離れてくれなかった。

 そして、ジジィが俺の事を孫と呼んで楓はやっぱりかっと言葉を漏らして、その他は驚いていた。

愛香だけは、ずっと無言だった。


「親父さん、一応客の前なんで」


「おや?偉い別嬪さんじゃのう」


変人が変人を注意してるだと?!


「はて、お主らは?」


ジジィは1番右側にいた楓の方を向いたので、楓は自己紹介を始めた。


「私はちー君の幼馴染の楓です」


「おー!お主が楓か、千秋から話は聞いてるぞ。次はお主は?」


「私は千秋君と同じクラスメイトの成瀬灯里です」


「初めましてじゃな。お主は?」


「私は神宮寺七海」


「うーん、初めましてじゃ。さて、次君は?」


「え?!えっと、わ、私は..伊藤美音でしゅ」


緊張してたのか美音は可愛らしい噛み方をした。


「オッホホホ、ゆっくりで良いぞ。そして、最後君は?」


「早乙女愛香です」


「早乙女?ほう、お主が千秋の妹か。ワシは村雨会大十七代目当主の村雨 源八郎(げんはちろう)だ、ここにいる千秋のお爺ちゃんに当たるな」


「俺も改めて自己紹介するよ。早乙女千秋、加えて村雨会大十八代目当主にならない。村雨千秋」


「うおい!!」


 源八郎の後を継がないと俺はここで宣言したら、隣で年寄りのジジィだと思えない程の音量が響き渡った。


「うるせ、前々から言ってたけど俺は継がんぞ?」


「何故じゃ!特にお主は夢がないじゃろ?なら、わしの後を継げ!お主が継がぬと、誰が継ぐ?」


「...今から現れるだろう、弟や妹に期待しろ」


「うわーん、お主の父親は村雨の者じゃないだろ!泣くぞ!」


「なら、泣いてろ!」


嘘泣きをしてる源八郎を無視して、灯里達の所に近づいた。


「愛香、これが俺だ。極道者の息子だと知って怖くなったか?」


「...え?これだけ?」


「へ?」


「お兄ちゃんが隠す程だから、裏で殺し屋でもやってると思ったけど、ヤクザさんの息子だけって心配して損した」


「極道者の息子だぞ?怖くないのか?」


「怖い?何で私がお兄ちゃんを怖がるの?お兄ちゃんは確かにヤクザさんの息子だけど、私にとってはお兄ちゃんはお兄ちゃん、それ以外も何者でも無いよ」


「...愛香。ごめん、本当にごめん。これだったらもっと早く打ち明けるべきだった」


「まったく、本当そうだよ。私の7年間のモヤモヤを返してほしいよ。もう、お兄ちゃん次は隠し事はなしだよ?...へっ?!」


俺は飛び込む様に愛香を強く抱きしめた。

 いきなりの事に愛香を声を出して驚いてしまった。


「良かった、このまま愛香と仲直りが出来なかったら、どうしようと思ったよ...」


俺は愛香を離さないぞとばかりに、強く抱きしめた。


「お、お兄ちゃん?...大丈夫だよ、離れたりはしないって。私はずっと大好きなお兄ちゃんの近くに居るよ」


愛香は俺の頭を優しく撫でた、側から見れば愛香が姉に見えてしまう光景だったのだ。

後で2本目投稿します

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