63話 夏休みとバーガー
「ねぇ、フォークとナイフを渡されてない」
「手で食うだぞ?」
本物のお嬢様なんだろうな。
俺はそう思いながら、チーズバーガーを触ったり見渡したらしてる少女を見ていた。
「ねぇ、紙ごとたべるの?」
「な訳ないでしょ。貸してみん」
俺は彼女のチーズバーガーを受け取り、包みを剥がして彼女に返した。彼女は一口パクリと食べると、瞳から星のような物が見えた気がする。
「おお〜、美味いぞ」
「だろ?」
彼女はゆっくりと一口一口と丁寧にチーズバーガーを無言で食べ続けた。
口にケチャップがついてしまって俺は、愛香達の慣れのせいで無意識でティッシュで拭いた。
「ん〜、ありがとう」
彼女は喉が渇いたのか、飲み物を持ち上げたが蓋を開けて中身を確認した。
「ねぇねぇ、何でこれ黒いの?コーヒー?」
「それは、コーラって言う奴で、炭酸って言えば良いのか?」
「炭酸?うーん、分かんないや」
少女は一口一口コーラを飲むと、肩をビクりと跳ねて、ベロを出した。
「うえー、ボクこれ嫌い。シュワシュワしてて不味い」
か、可愛い
俺は彼女がベロを出してる姿に可愛いと思ってしまった。
「なら、俺の飲むか?」
「それ何?」
「オレンジジュース」
「飲む〜」
オレンジジュースは知っていたのか、嬉しそうに俺のオレンジジュースと交換してもらった。
「ねぇねぇ、これは何?」
ポテトを一つ掴み、ジーっと見つめながら訪ねてきた。
「それはポテトだね」
「ポテト?ジャガイモか。変わった形だね。棒状は初めてだな」
パクリと食べると、チーズバーガーと同様な反応に嬉しそうにパクパクと食べていた。
あまりにも美味しさに、すぐにポテトは無くなってしまったので、俺のを差し出した。
「ありがとう!」
俺のポテトを嬉しそうにパクパクと食べた。
「ねぇねぇ、」
「なぁ、名前で呼ばないか?」
「うーん、良いよ!...名前何?」
あれ?俺言わなかったっけ?
「俺は千秋、早乙女千秋だよ。」
「ボクはシャルロット・天野・ウィダーソン。シャルって呼んでも良いよ。ちあき〜」
「宜しくなシャル」
ん?ウィダーソン?う〜ん、何処かで聞いたことあるような
「ちあき、どこか行こう」
「んー、良いよ。どこ散歩したい」
お腹が一杯なのか、シャルロットは歩いて消化したい様だ。
俺は近くで楽しめそうな場所をスマホで探して居ると。
「...うん、あそこ行くか」
俺たちはワックを後にして、ついた場所は以前灯里と出かけた公園にたどり着いた。
シャルロットは楽しそうに、花壇を見渡していたのだった。
「ゆっくり歩けよ!」
っと、言われたのでシャルロットは俺の隣に来て一緒に歩いて行った。
俺は彼女が少し震えてる事に気づいたので、ハロハシャツを脱いでシャルロットにきさせた。
例え夏でも、公園の夜は女の子にとって寒いだろ
「寒いならかすよ」
「ちあきー、ありがとう」
ピッピッピ
すると、シャルロットの腕時計が赤く転倒し始めた。
「何それ?」
「GPSが発動したの。これで、みんながここにやってくるの」
「なら、帰れるのか?」
「うん!」
「それは良かった」
しまった。
ついうっかりと、子供の様に頭を撫でてしまったが、シャルロットが気持ちよさそうにして居たので、そのまま撫で続けた。
「ちあき、ありがとうね。ボクはここで待ってれば良いの」
「1人で大丈夫か?」
コクコク
「そうか、なら寒いからそのシャツあげるよ」
「良いの〜?」
「俺は寒くないからね」
「ありがとう」
そして、俺たちは別れの挨拶をして、その場で解散となった。
「お嬢様!」
書記だと思われる女性が走って近づいた。
「良かった、ご無事で...おや?そのシャツはどこで?」
「紗奈これはだめー、これはボクの。あげないよ〜」
「ほーう、お嬢様何か顔色が良いですね。何か良いことでも?」
「ふーん、ちあきが優しくしてくれた」
「ちあき?そうですか、その方に感謝しないと行けませんね...ちあき?偶然でしょうか?その方の上の名前は何とおっしゃってたのでしょうか?」
「さおとめー」
「さおとめ?人違いでしたか...なら、お嬢様許嫁の話はなしにの方向で宜しいでしょうか?」
「なんで〜?」
紗奈の質問に、シャルロットは首を傾げた。
「そのちあき様の事がお好きになったのでは?」
「.......うーん、分かんないな〜」
「そうですか」
向かいの車が到着したので、シャルロットは立ち上がり車の中に入って行った。
沙耶は見逃さなかった、千秋の事を話して居る時嬉しそうな顔のシャルロット、そして、紗奈の質問に顔が赤くなって居た事に。
「それに、お嬢様が人の名前を覚える何てそうそうないでね。自分の父親でさえ覚えてない始末」
「紗奈〜、なんか言った?」
「なんでもありませんよ」




