表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/112

59話 夏休みと問題発生⑨

「可笑しいですね。たった2人..1人が関わっただけで、こうも変わりますかね」


 加藤はフードの男は戦力外と気付いたが、千秋がやってきただけで、押されているとは思わなかった。

100近い不良とたった8人の人間が互角に渡り合っている事に、目を疑って居た。


「くそぉ!!」


 3人の不良は闇雲にバットを振り回して居たが、俺は全て避けて、不良の服を掴み隣に居た不良に投げ飛ばした。

そして、その隙にもう1人の不良が俺の顔にバットを振り下ろしたが、素手で受け止めて、顔目掛けて蹴りを入れた。


 千秋の圧倒的な強さに、不良達は怯んでなかなか千秋に攻めたから者は居なかった。


「早乙女!!俺が相手してやるよ!」


「誰だお前は?」


「相変わらずうざい奴だな。俺はイエロータイガーのヘッドの宮園だ」


「...」


ダメだ、全然思い出せない。


 俺に対する接し方に因縁はあると思うが、俺はどうしても宮園の事が思い出せなかった。


「この一年ボクシングを習ったからな。一年前の俺と比べ物にならないぞ?」


宮園は構えた。ステップを踏んで、ジャブ、ジャブ、ストレート、ジャブと繰り返して居たが、全て手のひらで防御した。


「ふーん、速いんじゃ無いの?」


「甘く見るな!ふっ、ふっ、はっ!」


 ジャブ、ジャブ、そしてアッパーの時に俺は少し後ろに下がって避けてからの横から拳を入れた。

宮園はそれを軽く見切って、体勢を低くして避けてからの、俺が攻撃しづらい位置までに近づいて来た。


「終わりだぁ!!」


 俺の顎に目掛けてアッパーを入れた瞬間、先に俺の膝が奴の顎に届いた。


「肘打ちだと...」


そして、脳が揺れたのか宮園はその場で倒れ込んだ。 


「おい、加藤!そろそろ、来ても良いんじゃないのか?」


他の幹部クラスはミズキ達が相手をしていて、手を空いているのは加藤1人だけだった。

 加藤は俺の戦いをずっとニヤニヤと笑って見ていて、不愉快だと感じていた。


「千秋ちゃん〜、俺と混ざり合おうぜ」


「気色悪い」


そして、お互い睨み合った。

 先に仕掛けて来たのは、加藤の方だった。加藤が持っていた鉄パイプを思いっきり俺に襲った。


「ひゃはは!死ね!」


一直線だったので、俺は加藤に目掛けて前蹴りで吹き飛ばした。

 吹き飛ばした加藤は受け身をとって、すぐに立ち上がって行ってまた一直線で突っ込んできたのだ。


「本当、タフな野郎だな」


「ギャハハ!そんな俺を倒したのは、ただお前1人だけなんだよ!」


「あっそう」


すると、鉄パイプの先を俺に向けて槍投げをして来た。

 ギリギリ避けたが、いきなりの事に俺は体勢を崩してしまい、加藤がポケットから何か取り出して俺の左の額に当たった。


「「「千秋!!」」」


「...てめぇ」


「ぎゃっは!」


 加藤の手に持っていたのはナイフだった、俺の左の額に切り口をつけられて、そこからタラタラと血が流れて行った。


「お前の血の味は美味いのかな?」


っと、不気味な笑みで俺の血がついたナイフをペロリっと舐めた。


「本当に、狂ってるよなお前」


「褒め言葉として、受け取りますぞい?」


「流石にガキがナイフを持つのは危ねぇな。少し、本気玉いくぞ?」


 普通の人間ならナイフ相手に怯むはずだが、千秋は顔色変えずにそのまま加藤の所に向かって行った。

ナイフを持ったまま、俺の所に走って近づいた、俺は奴のふくらはぎを蹴り、あまりの痛さに奴は少し怯んだ隙に、奴の顎に目掛けて蹴りを入れた。


「ガハッ」


 加藤は後ろに倒れ込み、俺はその上から馬乗りになって、ナイフを奪ってから顔面を殴り続けた。


「がフュ!がひゃ!さいがはっ!最高、おへっ」


タコ殴りにされているのに、加藤の顔から笑顔が消えなかった。

 そして、俺は最後に深く息を吸って、トドメをと奴の顔面に思いっきり拳を振り下げた。


「終わりだ」


「がふっ!!」


「はぁ、お前はすげ〜弱くなったよ。一年前に感じたお前からの恐怖がいっさい感じなくなった。お前、復讐に囚われ過ぎじゃねぇか?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ