55話 夏休みと問題発生⑤
別視点です。
「おい!出てきたぞ!」
ミズキ達がゲーセンで3時間程遊んで、出て行くとゲーセンの前で囲むように、何十人の不良が立っていた。
琉樹が前に出て、威圧をかけるように喋り始めた。
「なんだよ、お前らは?俺らに何か用か?」
「森さんが、お前らを呼んで来いって言われてよ」
「森?だれだ?」
「てめー!覚えてないのか!」
本当に誰なのかと琉樹は首を傾げた。
思い出せていなかった事に、不良はキレだした。
「元ブラッディウルフのヘッドだよ!」
「あー、居たな。にしても、ダサい名前だよな。血の狼?小学生でも笑えるチーム迷惑なだぞ?」
「てめ!!」
琉樹はわざと煽るように挑発すると、不良はまんまと挑発に乗ってしまい、持ってたバットで襲ってくる前に蹴り飛ばされてしまった。
「んで、そのブラッディウルフが報復に来たのか?」
っと違う一番背が高い不良に訪ねた。
「ああ、正確にはブラッディウルフじゃない。ズーキーパーズだけどな」
琉樹達は名前のセンスが無さすぎて、うわーっと引いていた。
背の高い不良は、話を続けていた。
「イエロータイガー、ハワイシャーク、レッドライオン、エレファントバイクそして、ブラッディウルフを合わせたチーム何だよ。全部見覚えのあるチーム名だろ?」
「...確かにな」
ズーって動物園だよな?サメって水族館じゃね?
ダサい名前を揃いて言っていたことに琉樹はフッと笑っていた。今出てきたチームは、一年前に千秋達で潰していたチームだった。
「俺たちはお前を倒して、伝説になるんだよ!伝説は俺たちはズーキーパーズが塗り替えるだ!ガハッ!」
「あっそう」
琉樹がいきなり走ってきて、背の高い男の顔面に蹴りを入れた。
そして、煽るように不良達に手招きをした。
「来いよ、お前らのせいで退学になったからな。こっちも報復しに行くぞ」
ミズキ達も戦闘体制に入り、お互いの集団がぶつかり合った。
戦闘はすぐに終わって、20人ちょいの不良どもは地面に這いつくばっていたのだった。
「つ、強すぎる」
「はぁはぁ、面倒な事になったもんだな」
ミズキが琉樹の近くにやってきた。
「ふー、どうする?こいつらを尋問して、その、ズー何ちゃらの所に乗り込んで行くか?」
「そうだな。おい、お前らのヘッドは何処にいる?」
倒れてる背の高い不良を蹴って聞いた。
すると、背の高い不良はポケットからスマホを取り出して誰かに電話をかけた。
繋がったと思ったら、琉樹にスマホを手渡した。
「あー、もしもし?」
『その声は..大山か』
「誰だお前は?」
『一応ヘッドをさせてもらってる、森だ』
「久しぶりだね。森、いつ退院したんだ?」
琉樹は煽ったが、森は鼻で笑っていた。
『そんな、軽い挑発は乗らないよ。馬鹿でもないし、ピエロマーチと交戦した廃墟に来い。俺はそこで待ってる』
っと、言っても森は電話きった。
嫌な名前を聞いて、琉樹は深くため息を吐いたのだ。
電話の内容を真斗が聞いてきた。
「何だった?」
「元ピエロマーチがたむろっていた廃墟に来いってよ」
「はぁー、またあそこに行くのか」
みんなはその廃墟にいい思い出がなかった。行かない選択肢もあったが、また襲ってくる事も面倒なのであいつらと終わらせる為に廃墟に向かうと決断した。
大智は廃墟に行く前にみんなに訪ねた。
「千秋も呼ぶ?」
「ダメだ、千秋はもう喧嘩しないって言ってんだ。これは俺たちで片付けるよ」
ミズキがそう言って、みんなは目的の場所に向かって行った。




