54 夏休みと問題発生④
別視点です。
「ミズキ〜ここだ!」
ミズキはゲーセンの中で、待ち合わせ人達を探して居たら、格闘ゲーのコーナから自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「今日はそこに居たのか、蓮」
「大智の奴がよ、どっちが強いのか白黒つけようって言って来たからな」
「やぁ!」
蓮の前の台から、大智の顔がピョコッと現れた。
大智の方の台に行くと、琉樹がスマホをいじりながら座っていた。
「あれ?真斗と千寿と潤は?」
「潤は部活で来れない、残り2人は上で飯買いに行ってるよ」
「ふーん、」
ミズキは使ってない椅子を動かして、琉樹達の近くで座った。10分ちょい待っていると、ワックのポテトを食べながら、千寿と真斗がやってきた。
真斗がミズキが来てる事に気付いて近づいて行った。
「あら?ミズキ君いつきたの?」
「今さっき来たところ」
「気づかなかったな。これいる?」
「一つ」
っと、言いながら真斗が差し出したポテトを四つ程とってパクッと食べた。
何か物足りなさそうな表情で、再びポテトを掴もうとした瞬間、真斗はバックステップで距離を取った。
「おい、もうちょっとくれよ。あと、ケチャップない?」
「何、人のポテトを本格的に食べようとしてるんだよ」
「ケチ」
「自分で買ってこい」
買ってくるために立ち上がろうとしたが、何だが面倒くさくなって、立ち上がるのやめた。
ミズキは千寿の怪我だらけを見て、何があったのかと訪ねた。
「千寿ー、怪我どうしたんだよ」
「これか、名を売りたいのかは知らないが、変な集団に襲われた」
「勝ったのか?」
ニヤニヤ笑いながら、琉樹が訪ねてきた。
「当たり前よ!」
っと、自分の腕の筋肉を見せながらニカッと笑った。
「俺もよ、さっき千秋と一緒に襲われたのよ」
「あれ?千秋と居たのか?」
「あー、たまたまコンビニの前で出くわしてよ。まぁ、すぐに帰ったがな」
「そうなんだ。でも、最近多いよな。俺身長的に目立つから、すぐに見つかって襲われるんだよ」
千寿は190以上の身長があるので、すぐに不良どもに見たかって襲われることが一番多かった。
大智がゲームしながら、話に入ってきた。
「最近、あいつら活発化してない?」
「分かる!僕達が静かだからって、調子に乗ってるよな」
「どうする?あいつらを潰すか?」
前の台からぴょこっと蓮が出てきて、提案を出してきた。 琉樹がその提案を聞いて、スマホを置いて喋った。
「良いと思うよ。いちいち襲われるより、一気にあいつらを潰して分からせれば良い」
「おお、琉樹君もしかして怒ってるの?」
「当たり前だよ。こっちは、大人しくしてるのに、俺たちを倒して名を上げたい連中だろ?」
「俺たちも有名になったからねー、もういっその事。昔の目標だった、関東制覇しちゃうか?」
制覇すれば皆から恐れられ、誰にも襲われないかもしれないと大智は考えた。
だか、その提案はミズキと千寿は難しいと考えた。
「無理だと思うよ。千秋無しで」
「そうだよな。千秋の奴、最近喧嘩しなくなったからな」
「千秋は喧嘩しなくなったんじゃなくて、喧嘩しないと約束したからね」
「誰に?」
「さぁー?」
千秋と一緒にいた女の事を話そうとミズキは考えたが、千秋の許可無しで話すのもアレだと思い、自分が思っていた事を伏せた。




