49話 夏休みとゲーム
夏休みに入ってから、5日の月日が経った。
何かイベントが起きたって?特に無いでず。
家で、のんびりただただ過ごしていただけだ。
「お邪魔します」
「おー、いらっしゃい」
最近では、美音が良く家に来るようになった。
ちゃんと、先輩の灯里達と仲良くなっている様だな。最新では、毎朝俺のジョギングに付き合って貰っている。
そして、いつでも入れる様に俺は合鍵を作って美音に渡した。
服の整理があると、美音は愛香の部屋に向かって行った。
「あ、おい、誰だ今の俺に矢を放った奴は?」
「「「....」」」
カチカチカチ
「え、七海だろ!キルログ出てんだぞ!」
「...ちっ、体力回復してよ」
俺と楓と七海と灯里と愛香の5人で、某ブロック型世界のゲームをしている。
建築もバトルも自由に出来て、ゾンビや弓を持っているドクロ、そして、緑の爆発するモンスターもいる。
先程から、俺にチクチクと矢を放っている奴が居て。
最後の矢に死んでしまった。折角ダイヤ持っていたのに...
「誰か俺のアイテムとってたよ」
「しょうがないですね...」
俺は先程死んだ場所に戻り、灯里から俺のアイテムを返して貰った。
「あれ?俺のダイヤは?」
「...し、知らないです」
「...」
カチカチカチカチカチ
「ご、ごめんなさい!今返しますので、殺さないでください!!」
「ちょっと、お兄ちゃん達何やってんのキャァァ!!!!」
「あいか今助け...ごめん、助けられないな」
愛香は、ダイヤフル装備の状態でマグマに落ちてしまった。
楓がなんとか助けようとしたが、水バケツを持っておらず助ける事を諦めた。
「...てか、俺らずっとゲームじゃねぇか!!」
俺は自分が持っていた、ゲーム機をソファーの上に叩きつけた。
ソファーの柔らかさでゲーム機は、ノーダメだ。
「え?!今、夏休みだよね?!俺らこの5日間何してたの?!」
灯「ダイヤ探し!」
楓「建築」
七「ブロック集め」
愛「ドラゴン討伐」
自分用の中古のゲーム機を買って、この5日間ずっと、ブロック型世界ゲームを遊んでいた。
「...夏休みと言えば、海、花火、祭り、ビーチだろ!」
「海とビーチは同じでしょ...」
「シャーラップ!」
灯里に、正論を言われたが口チャックをしてもらった。
七海は、アイスを食べながら言ってきた。
「そもそも、行く場所ないだろ?」
「旅行行こうよ!」
「そんな、金ないっす」
「...言われてみれば」
俺は何か良い案がないのかと、愛香に助けを求めた。
「えーー、このままゲームでいいんじゃない?」
「「「賛成!」」」
「うおい!」
みんながずっとゲームをしたいと駄々をこねている時に、救いの女神が降臨したのだ。
「あ、あの〜、み、皆さん」
美音はドアから、半分ぐらい顔を出して恐る恐る聞いてきた。
「...こ、これに行きません?」
美音が、見せてきたのは1つのチケットだった。
そのチケットの文字を読んで、5人はソファーから立ち上がったのだ。




