47話 驚きと反応
「おはようございます」
「おう、おはよう」
俺は朝早く家に出で、美音の家まで向かいにきた。
俺は。今の美音の姿を見つめた。
今はガーディガンの前をぎっしり閉めないで、全開に開けて居るので太ってる様には見えない。
前を閉めて居なくても、昨日帰る前に冬用のインナーを買ったので、今は前を開けて居ても寒く無いのだろう。
「うん。やっぱり、可愛いよ」
「うう、ちーちゃん先輩恥ずかしいですよ...」
「あはは」
ずっとここで話しても良かったが、遅刻になりそうなので前に進んで行った。
「ちーちゃん先輩、本当に大丈夫なんでしょうか?」
「大丈夫、大丈夫。昨日も言ったけど、今のみーちゃんは凄い可愛いよ。惚れそうぐらいだ」
「...そ、そのまま...惚れても..い、良いですよ?」
「ん?ごめん聞こえなかった」
「な、何でも無いです」
周りの車が走る音がうるさくて、何を言ったのか聞こえなかった。恥ずかしい事を言ったのかとぐらいに顔が赤くなっている。
「よぉ、千秋おっはよう!」
後ろから俺の肩をポンっと叩いてきた者がいた。
後ろを振り返ると、やっぱり声で気付いたが潤だった。
潤の後ろには、大智と千寿も居た。どうやら、今日は朝練が休みで一緒に登校しに来たのだろう。
「朝から騒がしいな...」
「あはは、てか。お前家逆じゃね?...おや?」
潤は俺の横に居た女の子を見た。美音は見られて居る事に思わず俺の後ろに隠れてしまった。
その光景を見た千寿は、いきなり俺の服を掴んできた。
「許さない!!お前も彼女が出来たなんて!」
「なんだよ!」
ペシ
「イテッ、」
折角朝に、楓がアイロン掛けしてくれた俺の制服を引っ張ったので、軽く頬にビンタを入れた。
彼女持ちの大智と片想い中の潤は、顎を揺すりながら美音の顔を覗いて居た。
「千秋、こんな子居たか?ん〜〜」
「うーん、うちの制服を着てるから、桜坂高校の人だと思うだけだな...でも、こんなに可愛いかったら、男どもに6大美女だ!って騒いでるけどな」
2人の先輩に見つめられて居る事に、少し怖くなったのか俺の服を強く握りしめて少し震えて居た。
俺は顔が近いと、2人の頭に軽くチョップをかました。
「「イテっ!」」
「怖がっているだろ!しっしっ、帰れ帰れ」
「いや、今から学校何で...」
そして、俺たちは学校の中に入ると、あんな子が居たか?っと声が聞こえてくるぐらい美音が注目されて居た。
何人か、またあの男かよ...っと俺に向けてだろうか、呆れてる声も聞けるが...
「じゃー、俺は自分のクラスに行ってくるね」
解散しようと、俺は階段に登ろうとした瞬間俺の服を掴んできたのだ。
「ちーちゃん先輩..いっ、一緒にい、行きましょ」
「...しょうがないな」
「千秋付き添い必要か?」
「すまんな」
大智と千寿は先に上に上がり、俺と美音と潤は一年三組に向かって行った。中にはまだ愛香が居なく、灯里達と一緒にいるのだろうか?
美音が教室に入って来ると、周りの生徒はざわざわし出した。
可愛いとか、転校生?などと色々な声が聞こえて来る。
すると、憎たらしい顔でニコニコと陣がやってきた。
「早乙女先輩、転校生の案内ありがとうございます。あとは、同じクラスの一味の俺が面倒を見ますので」
どうやら、自分が良く馬鹿にしていた美音を転校生だと勘違いして、自分の株を早速あげようと優しく接していた。
「さぁ、転校生ちゃん。俺が色々案内するよ」
「...わ、私、て、転校生じゃないです..」
「え?何て聞こえないよ?」
「ちっ、」
流石にしつこすぎる陣に、美音は怖がっていたので俺が2人の間に割り込むように入った。
「なんすか、先輩」
「怖がっているの分からないのか?」
「はっ!部外者の貴方に関係ないのでは?早く自分のクラスに戻って行って下さい。先輩、」
どうやら、愛香がダメなら次のターゲットを美少女の転校生に変えた様だ。そして、嫌味の様に先輩と呼んだ。
「はぁ〜、みーちゃ「あれ?兄さん、何でいるの?」
後ろから、俺の名前を呼ぶ愛香の声が聞こえてきた。
美音の姿を見ると、愛香はパァッと顔を輝かせて、美音の所に小走りで近づき両手を握った。
「わぁー!みーちゃん凄く可愛いかなったじゃん!」
「ど、どうかな?」
「凄く可愛いよ!」
周りの生徒は、転校生だと思われる人物を何て呼んだのかと耳を疑った。特に、陣はどんどん顔色が悪くなって行き焦りを出していた。
「ん?今早乙女さん、あの転校生を何て呼んだ?」
「...みーちゃんって、確か伊藤美音さんだよな?」
「じゃ、あの子は伊藤さん?!」
「「「「えええええ!!!」」」
教室の中は大盛り上がりだった。
俺は愛香に対して、流石親友!俺だったら前の美音と今の美音が同じ人だと気付かないぞ。




