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46話 美容院と垢抜け

「では、どう言った髪が良いでしょうか?」


「えっと..その、」


こういうのが初めてで、美音は何を言えば良いのか分からなかった。困っていた美音を見て俺は手助けをした。


「そうですね、顔を良く見せたいですね」


「ほーう、顔ですね」


店員さんは、どのような髪を切ろうかと考え美音の前髪を上げた瞬間、美音の顔みた。


「す、凄い美人さんですね。彼女さん」


「あはは、でしょ?でも、残念ながら彼女じゃないんだ」


「みーちゃん先輩?!ざ、残念ってどう意味ですか?!」


「え?そのままの意味だよ?」


「...これが、あーちゃんが言ってた天然タラシさん?」


おい!愛香の奴何て教え方してんだ!


「うーん、そうですね。髪を肩までに切って、ハーフアップはどうでしょう?」


「おお!良いね」


「は、ハーフアップ?」


美音は知らない単語が出てきたが、良く分からないので全て千秋に託したのだ。

俺は美音の髪を、触って考え事をした。


「みーちゃん、髪染めってダメだったりする?」


「か、髪染めですか?だ、大丈夫だとお、思います」


桜坂高校の校則では、髪染めはオッケーとされている。

流石に限度のある髪は注意されるが。


「それは、よかった」


「髪染めします?」


「そうですね。美音に似合う色だったら...ピンクアッシュとかかな?」


「分かりました」


そして、俺は2時間ぐらい待ったのだ。

どう、変わるのかと俺はウキウキしていた。


「彼氏さーん、終わりましたよー」


だから、俺彼氏じゃ無いって


店員に呼ばれたので、俺は立ち上がり美音の所に向かった。

鏡越しだが、美音の今の見た目を見た瞬間思わず息を呑んでしまった。


とても綺麗に、美しく、可愛くなっていたのだ。

 それもメイクの類いではない。オーラが美音を包んでいるオーラそのものが変わっているのだ。

前までの暗いモノは、もう完全に消えていたのだ。

 俺は、完全に見惚れていたのだ。


「...驚いた」


「ど、どうですか?」


「...すげ〜、可愛いよ」


「か、可愛い...」


やばい、これは可愛いすぎるって...楓達のお陰で慣れて居るけど、もし慣れていなかったら、すぐに惚れていたレベルだぞ?


お互い顔を見れない状態赤くなっていた。

このままだと気まずいので、すぐに何行動を起こさないと行けないと思った。


「店員さん、ありがとうございます」


「いえいえ、私もこんなに美人の髪を切れて嬉しい限りです」


俺は会計を済ませた、美音が自分で払うと言っていたが俺が勝手に話を進めたので、ここは俺が払った。

そして、俺たちは外に出て時間を見ると7時前になっていた。


「てか、すっかり夜になっちゃったな。親とか大丈夫かな?」


「だ、大丈夫です。連絡しましたので」


「それは、良かったよ」


「み、みーちゃん先輩は朝いつもジョギングしてるって聞いたのですが...」


愛香から、聞いたのかな?


「そうだよ」


「そ、そうですか..あの、わ、私も一緒に走っても良いですか?」


「え?別に良いよ?」


「やったー」


美音は、なにかむ様に嬉しそうな顔で笑った。


別に太っていないのにな〜?


そして、俺は流石に夜1人で帰られるのも危ないと思ったので、美音の家まで着いて行く事にした。

すると、玄関先に美音の母親らしき人物が立っていた。


「...え?!美音!ふ、雰囲気変わったわねー」


「お、お母さん。た、ただいま」


 やはり母親だった、美音の変わった姿に口をパクパクしていたのだ。すると、隣に知らない男が居ると気づいてニヤリと笑った。


「あらあら、随分仲良さそうね」


「え、あ、はい。俺は早乙女千秋と言います。みーちゃんの一個上になります」


あ、やべ。癖でみーちゃんって呼んじゃった。


親の前であだ名で呼ばれてしまって、美音は顔を真っ赤にして俯いてしまった。美音母は、そんな娘の姿を見て何か確信したようだ。


「そうなのね、これからも美音の事を、末永く宜しくね?」


「あ、はい。...ん?す、末永く?」


「ちょっと!お、あ母さん!!何を言って居るの!」


 俺はどう言う意味かと考えていると、美音が珍しく大きな声を出していた。


「おほほほ、逃がさない様に頑張りなさいよ?」


「...ううぅ」


一体何の話をしているのか分からなかった。


「じゃ、俺は帰るよ」


「は、はい。ちーちゃん先輩ありがとうございます。あ、あの〜」


「ん?」


美音は、何か言おうとモジモジと体をひねられていた。


「明日の朝一緒に登校しませんか?」


「え?別に良いよ、」


「あ、ありがとうございます」


そして、俺たちは一緒に登校しようと約束して、解散となった。

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