45話 後輩と放課後デート
「あ、あの〜、ど、どこに行きます?」
「うーん、まずはお洒落しようよ」
「お、お洒落ですか?」
「うん、みんなを見返そうよ」
「み、見返す?...例えお洒落しても、私はぶ、ブスのままですよ」
美音は今までの環境から自分に自信がなかった。
俺は美音の前に達、顔を覗き込むように前髪を上げた。
「え?...ち、ちーちゃん先輩?」
「みーちゃんさ、愛香の事かわいい?」
「...は、はい凄く美人さんですよね」
「わかる!俺の妹として、勿体ないぐらい可愛いよな。でも、みーちゃんも愛香と負けないぐらい可愛いぞ」
「...へ?」
美音はすっ頓狂な声を上げた。
千秋の顔が近くにあって、どんどん顔が赤くなって行く。
「まぁ、お洒落するって言っても髪を整えるぐらいだけどね。みーちゃんが可愛いくなれば周りの奴らの接し方が変わるかも知れない」
「で、でも。わ、私本当に可愛いくなるのでしょうか?」
「ああ、なるよ絶対に、俺が保証する。だって、前髪上げてるだけだ可愛いんだもん。ほら、凄くドキドキしてきたよ」
「...ううう」
俺は美音の手を取り、本当にドキドキしてるのかと確認させるために、自分の胸に置いた。
美音も、俺の心拍を感じで恥ずかしくなり俯いてしまった。
「行こうか」
「...ひゃい」
俺たちは美容院に向かう途中、色々と話をした。
「夏休みとか何か予定あるの?」
「えっと...と、特には、あーちゃんと遊ぶぐらいしか...」
「へぇー、家にも上がってきても良いよ?外ばっか遊んでいると暑いでしょ?」
「...で、でも、他の先輩にも迷惑かけちゃいます」
「あー、知っているんだ」
どうやら、愛香は美音に楓達と一緒に住んでいる事を話していたらしい。
「みんな、面白い人だよ?」
「...わ、分かりました。こ、今度行きます」
「おう!」
話している内に、目的の場所に着いた。
美音は思ったよりも、陽キャが良く行く場所みたいな見た目でソワソワとしていた。
「じゃ、行こうか」
「...は、ひゃい」
「いらっしゃいませ」
女性店員がこちらに近づいてきた。
「すみません、今日はこの子が髪を切りたく、ここがおすすめと紹介されまして」
「あ、そうなんですね。かしこまりました。ちなみに、誰かのご紹介でしょうか?」
「あー、えっとこれです」
俺はポケットから、先程七海からもらったポイントカードを見せた。
「あ!七海さんからですね!」
「良く来るのですか?」
「そうですね。ここの常連客ですね、最近では良く来るようになりましたが...ふーん、もしかして、貴方が...」
「ん?」
「いえ、何でもありません。では、こちらにどうぞ」
女の店員は、美音を案内したのだ。




