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44話 タラシとお節介

「ちー君!やっと帰ってきた!」


「悪い悪い」


 俺たちは、教室に入ると4人は常に帰っていたのだ。愛香と楓と七海は同じ場所に座り、灯里は別の場所で昼飯を食べていた。


「お兄ちゃんとみーちゃん、どこ行ってたの?」


「これ買いに行ってた」


 俺は持っている飲み物を、愛香達に見せた。


...あ、潤に礼の為の飲み物買うの忘れたわ..まぁいいや、今度で


「もうすぐ昼休み終わるから、私達に戻ってるね。行こう...みーちゃん?」


愛香が呼びかけても、美音は返事を返さなかった。

ツンツンと肩を突いたらやっと呼ばれている事に気付いた。


「ひゃ?!...あ、あ、あーちゃん。ど、どうしたの?」


「...うーん?」


美音の耳が真っ赤に、なっている事に気付いて愛香は俺の方をジト目で見た。


「ねぇ、兄さん。みーちゃんに変な事言った?」


「へ?俺何も言って無いぞ?」


「ふーん、みーちゃん何もされてない?大丈夫だった?」


おい!俺を襲う魔みたいな言い方するな!


「い、いえ...わ、私はな、何も...ボッ!」


 千秋に言われた言葉を思い出し、爆発したか様に顔が赤く染め上げられたのだ。

愛香と後ろの2人は、何か言われたなっと確信をついたのだった。美音の照れぐらいに、何を言ったのかと俺の方を見つめていた。


(((あの天然タラシ、一体何を言ったんだ?)))


「ん?な、なんだよ。お前ら、何か視線が痛いぞ?」


「「「別にー」」」


ピンポーンパーポン


「あ、やばい。みーちゃん行こう」


「う、うん」


 2人は飛び出すように、教室を出て自分のクラスに戻って行ったのだ。


☆☆☆☆☆


放課後の時間になり、生徒達が次々と帰って行く。

俺はあれからずっと、考えごとをしていた。


うーん、やっぱり気になるな〜お節介と言われるかも知れないけど、いじめを受けていると聞いたら、流石に何かしてやりたい。

 しかも、愛香の友達で俺の知り合いでもある、助けたい気持ちが強くなってきてるのだ。


「うーん、七海お願いがある」


「んー?」


「良い美容院知らないか?」


「は?お洒落でもするのか?」


「...まぁ、そんな感じ」


事情を話そうと思ったが、流石にいじめの関する話しなので、相手からのプライバシーを守って、話を逸らした。


「んー、じゃ、ここは?」


 七海はスマホに自分の行きつけの美容院を調べて、そのリンクを俺に送った。


「お、サンキューな。」


「お礼しなさいよ」


「分かったよ。今度どこか遊びに行こうな、奢るからよ」


「ふん、」


「今日は、楓達と先に帰ってきて、俺は用事が出来たから」


「分かった、3人に伝えるよ」


「すまんな」


「あ、これ渡すよ」


七海は財布から紙を出して、俺に投げて渡した。


「何これ?」


「どうせ、行くなら私のポイントカード貯めてきてよ」


「あー、」


 俺は立ち上がり、教室から出て行こうと思ったが、急に立ち止まった。

そして、教室の中へと振り返り、潤の方を見た。


「潤、部活前なのに、悪いがまた付き合ってくれないか?」


「別に構わないぞ。また、後輩の教室に行くのか?」


「ああ、そうなんだ」


「よし!行こうか」


 潤は机の上にある荷物を、バックの中に詰め込んで俺の所に小走りでやってきた。


「あれ?兄さん?どうしたの?」」


俺たちは、教室に入ると近くには愛香と美音と何人かの友達が一緒に話していた。


「愛香、今日用事あるのか?」


「いや、このまま家に帰る予定だよ?」


このまま帰るのなら、美音と遊ぶ予定は無いんだね。

 もしかしたら、遊ぶ予定があると思い俺はどう回しで聞いたのだ。


「すまんが、七海達にも伝えたが、今日は用事が出来たから一緒に帰れないんだ」


「うん、わかった」


「じゃ、」


俺は美音の所に向かって行き、頭に手をポンっと置いた。


「...はぇ?」


「みーちゃん、今日デートしないか?」


「え?」


「え?」


楓と潤は目の前で、俺ごデートに誘っている事に驚いていた。

 周りも、ざわざわと騒ぎだしたのだ。


「え?!!ど、ど、どういう事ですか?!!」


「ダメかな?もしかして、用事あったりする?」


「で、で、でも〜」


 美音は、チラチラと愛香の方を見た。愛香は何が起こっているのかとわからなかったが、美音の視線に気づきグッドサインを送っていた。


「わ、分かりました...」


「やったー」



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