40話 体育祭と彼女達の想い
「ふぅー」
「千秋、良くやった!!」
「グヘッ!」
潤が飛び込む様に、抱きついてきた。その勢いで俺は膨大に後ろに倒れ込んだのだ。
「いてーよ」
「ごめんごめん、つい嬉しさに」
潤が離れても、俺は立ち上がろうと出来なかった。
相当足にきてたらしく、楽な体勢になった瞬間ガクガクに震え上がった。
「あー、タスケテー」
助けを求めようと、灯里達と目が合うと、3人は慌てたように目を逸らしたのだ。
あれ?なんで...
ともチラチラと俺を見ては逸らすという事を繰り返す、意味の分からない行動を取っていた。
その目はどこか潤んでおり、耳まで真っ赤な灯里と楓と七海がいた。
愛香〜、助けてくれ〜
かくなる上は、この場に居ない愛香に助けを求めたが、当たり前だが現れたらはしなかったのだ。
委員長の場合〜〜〜〜
なんで?彼は喧嘩してきたのよ?普通は怒る所なのに...
何でこんなに胸が苦しいの?
分からない、痛い。
最近、彼の事が気になって気がする。
なんでだろう?前まではダラシなく嫌いだったのに...どこで私は彼に惹かれたのだろう?
今日は彼と、デート!すごく楽しみ...
制服のままでも良いけど。やっぱり、私服が1番だよね?
「―――― ずっと、一緒にいような」
え?彼は今何て言ったの?
なんで、そんな事簡単に言っちゃうのよ、ああ。ダメだ彼の事が大好きすぎるよ〜
★☆☆☆☆
男らしい表情で、一着でゴールテープを切って見せた。
あぁ、ダメだよ〜、絶対に彼の顔を見れない。彼から顔を逸らして、カッコよすぎる...
――――やば...私、どうしちゃったんだろう。
幼馴染の場合〜〜〜〜
昔から、彼の事が大好きなの...
いつかは、覚えてない...気付いたら好きになってた。
自覚し始めたのは、小学生の頃だと思うな...
「――――もう一つはちー君のお嫁さんになる。忘れないでね!」
ううぅ、何であの時あんな事言っちゃったんだろう?
彼、多分忘れてるよね?
正直、覚えてくれると嬉しいな...
☆★☆☆☆
いつも優しい彼が強引な態度...女性を引っ張っていく頼もしい男の姿。
繋がれた手だけは離さないようにと必死になるが、体に力が入らない。このまま、ずっと離したくない...
彼と目が合った瞬間に大爆発。嘘でも何でもなく、ドクンッと胸が高鳴りをした。
――――あぁ、私もう死にそう...
こ、これは苦しいかも...好きになりすぎると、苦しくなるんだ。
彼の事が大好きすぎるよー...キュン死しちゃうよー、
妹の場合〜〜〜
うーん、私はいつから兄としてではなく、男として好きになったんだろ?最初は、新しい家族が出来ると聞いて凄く怖かった。
怖い人とかだったら、どうしようと悩んでいたなを。
初めてからと対面した時は、怖かった。鋭い目つきにヤンチャそうな雰囲気だった。
でも、日々日々に接して行くと物凄く優しい兄だったな。
多分最初は兄としてだった...自覚を持ったのは、あの時間が起きてから、私は好きになっちゃったんだろうな。
「俺と結婚しないか?」
?!!ううぅ、お兄ちゃんの馬鹿!!心臓に悪いよ...
でも、冗談でも物凄く嬉しかったな..
☆☆★☆☆
やばいやばいやばい!お兄ちゃんが馬鹿かっこよ過ぎるよ!
400メートルだよ?!最初から全力疾走した時は心配しちゃったよ!もう、1位の人を抜かさないなっとみんな飽きらめかけていたのに...抜かしちゃったよ!
あれは...反則過ぎる...彼に飲み込まれそうだよ..ううぅ、大好き!
ギャルの場合〜〜〜〜
目の前で私を助けに来た時は、身体中に電気が走った様に、一目惚れした。想いは日に日に強くなっているようだったな。
ああ、本当に私らしくない...嫉妬?彼が他の女と一緒に住んでると聞いた瞬間、物凄く焦った。
本当に彼の事が、好きだからあんな事が言えたのかな?
「んー、何だろう。なんか、やだ」
へぇ〜、他のやつに見られたく無いんだ。嫉妬してくれるって事は少しでも、私の方を想っているのかな?
☆☆☆★☆
私が思ってたより、彼のことが好きになっちゃったんだろうね。
彼がトラックに入ってから、一点ばかり見つめてしまった。
楓と灯里の応援するべきなのに、彼が私を離してくれなかった。
そして、最後一着でゴールした彼から目が離せなかった。
やば...あれはずるいって、どんだけ私に惚れさせるの?
ここまで他人に興味を持った事などない。特に男は性欲の塊のゴミしか思っていなかった。この私が1人の男に惚れるなんて...




