表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/112

4話 妹と委員長

「あの〜千秋さんは何処に?」


朝目覚めると、千秋の姿が居なかった。

毎日の様に遅刻する彼が、こんな朝5時に何処に向かって行ったのか気になったのだ。

先に起きて朝食の準備をして居た、愛香に聞いた。


「ふぁ〜、お兄ちゃんなら、ジョギングしに行ったよ〜」


まだ、眠いのか少し寝惚けた感じで答えた。

ここで、灯里は愛香の可愛いらしい部分に気付いた。

学校では、ずっと兄さんと呼んで居たが、昨夜からお兄ちゃんと呼ぶ程、裏では自分の兄を甘えて居た。


(ん?ジョギング?)


「千秋さんは、毎朝ジョギングを?」


「うん、お兄ちゃん雨の日以外は殆ど朝早く起きてジョギングとか筋トレするよ」


「...こんな、早く起きて何故遅刻をするのでしょうか?」


「それは、二度寝したりするからだよ」


「えーー」


まさか、毎回遅刻してる理由が二度寝だった事が分かって、朝早く起きれるのに二度寝してしまうの千秋に少し呆れてしまって居た。


「灯里先輩は、いつも何時に登校してるの?」


「私は7時半に教室に入ってるよ」


「え、早いですね」


生徒が多く登校する時間帯は8時10分からだ、灯里は毎回40前近くに学校に登校して掃除や復習などをしていたのだ。


「あの〜、今日私と一緒に登校しません?」


「良いですよ。断る理由がありませんから」


「やったー、」


愛香は白い歯を見せて笑い喜んでいた。どうやら、愛香先輩の事が前々から話したかったが、先輩の教室だったので、近づけなかったのだ。

一緒に登校出来たことに、本当に嬉しそうだった。


「そう言えば、楓さんはもう自分の家に帰ったのですか?」


楓の姿が先から見えなく、帰ったと思っていた。


「楓なら、まだ寝てるよ」


「そう言えば、楓さんは何処で寝て居たのですか?愛香さんの部屋ですか?」


3部屋しかなく、灯里は千秋の部屋、千秋は親の部屋、愛香は自分の部屋で寝ており、もしかして愛香と一緒に寝てたと予想して居た。


「んん、お兄ちゃんと一緒に寝てるよ」


「...え?!」


まさかの、千秋と一緒のベッドで寝て居た事に驚きを隠せなかった。


「あの2人って付き合ってないんじゃ...」


「今は()()付き合ってないね。まぁ、いつもの事だからね、私だってお兄ちゃんと一緒に寝るよ?」


「まぁ、愛香さんは兄妹だし普通だと思うですけど、楓さんは...血の繋がって居ない..その〜何か誤解が..」


血の繋がって居ない男女が同じベッドに、寝て居ると何か起こってしまうのかとソワソワと顔を赤くして居た。


「え、なら私も血繋がってないよ?義理の妹だし」


「え、そうだったんですか?!」


「うん、私達は母親が違うから血何て一切繋がってないよ。だから、結婚も出来る!」


義理の妹なので、結婚が出来ると嬉しそうに発言した。

それが、最初は冗談だと思っていたのだ。


「そろそろ、お兄ちゃんが帰って来るから、朝食の準備しないと」


「楓さんは起こした方が良いのでしょうか?」


「起きるのかな〜?一応起こしといて」


「はい」


灯里は、楓を起こしに向かっていった。

愛香は朝食の準備に取り掛かろうとした瞬間に、楓のあの事を伝え忘れてしまった。


「やばい...まぁ、いっか」


何とかなると、そのまま朝食の準備をした。

灯里はトントンとドアを優しく叩いて、ゆっくりと部屋に入った。

真ん中には1つのキングサイズのベッドがあり、そこに楓が布団に丸まって寝て居たのだ。


「楓さん、起きて下さい」


最初は、顔の近くで呼びかけたがなかなか起きなかったので、少し体を揺らした。


「ん〜、」


体を揺らすと、うつ伏せの体勢から横向きの体勢に変わった。

だが、それでも起きなかったので、無理矢理布団を引き離すと


「え?」


「寒〜」


寝惚けながら、布団を手で探していた。

灯里は、楓の状態をみて思わず固まってしまったのだ。

楓はやっと目を覚まし起き上がった。隣を見ると灯里の姿が見えたので


「ん〜?あかりん?あはよう〜」


「...楓さん?その格好って昨日からですか?」


「ん〜?あー、私ねこうじゃないとあまり気持ちよく寝れないの」


「...千秋さんとはお付き合いは?」


「え?!えへへ、()()だよ」


「お付き合いしてないのに...その格好で」


そう、楓の今の状態は裸だったのだ。楓は裸じゃないと気持ちよく寝れないのだ。そんな状態で、千秋と寝ていた事になるのだ。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ