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38話 体育祭と騎馬戦

「七海!頑張れ!!」


「ななみんファイト!!」


「神宮寺さん、頑張って下さい」


「七海先輩ガンバ!」


今は七海の徒競走が始まる。俺たち楓と別の場所で灯里と愛香は応援していた。

 どことなく緊張している様子。見物する男子よりも女子が多いような...


パァン!


今はスタートした。すると、バランスを崩してしまった、転びはしなかったけど、大きく出遅れてしまう。

 俺達は心の中で、頑張れと応援していたが出遅れたせいもあり順位は4位になってしまった。


七海は俯いている状態で戻ってきた。普通にスタートすれば1位が取れたのに、バランスを崩してしまい4位が悔しかった。


「七海、おつかれ。どんまい」


「ちー、すまんね。1位が取れなくて」


「良いよ良いよ。あれはしょうがないよ」


「少し、私休むね」



七海は休むと日陰の方にどこか余所余所しく、向かって行った。

俺は、何か七海に対する違和感を覚えていたのだ。


「うーん、歩き方?あー」


 やっぱりそうか。七海の奴、バランスを崩した時に足を挫いたかもしれない。

 俺たちに変な気を遣わせない様にと迷惑を掛けない様にって考えたのか。正直黙られる方がよっぽど迷惑なんだが。


「おい、七海」


「ん?...きゃ、え?」


七海の膝裏と背中に手を回して、強引にお姫様抱っこをした。七海の事だ、手を貸そうかと聞いても断ったに違いない。


「ちー?!な、何何、ど、どうしたのよ!」


「お姫様だっこだぞ?」


「わ、分かってるよ!そんなんじゃくて!早くおろして」


両手を突っ張り、俺から逃れようとするが俺の力からには逃げれら事なんて不可能だった。悪化されても困るので、ここは強引にでも連れて行かなければならない。

 湯気が出そうなほどに真っ赤になった七海に、ちょっと強めに言い聞かせた。


「良いから、足を挫いちゃったんだろ?少しだけ我慢しとけ」


「ほ、他のやつらが見てるよ...」


「そんなの知らない、俺は悪化された方が困る。足酷くなったら一緒に外歩けなくなるんだぞ?」


「...」


やっと落ち着いたと思ったら黙ってしまった。

だが、顔はリンゴ並みの真っ赤だった。


「なぁ、わたし臭くないか?」


「ん?」


走った後だから、汗とか匂いを気にしていた。

クンクンと俺は嗅いだ。


「全然、むしろ良い匂いだぞ?俺は七海の匂いが好きだ」


「嗅ぐな!馬鹿!」


俺の頭を痛めない様に軽くコツンとゲンコツされた。


「イテ、なんで...嗅げって言ってたのにー」


「言ってない!」


そして、俺は保健室まで七海を連れて行った。


「じゃ、俺戻るからな」


「うん、ありがとな」


「おう!」


七海は1組に戻る千秋の背中を見て、自分の胸を抑えて呟いた。


「...バカ」


☆☆☆☆☆


『騎乗して下さい』


「よぉし!千秋、バンバンいくぞ!」


「へいへい」


潤は、俺と2人の生徒の上に騎乗した。

俺達は大将馬にあたる。大将馬はその名の通り、各クラスに一騎ある将の騎馬。配点が高い騎馬だ。


「みんなで全ての騎馬を崩すぞ!」


「「「「うおおおおお!!」」」」


「潤、作戦は?」


「猪突猛進だ!!」


『位置について下さい...騎馬戦、開戦致します。」


 開始の宣言が言い渡されたと同時に、全ての騎乗は前へと走り出した。


☆☆☆☆☆


『3組騎馬、全滅を確認!』


「千秋!右行くぞ!」


「おっけー」


『2組騎馬の全滅を確認致しました。残るは1と5の大将馬の一対一だぁ!!』


ドン!


「ひっししし、くたばれ」


 思いっきり此方に向かって来たと思ったら、俺にドロップキック並みに蹴りが膝に飛んできた。あまりにも、素早い出来事だったのであまりの人達は、足が当たったぐらいだった。

どうやら、相手は俺に恨みがあるらしい。

 俺はこいつの顔を見ても見覚えないが、正直めんどくさいなぁ


「...おい、なんだこれ?」


「...死ねよ!」


「おい!ふざけんな、それは反則だろ!」


潤が俺の脛を思いっきり蹴ったことに、見てしまって注意した。

 速く終わらせようと潤は相手の鉢巻を取ろうとしたが、すぐに避けられてしまった。


「千秋、大丈夫か?!」


「あ?全然大丈夫だ、前に進むぞ」


「...お前、ちょっと怒ってる?」


「ははは、まさか!」


 お互い近づいて行った、相手の奴がまた俺の足を蹴ろうと片足を上げた瞬間、奴の足を周りに見えないぐらいのスピードで崩した。


「はい、終わり」


『5組の大将馬がいきなり崩れました!!よぉって、優勝は1組だ!!」


俺は、悔しそうに倒れてるそいつを見下してる感じで見た。


「やるなら、徹底的にやれよ。しょぼいんだよ、」


 そして、俺は背を向けて自分のクラスに戻って行った。



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