33話 体育祭と準備
「再来週から、体育祭があるので、それに向けて色々決めないと行けません」
期末試験が終わり、夏休みまでにある大きなイベントの一つ、クラス対抗の体育祭ある。
学級委員長でもある、灯里が進行を任された。
「静かにしてください。体育祭の打ち合わせをするから席について下さい」
教壇に立ち、体育祭の打ち合わせを進行しようとする委員長の成瀬灯里。
流石、学校の人気者の美少女。騒がしかった教室内は一瞬で静まり返り、灯里の方を注目し始めた。
手元の資料を読みながら説明した。
「まずですね...一人、二種目以上の競技に参加してもらいます。全員参加の競技は男性は騎馬戦、女性は応援ダンスです。あと男女全員リレーがあり...――――」
会議は進んで行った。
潤やクラスのお調子者男子が場を盛り上げていて、女子生徒がそれに対して笑い声を弾かせる。
このクラスの男子生徒と女子生徒が仲の良いクラスと言うのは、高校生ともなるとありそうで中々ないものと感じた。
このクラスは他のクラスと見比べると仲良しクラスだと思う。そしてそれを作り上げた潤には感謝しかないな。
まぁ、俺は嫌われてるけどね。
出場する種目が次々と決められ、残すは一つです。
「これで最後です。最強リレーの選手を決めます」
男女4人ずつの計8人で構成される最強リレー。
名前の通り、全員参加の全員リレーとは違い、各クラス1番速い生徒による頂上決戦。
体育祭の締めを飾るメインでもあるので、配分される点数も高いのだ。
「こればかりは実力重視です。もし、嫌なら断っても大丈夫ですよ」
灯里は女子と男子の体育の成績を確認する事になった。男子と女子に別れ、体育などで計測したタイムから1番速い選手を選出していく。
「男性の当確は、潤さん..林田さんに、霧隼さん..そして、ちa...早乙女さんですね。4人は大丈夫ですか?」
俺は灯里の問いにOKサインをし、他3人はやる気に満ちていた。
「女性は、私、早川さんに、楓さん、そして、速中さんです」
女子の、最強リレーの選手も決まったようだ。
初めて聞いたけど、林田、霧隼、早川、速中の名前を書いていると、はやはやで速そうな名前だったので期待が出来る。
「...」
「...はい?何でしょうか、神宮寺さん?...あ!なるほど、どうぞ」
「ありがとう」
七海が立ち上がったと思ったら潤の所に向かい、潤を無言で睨みつけて、なにを伝えたいのか潤は察して椅子から立ち上がり、七海は潤の椅子を俺と楓の間に移動して座った。
「どうしたの?」
「暇なのよ。それより、2人は速いんだね」
「私は、たまにちー君の朝のジョギングに付き合ってるからかもね。それの、お陰で速くなったみたいな?」
「灯里もそうだけど、2人とも頑張ってね。必ず一位を取ってきてね!」
「うん!」
「当たり前だ」
パチン!
体育祭の為のクラスの会談が終わったと同時に、潤が強く手を叩いた。大きな音にみんなは潤の方を見た。
「みんなぁ!!優勝だぁぁぁ!!」
「「「「「「「うおおおおおぉぉぉぉ!!!!」」」」」」
潤のエールで、クラスのみんなは一致団結になり、普段大人しい人達でも声を上げる男子に、それを見て笑っている女子。
「増田が居れば優勝間違いなしだな!」
「それな!」
「本当に優勝しちゃうかもな」
次々とクラスメイトは、勝てるかもしれないと言葉を漏らしていたのだ。




