29話 ギャルと放課後デート
今日は、テスト返しだ。松浦先生が生徒のテストを返却している。俺の名前を呼ばれ、4教科のテストを渡された。
あれ程、勉強したんだ順位は10位以内に...って、漫画みたいな展開にはならないよ。いくら、あんなに勉強をしても元が馬鹿なので、昔から勉強してる奴と最近勉強し始めた奴の点数の差は大きい。
「...まぁ、現実はそんな甘く行かないか...だが」
俺は4教科のテストを見渡した。英語は62点、現代文は56点、科学は43点、数学は52点だった。赤点は30点以下なので、今回は全て赤点回避をした。
後から松浦に聞いたら、俺の学年順位は何とギリギリ100以内に入っていて、98位だった。その時は、大喜びしたものだ。
単純に、考えると俺より100人以上は馬鹿が存在すると。
「ちー、行こう」
「おう、」
ボウリングの罰ゲームの約束通り、今日の放課後は七海と2人きりで何処か遊ぶ予定だ。
「何処行こっか?」
「う〜ん、ちーは何処がいい?」
俺は七海が楽しめそうな場所を考えた。
「ショッピングモール行こうか?」
「分かった」
2人は、仲良くショッピングを楽しんでいた。
「どう?」
七海は似合う服を選び、試着室で着替えて俺に見せてきた。
へそだしキャミソールに、ダメージジーンズを着ていた。
「めっちゃ似合うじゃん...でも、ちょっと露出すぎないか?」
「うーん、そうか?私は気にしないけどな...」
「んー、何だろう。なんか、やだ」
俺は、七海の今の服装を他の奴らから見られるのは、少し抵抗があった。
「...ふーん、分かった」
俺に否定されて落ち込むと思ったが、何故か物凄く嬉しそうな表情になっていた。
「じゃ、もう少し大人しめの服にするか」
「いや、別に家用だったら、いいと思うよ?」
「...何だ気に入ったのか?」
「...さぁ」
七海はニヤリと笑った。
七海の問いに俺は目線を晒した
「その服は七海にとって似合っているのは確かなんだけど、でもなんか他の奴に見られたくないんだよな」
「...そそそうか、なら次探そうか」
「?」
七海は暑くなったのか、赤くなった顔をパタパタと手で仰いでいた。
結局、その後先ほどの服に加えて数着購入した。一旦洋服を見る時間は終わり、ゆっくりと辺りを散策するとある店が目に入った。
「なぁ、七海。あれ、食わないか?」
俺が示した方向は、クレープ屋さんだった。
俺は、イチゴのクレープとバナナチョコクレープを買った。
「やっぱり、美味いな」
「ちー、こっち食うか?」
「うん」
俺は、七海から差し出されたバナナチョコクレープをパクリと食べた。
すると、クリームがほっぺについてしまって七海に笑われてしまった。
「あはは、子供かよ」
七海は、俺のほっぺについたクリームを親指で拭き取り、ペロッと舐めたのだ。
その光景に俺は見惚れてしまった。
「...」
「...ん?どうした?」
「いや、なんでもない...」
俺たちは、2つのクレープを食べ終えて。
そのまま家に帰ろうと立ち上がったのだ。
「ちー、今日は楽しかったぞ!」
「おう、俺も楽しかったよ」




