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25話 応援とやる気

あれから、3日の月日が経った。

4人から勉強を、教わり着々と点数を上げて行った。


「ふー、これで赤点は回避出来そうだな」


休み時間に教室で、机の上に教科書を広げて勉強をしていた。

後ろに居る潤をチラッと見ると、目の前の光景が奇妙なものを見てそうな表情になっていた。

あまりにも、信じ難い光景で目を何回も擦っていた。


 何故こんなに勉強をして居るのかと言うと、後に灯里が言っていたが、2年生の期末からは赤点を取った者は、夏休み中でも学校に行く羽目になる。

そうなると、俺の満喫した夏休みライフが台無しになったまう。


「ん?」


すると、学校ではあまり話さない様にしていた灯里がチラッとノートを見て。俺が書きていたノートに目線を合わせないで無言でも指をさした。

俺は指した文を読むと書き間違いしていた。


感謝をする為灯里の方を見ると、口を動かしていた。

それを読み取ると、ガ・ン・バ・レと言っていた。

その応援に俺はやる気が出てきた。


予鈴が鳴っても黙々と勉強を続けた。

教師も俺が勉強をしてる事に驚いていたが、すぐにウンウンと、頷いて感心していた。

教師がこちらに近づいてきた。


「早乙女、勉強は良い事だ。だが、今は数学の時間だ。せめて、数学の勉強をしろ」


俺が机の上に開いていたのは、化学の教科書だったのだ。


☆☆☆☆☆


ずっと、勉強をしていた為頭がパンクしそうだった。

すると、七海が目の前に缶コーヒーを置いたのだ。


「褒美だお疲れさん」


「お?良いのか、サンキュー」


俺は缶コーヒーを開けてゴクッと一飲みをした。

流石だカフェインだ。勉強のしすぎで眠気が襲ったが少しマシになった。


「どうだ?英語は」


「ボチボチだな」


「分からない所があったら、すぐに教えろよ?」


「感謝するよ」


七海はあまりじゃまをしない様に話をすぐに終えて、自分の席に着席した。


ピロン


5分後ぐらいに、メールが届いた通知音がしたのだ。

スマホを見ると愛香からだった。


愛< お兄ちゃん頑張ってるから、今日の夕食はお兄ちゃんの好物のハンバーグだよ。

千< やったー、それは嬉しいな...

愛< それに、もし100位以内に入ったら私からのご褒美あるかね!千< じゃ、頑張らないとね


俺はスマホをしまって、再びシャーペンを持った。


...ん?ご褒美だと!


見間違いじゃないのかと、今の愛香との会話内容を見直した。


ご褒美だと?!うおおおお!!燃え上がってきた!


愛香からのご褒美という言葉に、千秋の心に見えない緩んだハチマキを強く結び始めた感覚があったのだ。

開始の予鈴が鳴っても、その音に気付かない程集中していたのだ。


「――ちー君。ちー君、んー、えいっ!」


「?!!」


俺の背中に、楓の大きな柔らかい物の感触があったのだ。

すると、ぎゅーっと強く抱きしめられたせいで、柔らかいものが...


「か、楓?あ、当たってるよ?」


「んー?何が?」


「...む、胸だよ!」


「へっ?!」


楓は顔を真っ赤にしたが、それでも離れたりはしなかった。


「が、が頑張ってる。ごごごご褒美だよ!!さ、サービス!」


ものすごく恥ずかしながら、動揺していた。


☆☆☆☆☆


「千秋君?少し眠いですか?」


あの後、家に帰り夕食をとった後に再び勉強会が始まった。

 どうやら俺が、フリコの様に俺の頭がコクコクと上げ下げしていたのだ。


「...だいじょうぶ...まだ..行ける..」


意識が朦朧していたが、それでも俺はペンを持ち続け文字を書いたのだ。真っ直ぐ書けて居るのか自分でもわからなかった。

 すると、楓が俺の頭に手を回して自分の太ももに押し付けたのだ。いわゆる、膝枕って奴だ。

俺の頭を優しく撫でて意識が途切れた様に眠りについたのだ。


「お疲れ様、ちー君」


「ちーも、やれば出来る男だな。ますます、惚れちまったな」


「最近の千秋君は、本当に頑張ってます。こっちの千秋君が好きです」


「お兄ちゃん、ずっと勉強してたからね。少しは休んで貰わないと、体が心配だよ。」


4人は千秋の寝顔を見つめていた。


「ちー君」「千秋君」「お兄ちゃん」「ちー」


「「「「おやすみ[なさい]」」」」


 俺は夜2時ぐらいに目を覚ますと4人に囲まらながらみんな眠ていた光景を見た。

 部屋から、掛け布団を取り出し4人にかけてから、自分の部屋に戻って再び眠りについたのだ。




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