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24話 4教科と馬鹿

 期末試験に向けて、4人からそれぞれの得意分野を教わって居る。

灯里は数学、楓は現代文、愛香は化学、七海は英語だ。

まずは、灯里から数学を教わって居る。


「点Pが、Aから移動してからx秒後の△APDの面積をy cm²とするとき、yはxの変化に伴ってどう変化するのかの所ですが、問題のポイントは、三角形の高さだけが変化している事なのですよ」


「ん?日本語喋ってくれない?」


「日本語何ですが...」


あれ程説明したのに、全然理解してない千秋にジト目で見つめられた。


「ーーーだから、APDの底辺ADは固定ですよね?なので、AとDは動かないのです。点Pの移動によって高さだけ変わっていくので..」


 自分勝手な、点Pに対してイラついて、教科書を床に叩きつけた。


「点P動くんじゃねぇ!!!」


「私に言わないで下さい...」


☆☆☆☆☆


1時間後交代で楓がやってきた、楓の手には現代文の教科書を持っていた。

雰囲気を出す為にメガネを装着していた。


「これ、どう言う意味?」


「んーっとね、これはね夏○漱石さんの心境を述べよって所ね」


「俺夏○漱石じゃないから、分からないんだけど...」


「んー、こう言う作者の心境を述べよって問題は、実際は出題者が作成したものだからね。だから、作者ではなく出題者の心境を考えた方が分かりやすいよ」


「これはテメェの物語だから、突き進むべし!」


「うん、意味も分からないし。それに、それちー君の心境でしょ?」


俺がふざけた事を言っても嫌な顔をせずに、ちゃんと笑顔で接してくれた事に罪悪感を抱いて真面目に取り組んだ。


「じゃー、夏だからめちゃくちゃ暑いって事か?」


「...そんな問題あった?」


「え?ほら、おう なつだぜって」


俺は今読んでる教科者を見せた。


「うん、それ作品と作者が違うね。それに、その教科書中学のものじゃない?」


「...え?」


☆☆☆☆☆


1時間後次は愛香が部屋にやって来た。雰囲気を出す為に白衣を着ていた。


あんな服持ってたっけ?


 だが、我ながら情けない。兄である2年生の俺に妹である1年生の愛香から勉強を教わるとわ...


「まずは物理化学、無機・分析化学、有機化学、生命化学のどれから教わりたい?」


「...」


今の魔法の呪文か?


「...物理で」


「オッケー、物理だったらここからね」


 愛香はテストの範囲の紙を見ながら、俺の教科書をパラパラと開いた。


「はい、まずはこれを解いてね。お兄ちゃん」


愛香が指をさした問題を見つめて、読み上げた。


「えっと、問題1、反応において、成分 i の量論係数をni、化学ポテンシャルを μi とする時、 次のうち反応ギブズエネ....い記述はどれか?知らねーよ」


「真面目にやって」


「...はい」


「ごめん、じゃー次はもっと簡単な問題を出すよ。これこれ氷から水への変化はどれか?はい、何でしょう」


「水から氷?熱じゃね?」


「それはどうやって溶かすかでしょ?これは変化を聞いてるの、まぁ答えは融解ね。次は混合物ではないものは、次のうちどれか?」


 次は選択問題だった。

俺は1から5の答えを見て、どれか正解なのか探した。

だが、そもそも


「てか、混合物って何?」


「...あれ?可笑しいな。混合物って中学から習うよね?」


☆☆☆☆☆


1時間後次は七海が、入れ替わる様に入ってきた。

面倒くさそうに、アイス棒を食べながら教科書を持った。


「私が読んだ所を声を出して読み上げて。MY NAME IS TAROU,HOW ARE YOU?」


七海の英語の発音が、ネイティブでビックリしてしまった。


「えっと...マイ、ネーム、イズ?たろう、はう、アウゆー」


「...まじか」


七海は、ここまで千秋が英語が酷いとは思って居なく、一筋縄では行かないと思った。


「...じゃ、こんにちはを英語では?」


「シェイシェイ?」


「ぶっ飛ばすわよ。それ中国語だし、それに、意味はありがとうだから」


俺は、知ってる単語を出しただけだった。


「じゃ、ボンジュール?」


「うん、意味は合ってるけど、それはフランス語。馬鹿なの?」


酷い言われ様だ...


 すると、七海は仕方ないなって顔で分かりやすく教える為に隣に密着する形で教えて始めた。


「それでね、ここの――」


やばい、横顔綺麗だし。それに、良い匂いすぎて集中出来ない...


「――があって...おい、聞いてるのか?」


「あ!はい、聞いてます」


 千秋は七海の良い匂いで、全然集中出来なく8割は聞いてなかった。




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