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22話 都合と幸せ

「正直嘘みたいな話だったけど、本当なんだな」


七海は部屋の中を見渡した、中には色んな大きなの下着や服なのだあって、化粧品も沢山置いてあった。

本当に一緒に住んで居るのかとここで確信をついた。


「えっと、私は早乙女愛香です」


「...早乙女?もしかして、妹さんなのか?」


千秋と苗字が一緒だと聞いて、妹がいる事に初めて知った。


「ん、まぁ血は繋がって居ないので()()ですけどね」


何故か愛香は義理の部分を強調して伝えた。

七海が持って来た荷物は、どうも2、3日以上泊まる気満々の荷物の量だった。


「んー、」


俺は部屋割りをどうしようかと考えた、1番広い親の部屋を片付けた。どうせ、あと何ヶ月も帰って来ないので親の私物を全部ダンボールにしまった。


正直いきなり帰った時は、リビングで寝てもらう。父さんは床でも十分だと思って居る。

俺の中での優先順位は、愛香達>お義母>俺>父だった。


そして、部屋割りを決めてこうなった。

千秋の部屋は俺で、親の部屋が灯里と七海、愛香の部屋は愛香と楓になった。

正直、灯里と七海は性格的に心配だったが、案外直ぐに仲良くなったので安心した。


 1番驚いた事は、見た目で判断するなと自分に対して言ったが、七海は家庭的な女性だった。家事と料理も完璧で驚いてしまった。


「んまいな...」


七海が作ったエビチリをパクっと食べて感想を言った。

 愛香の料理は、和食や洋食に対して。七海は中華などの料理が得意だった。

今は料理大会の様なものが始まり、4人が作った料理を食べて審査して居るのだ。


2人はもすぐに仲良くなり、お互い教わりながら料理をしてる風景を見てて微笑んでしまった。

料理が出来ない2人は、後ろで羨ましそうに見て居たのだ。


「...まぁ、別に料理が全てじゃないだよ。ねぇ?」


2人の料理は、一言で表わすと。灯里は、調味料を間違えて変な味になり、酷かったのはどうやってコーラと醤油を間違えたのか本当に聞きたかった。

楓は何故か強火で焼いてしまうし、必要以上に焼き続けるのでダークマターになってしまう。


「千秋さん..そんな、私たちの無理して食べなくて良いですよ」


「うんうん、体壊すよ」


「んー?なんでだよ。折角頑張って作ってくれたからね。残すのが勿体無いよ」


そう言った瞬間、2人の顔は矢で射抜かれた様に飛び跳ね顔がみるみると赤く染め上げたのだ。


「2人とも練習すれば上手になるよ。今度俺が教えるよ」


「千秋さん...」

「ちー君...」


そんな光景を見てた愛香と七海は3人に聞こえない様に会話した。


「ちーっていつもあんな感じなの?」


「お兄ちゃん、心を許した人以外はあんな感じで喋らないよ」


「...それは、良かった。誰にもあんな感じだったら。いつか、刺されるかもしれないな」


「同感だな〜」


 千秋の無自覚天然タラシを見て、2人は少し心配と呆れの感情が混じりあって居たのだ。


「...ねぇ、七海先輩」


「んー?」


「お兄ちゃんの事好き?」


「...は?!なな何言ってんの!」


いきなり愛香が変な事を言い出し、七海は顔を赤くしてプチパニック状態になった。


「...私はお兄ちゃんの事が好きだよ」


「...」


「兄妹としてじゃないよ。1人の男性として私は愛してるの」


「...それって」


「楓、灯里先輩と私である計画があるの」


「計画?」


愛香は、3人の計画を七海に説明しようと決断した。

計画の内容を伝えてたら、七海は少し考えた。


「...何でそれを私に?もしかして..」


「七海先輩なら良いかなって思ったの。最初は好奇心だけだと思ったけど。心からお兄ちゃんの事が愛してるって感じからね」


愛香も同じ気持ちだったので、千秋に対する七海の気持ちもすぐに察したのだ。


「...でも、独り占めしたくないの?」


「...したいよ。それは..でも、それ以上にみんなの関係を壊したくない」


「そう、誰かが不幸になるなら二股された方がいいか...それって、都合のいい女になるだけじゃないの?」


 確かに愛香は、二股や三股と聞くとそう思う人が現れるだろう。女性の想いを利用して私にとって都合のいい状態にするんだけだから。


「でも、分かるの。誰よりも1番一緒に居たからね。お兄ちゃんは絶対に大切にする。都合のいい女だって思わない、何がどうあろうと私達を幸せにする。それが私が惚れたお兄ちゃんだから」


「...ふん、恋は盲目って奴か。良いよ、その提案乗ってあげる。折角愛香達と仲良くなったんだ、私もこの関係を壊すのは嫌だからね」


どうやら、七海は愛香達の計画に参加すると宣言したのだ。

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