20話 サンドイッチと修羅場
「千秋さん、起きてください」
俺はジョギングから帰ってシャワーを終えて、ソファーの上で寝ていた。だが、灯里が出る前に肩を揺らして起こしてきた。
「遅刻しますよ?」
「...する」
「ダメです。ちゃんと朝から学校に来て下さい」
「...はい、」
俺は支度をする為に立ち上がるの、灯里と愛香がもう制服に着替えてるのはいつもの事が、楓まで着替えて居る事に驚いていた。
「...め、珍しいな」
「早起きは三文の徳だよ。私もこれからちゃんと学校に行くと決めたからね」
「...ほーう」
楓は胸を張って言った。さて、それが何日続くか楽しみだなと思ったのだ。
「じゃ、お兄ちゃん、私達先に行くよ」
「ちー君、バイバイ!」
「千秋さん、絶対遅刻しないでくださいね」
「ん、いってら」
俺は手を振って見送った
よしっと、そのまま二度寝しようとしたが、少し考えて学校に行く準備をしたのだ。
☆☆☆☆☆
「お前...やっぱりおかしいよ。これで3日連続だよ?普通に心配になってきた」
潤は心配な眼差しで見つめてきた。
なんで、ちゃんと学校に来てるのに、こんなに心配されるんだよ
っと、心の中で潤にツッコミを入れたが、今は早く寝たいと思ってるので口で言うと面倒なので心の中にしまったのだ。
チラッと灯里の方を見ると視線があって直ぐに逸らされた。
どうやら、ちゃんと遅刻せずに来た事に嬉しそうな表情だったのだ。
「たまたまだろ」
俺はそのまま、椅子に座り眠りについた。
意識が朦朧してる中、教室のドアが開く音がして、周りの生徒がざわざわと騒ぎ出したが、俺はそのまま一眠りした。
☆☆☆☆☆
「おーい、起きろ」
「ん〜」
潤の声で、体を揺らしながら起こしてきた。
俺を目をぱちくりとしながら時計を見ると、昼休み開始まで爆睡していたようだ。
「飯食おうぜ」
「ん、」
俺はまだ眠気があり、目をこすりながら立ち上がって机を並べた。すると、俺の背中を誰かがちょんちょんと突いてきた。
後ろを振り向くとカゴを持った七海が来ていた。
「おー、七海かちゃんと学校に来たんだな。偉いじゃん」
「わ、私を子供扱いするな」
俺は少し寝ぼけていたので、子供の様に頭を撫でてしまった。
七海はいきなりの事に顔を赤らめ始めた。
「どうしたの?」
「いや、そのね。私ちょっと作りすぎちゃってね、これ一緒に食べないか?」
「ん〜?」
見せてくれたのはサンドイッチだった。
カゴに入ってた為手作りの様だ。
「え、良いの?俺弁当あるけど足りないんだよな。サンキューな」
「...勘違いするんじゃねーぞ、ただ作りすぎただけだからな。別にちーの分まで作ったわけじゃないぞ!」
何故か顔を赤らめて言ってきた、周りの生徒がその光景を見るとざわざわと騒ぎ出したのだ。
灯里の方を見ると、何故かこちらを睨み付ける目で見てくるし、楓は唇を尖らせていた。
「ち、千秋?神宮寺さんと知り合いなの?」
すると、潤が驚いて居る表情でビクビクしながら聞いてきた。
七海は周りの視線が、うっとしいと感じたのか俺の手を掴んだ。
「外で食わないか?なんかここだと...」
「ん?別に良いけど」
「ちょ、ちょっと待って!!」
俺は歩き出そうとした瞬間楓が立ち上がった。
「えっと、そのー、ちー君とはどう言う関係なの?!」
「は?何お前に関係あるの?」
七海の鋭い目で見てきたので、少し引き下がったが、我慢してそのまま話を続けた。
「大ありだよ!ちー君とは私と一緒に食べるの!」
「...私から先に誘ったんだけど」
「絶対私が先だもん!私は朝から約束してるの!」
なにやら教室が騒がしくなる。楓と七海が騒ぎ過ぎたせいかとも思ったが、そうではないらしい。
どんどん、空気が重くなって来たのでどうするかと、潤に助けを求める目線を送ったら、知らないフリして外でを見つめていた。
すると、2人はこちらを同時に見てきた
「ちー!」
「ちー君」
「「....どっちと食べるの?!」
あ、これって修羅場ってやつか..




