表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/112

17話 思い出と指輪

「腕大丈夫か?」


「...うん、大丈夫」


 何かあったら心配なので、一応保健室に行った。

腕の方は傷やアザもなく俺は少し安心したのだ。


「千秋、妹さんの看病終わったら職員室に鍵届けてちょうだいね」


「ああ、分かってるって。チルちゃん、サンキューな」


「チル先生と呼びなさい」


「イテ」


持っていた雑誌を丸めて俺の頭を叩いた。

時雨(しぐれ) チル。年齢は20歳前後、この学校の保健室の先生で生徒からには人気だった、特に男子からにはファンクラブがある程人気だ。


モデルの様な整った顔でもし彼女が生徒だったら六大美女とカウントされるに違いない。

何人かの仲が良い生徒は、先生ではなくチルちゃんと愛称で呼ばれているのだ。


「まぁ、鍵のこと忘れないでね」


チルは保健室を後にして、職員室に向かって行ったのだ。

愛香は自分の腕に氷を当てて居る。


「んー、今日の夕食は俺が変わるよ」


「またお兄ちゃんに迷惑かけちゃった。ごめんなさい」


俺に迷惑かけてしまった事に、申し訳なさそうな表情になった。

俺はそっと愛香の頭を子供にやる様に、優しく撫でたのだ。


「別に良いよ。何なら、もっと俺に頼っても良いんだよ?だって、俺は愛香の兄なんだから」


ある程度大丈夫になったので、保健室の鍵を閉め職員室に向かいそのままチルに鍵を渡した。


「お兄ちゃん、買い物しないとね」


「そうだな、結構日が暮れちまったから急足で買わないとな」


どこかの馬鹿なせいで、夕食の時間が迫っていた。

家で待ってる2人の腹を空かせてるのも悪いので、今日は簡単で早く作れる料理の材料を買った。


「あ、ちっ」


「どうしたの、お兄ちゃん?」


「いや、何でもない」


俺は怖顔の集団のスーツを見かけて、違う道を通ったのだ。


「お兄ちゃん、そこ遠回りだよ?」


「良いよ良いよ、久しぶりにこの道通ってみたかったんだよ」


 俺たちは歩いて5分、懐かしな場所を、見つけた。


「あ、ここ懐かしいね」


 小学生の時俺と楓と愛香の3人でよく通っていた駄菓子屋の所を通った。

中に入ると、何年前の間取りと殆ど変わって居なかったのだ。


「愛香、このお菓子好きだったよな」


俺が示した所はアイスコーナーの所だった。

俺はバリバリ君を2つ取り、お婆ちゃんにお金を支払った。


「ほら、久しぶりに一緒に食おうぜ」


一つ愛香にバリバリ君を受け渡した。

駄菓子屋の外にあるベンチに、座りお互いアイスを喋りながら食べた。


「よく、ここでお兄ちゃんと楓と私の3人で座って食べてたよね」


「だな〜、今思い返せば俺ら3人ずっと居るよな」


「嫌なの?」


愛香はニヤニヤと冗談で聞いてきた。そんな、問いに俺は笑顔で答えた。


「まさか、ずっと一緒に居たいって思うほど好きだぞお前らの事が」


「ふーん、それがラブとしてなら嬉しかったな...」


「ん?何か言ったか?」


「何でもない」


最後らへん小声で喋っていたせいか、千秋は何を言っていたのか聞こえなかったのだ。

アイスを食べ終わり、後ろを一応見たら


「うお!まじか、当たりだ!ラッキー」


「おー、お兄ちゃん、おめでとう!」


棒に当たりの文字が刻まれていて、俺は嬉しそうにはしゃぎ、交換する為再び駄菓子屋の中に入って行った。

交換するだけなのに、やたら遅いと愛香が待ってると、やっと出てきたと思ったらカニ歩きみたいに後ろに隠してるものを見せない様に近づいてきた。


「何してるの?」


「...愛香」


「はい」


何故か千秋は真剣な顔で自分の名を呼んだ、すると目の前で片膝をついて後ろに隠していたのものを差し出した。


「俺と結婚しないか?」


「...?!!」


すると、千秋が愛香の薬指に本物の様なおもちゃの結婚指輪を嵌めたのだ。


「にっしし、良く子供の時これで結婚ごっこしてたよな〜...愛香?」


「はひぃ?!」


何故が愛香は、普段冷静なのに今は顔が真っ赤になりパニック状態になっていた。

少し時間が経つとやっと落ち着いた状態になり、今の行為は千秋の冗談だとわかって、少し落ち込んでしまっていた。


「お、お兄ちゃん。いきなりは辞めて。心臓に悪いから」


「はい...」


そんなに、俺のプロポーズ嫌だったか?


自分のプロポーズが、心臓に悪いと言われ少しショックでしょんぼりと元気を失った。


「さて、そろそろ帰ろ。楓も灯里先輩待たせるのも悪いしね」


「そうだな。」


俺たちは立ち上がり、荷物を持った。

すると、愛香は嬉しそうな表情でさっき俺がはめた指輪をこちらに見せた。


「これありがとうね。絶対に大事にする」


歯を見せる様に、ニカッと笑った。

その仕草が千秋の心臓をドキッとさせたのだ。


「...おう、」


夕焼けの中、2人は肩を並べて我が家に帰って行ったのだ。

愛香は気に入ったのかずっと自分の薬指を見つめていた。


「...次は本物、待ってるからね」


千秋が聞こえない様に、小声で呟いたのだ。

時雨チルは、今の所ヒロインにさせる気は無いです。

コメントで思ったより、ヒロインにして下さいと声があったら考えます!!


これからも、学校ハーレム生活をよろしくお願いします。

もし、良ければ。ブクマとかお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 個人的には時雨チルをヒロインにして欲しいです!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ