10話 バイトとカフェ
今日のメインは委員長です。
そして、誤字報告ありがとうございます!
「千秋さん、何か良いバイト先知りませんか?」
「え?」
俺はソファーの上で、録画していたバラエティを見ながらくつろいで居ると、灯里がバイト先を聞いて来た。
どうやら、何もしないで居候するのも嫌気をさして、食材費なども払うと言った。
「前に千秋君バイトしてるって言ってましたが、何のバイトをしてるのですか?」
「俺のは、単発バイトなんだよ。それに、引っ越し作業だから灯里にはキツいぞ?」
「そうですか...」
「なら、楓から紹介して貰えば?」
「楓さん、バイトしてるのですか?!」
ずっと、寝ているばっかの楓がバイトしてた事に、少し驚いていた。
「うん、カフェの店員だっけ?確かバイト募集中って言ってたから今から楓に聞いてよ」
「分かりました」
灯里は、千秋の部屋でくつろいで居る楓の所に向かった。
部屋に入ると、千秋が揃えている某海賊の漫画を読んでいた。
「楓さん」
「ん〜?どうしたの、あかりん。」
「あの〜、私バイトがしたくて」
「え!うちの所来る?」
「良いですか?」
「全然良いよ〜、ちょうど募集中だったし。店長優しいよ」
☆☆☆☆☆
次の日、放課後に楓のバイト先に楓と2人で向かった。
バイト先に着くと、見た目はインテリア系で店の名前が【フォレストカフェ】。
中に入ると、カウンターにゴツいちょび髭のオールバックのオッサンが立っていた。
「あら、いらっしゃい。ん?楓ちゃんか、もしやその子は昨日言ってた子?」
昨日楓は、店長にメールで事前に伝えていた。
店長の問いにコクリと頷いた。
「あらあら、可愛い子わね、私はマリアよ。宜しくね」
っと、可愛いらしいウィンクをして挨拶した。
自己紹介されて、灯里はお辞儀をしながら心である事に疑問を抱いていた。
実名だろうか?
聞いたら失礼かと感じていたので、その疑問は心の奥にしまった。
「私は、成瀬灯里です、ここでバイトがしたいと思いまして、今日面接に来ました」
「ふふ、合格で良いわよ」
「え!」
面接なしで合格と言われた。
「楓ちゃんの紹介だもん。断る理由が無いわ。それに、こんなに可愛いらしいお嬢ちゃんは、お姉さん大歓迎だわ」
お、お姉さん...
「どうする?今日から練習がてらに入る?」
「え、是非お願いします」
「楓ちゃん、灯里ちゃんに会うサイズ探して来て頂戴」
「ラジャー、あかりんおいで」
楓から更衣室に案内された、楓はダンボールから新品の制服を探して灯里には渡した。
灯里は制服に着替えて、髪をポニテに直した。
「おー、似合う」
制服に着替えた灯里の周りを、楓はグルグルと回り見渡した。
2人は制服に着替えて、再び店長の所に戻った。
「あら〜、これは繁盛するわ、2人も美少女居るんだもん」
今は客が空いていたので、楓から色々と教えてもらった。
灯里は物覚えが良く、殆どは覚えて後は本番を待つのみだ。
カランカラーン
扉についてるベルがなり、誰かが入ってきた。
入ってきたのは、2人のお婆さんで空いてる席に座り、灯里は2つ水を渡した。
「いらっしゃいませ。」
「見ない顔ね。新人さん?」
「はい、今日から入れてもらった成瀬と申します」
っと、お辞儀をした。
「ふふ、礼儀正しい子ね。注文良いかしら?」
「少々お待ち下さい」
灯里は、エプロンのポケットからメモ帳を取り出し、2人の注文品をメモして店長に伝えた。
そして、店長が作った注文品を2人に届けた。
「こちら、カフェラテでございます」
「ありがとうね」
お婆さん達はお辞儀をし、灯里もお辞儀で返してカウンターに戻って行った。
見守っていた店長と楓の方を見ると、目をキラキラにしてサムズアップをしていた。
カランカラーン
またお客が入って来る音が聞こえたので、人数分の水を用意する為に客の数を確認すると、入ってきた客が見知った顔だった。
「千秋さんと愛香さん」
「お、早速バイトか、頑張ってるね」
「はい、いらっしゃいませ。千秋さん、愛香さん」
自分の初バイトを見にきた2人にお辞儀をして、席を案内した。




