俺は死にました
俺は死んだ。
車に引かれそうな少女を守って死んだ。
その功績を認められ今、目の前に神がいる。俺を転生させてくれるらしい
『お主の死に方はあまりに報われない。』
神がそう呟いた。
「いや、俺はそうは思わない。なんせ、最後に誰かを守って死ねたのだからな!」
俺は迷うことなく神にそう告げた。
『じゃ、じゃがそれではあまりにも報われなさすぎる』
神が続けてこう告げる。
『さすがに助けにいったお主が少女とともにミンチにされ二人とも亡くなったのは死に方も結果もあまりに報われん!』
「あぁ、まさか俺の右腕ごと潰しにかかるとはダンプカーとは恐ろしい奴だ。」
俺もあまりに予想外の結果だったのでそこは納得することにした
『そもそもお主は何故、少女を突き飛ばすなり、抱えてかわすなりせずにダンプカーの前に仁王立ちで現れ右手を前に突き出して轢かれたのじゃ?』
「俺の予想ではあのままダンプカーは俺の右腕に止められクラッシュするはずだったんだがな」
『じゃが実際クラッシュされたのはお主と少女じゃ』
うむ。実に不服な結果だ。俺は内心そう呟やくとウンウンとうなずいた。
『まぁ、あれじゃ!じゃからお主ら二人をワシが新たな世界へ転生させて野郎というわけじゃ!』
「二人?待て俺は二人もいないぞ!」
どうやら神とはいえ老人すでにボケが始まっているらしく優しく間違いを俺は指摘してやることにした。
『そこのお主と一緒に轢かれた少女じゃ!』
「ん?そこの水玉パンツ丸出しで気絶している俺に助けられた女のことか?」
『助けられてない!二人とも死んどる!しかもパンツ丸出しなのもお主が気絶しているそこの少女のスカートをめくって「スカートの下に短パンを履くとは邪道な!」などとワケわからんこといって剥ぎ取ったのではないか!?』
「まったくだ。スカートの下に短パンなどと紙への冒涜だ!」
『いやもうそこはどうでもいいわ!しかもお主さっきから「神」の発音がおかしくないか?』
紙が大声でツッコミを入れてくる歳の割には元気らしい、長生きしてほしいものだ。いや死んでるのか?
『まぁいい、このままじゃ話が進まん。本題に戻すがこれからお前たち二人を転生させる!次にお主らが生きる世界は文明は進んでおらんがこちらの世界にはない「魔法」がつかえる!さらに人間以外にも様々な種族が共存している世界じゃ!』
「最高だな!つまり民族衣装がスク水で見た目が全員10歳くらいのロリ種族が」
『んなもんは存在せん。』
即答された。
「で?そのクソのような世界で俺たちは生きていくわけか?」
『自分の欲望が叶わんと知った瞬間に手のひら返しよったな。』
紙がため息をついている。ため息をつくと幸せが逃げるぞ!後で回収してやろう
『ごほん!話の続きじゃが転生するにあたってお主らにはその世界で一つお願いしたいことがある!』
「なんだ?」
『この世界には魔王がいてな、その魔王が軍を率いて世界を侵略しているのじゃ お主らにはその魔王を討伐してこの世界を救ってほしいのじゃ!もちろんタダでとは言わん、転生特典として一つこの世界におけるチート能力をプレゼントする!』