番外編 妹キャラから見るギャルゲの主人公と乙女ゲーヒロイン その3
こちらは、番外編です。読まなくても、本編には影響ありませんので、面倒な方は飛ばしても大丈夫ですよ。
普段通り、リビングのテレビで映画を楽しむ美悠なのである。姉の美月は、今年受験生で郁人の家で受験勉強中である。しかし、美月は、受験勉強などなくても、お兄ちゃんの家に遊びに行くんだけどねと思う美悠なのである。
そして、夕方7時過ぎに美月が慌てて帰宅して、慌てて夕ご飯の準備をしだすのである。これも、夜桜家ではいつもの事なのである。
「お姉ちゃん…今日のご飯何~?」
「美悠…その前に、きちんと制服着替えてきなさい」
ソファで制服のまま、ダラダラ横になっている美悠に、そう注意する美月なのである。
「もう…別にいいじゃん…どうせ、お風呂入ったら寝間着じゃん…そのまま、洗濯機に入れた方が効率よくない?」
正直、家に居るのにわざわざ学校から帰ってきて、私服に着替えるもの面倒な美悠なのである。姉の美月に、頬を膨らませて不満を言う美悠を、美月は、カウンターキッチン越しに料理をしながら、睨みつけるのである。
「……でもさぁ…もう後…ご飯食べるだけだし…」
「……」
いいから、着替えてきなさいという美月の無言の圧に、渋々従う美悠なのである。自分の部屋に向かい面倒だから、適当に部屋着に着替える美悠なのであった。
(だいたい、お姉ちゃん細かいんだよね…それに、三年生になったばっかりなのに、今から、あんなに気合入れて受験勉強しなくてもいいじゃん…本当に真面目…今、リビング行くとお姉ちゃんに小言言われそうだし…少し時間たってから行こう)
心の中で悪態をつきながら、美悠はベッドに座り、スマホをいじって時間をつぶして、頃合いを見計らい一階のリビングに降りていくのである。
「あ…二人ともおかえり~」
「美悠か…ただいま」
「ただいま、美悠ちゃん…今日学校はどうだった?」
いつの間にか、仕事から帰ってきていた父の公人と母の美里にそう言って、すでに、食事がダイニングテーブルに運ばれており、美悠も自分の席に座るのである。
「別に普通だけどね」
「そう…美月ちゃんは…何かあったの?」
「私? 今日は、郁人と…」
「あ…美月ちゃん…もういいわよ…いつもと一緒ね」
美月にも同じ話題を振る母の美里は、美月の口から郁人の名前が出た瞬間に話題を終らせにかかるのである。もちろん、美月は不満顔で、料理を運びながら、母の美里を見つめるのである。
「だって、美月ちゃん…毎回、郁人君のお話しかしないじゃない…他の事はないの?」
そう言う母の美里に、同意する父の公人と妹の美悠なのである。正直、美悠的には、母の美里が話題を振った瞬間に、その話題を姉の美月に振らないでと思ったのである。
「……特にないけど…でも、聞いてくれてもいいよね!! 今日郁人がね!!」
遠回しに、他の話題のお話をしてねと言う母の美里の思いは美月には通じないのである。ゴリ押しで郁人の話をしだす美月に、もう仕方ないと諦めて、喋らすことにした母の美里なのである。
食事の準備が終わり、いただきますをして、夕食を食べ始める夜桜家の話題は、ひたすら、美月の話す、隣の家の男の子の話なのである。もちろん、美月以外は完全スルーして、黙々と夕ご飯を食べ続けるのである。
「…ねぇ…みんなちゃんと聞いてる?」
さすがに反応がないことに気がつき美月は、不満顔でそう言うのである。そして、夜桜家一同はこう言うのでる。
「聞いてるぞ」
「聞いてるわよ」
「聞いてるって」
一斉に口をそろえてそう言われて、納得のいかない美月なのである。とにかく、姉の美月は郁人の話をしたくて仕方ないのである。
「美月ちゃん…郁人君の家で受験勉強したって話だけど…塾とか行く?」
「そうだな…美月も受験生だし…塾とかそろそろ…」
母の美里と父の公人が、話を終らせたく、塾の話題を出すと、姉の美月が露骨に嫌そうな表情をするのである。
「塾は…行かなくて大丈夫だよ…ほ、ほら、郁人に教えてもらえばいいし…お金ももったいないでしょ!!」
「お金の心配ならいらんぞ…美月」
「そうよ…美月ちゃん…それに、郁人君にも迷惑でしょ」
「め、迷惑じゃないよ!! 郁人は幼馴染なんだよ!!」
塾に行きたくない美月は必死なのである。美月がここまで塾に行きたくない理由は、ただ一つ、郁人と一緒に居られる時間が減るからである。そのことがわかっている両親はため息をついて呆れるのである。
しかし、これ以上は父の公人も母の美里も何も言わないのである。なぜなら、美月の成績はトップでこのままの成績なら志望校も余裕だからである。
「ほ、ほら…お姉ちゃん…一人だけ食べるの遅いけど…あんまり遅いと、お風呂…私が一番最初に入るよ」
「美悠…ダメよ!! 一番風呂は私なんだから…絶対にダメ!!」
正直、学校の成績の話を振られたくない美悠は、話をそらすために、姉の美月にそう言うのである。姉の美月は一番風呂以外は湯船に入ることはないのである。それを家族のみんな知っているのである。
「美月…たまには、父さんも一番風呂に…」
父の公人が威厳に満ちた声と表情でそう言うが、ギロリと美月に睨まれて、押し黙るのである。
「まったく…美月ちゃんは…そんなんじゃ…郁人君ともし、一緒に生活しても上手くいかないわよ…郁人君も一番風呂に入りたいって言ったらどうするのかしら?」
その母の美里の冗談交じりの発言に、少し顔を赤らめる姉の美月を、ジト目で見る美悠なのである。
「そ、その時は…別に…郁人が一番風呂で良いよ…ていうか、郁人も一番風呂以外入らないから、私は郁人の後でいいよ」
そうモジモジさせながら言う美月に、驚きの表情を浮かべる家族一同なのである。
「あ…なるほどね…湯船、入れなおすのね…確かにそれならいいわね」
「別に入れ直さなくていいよ…というか、普通に郁人の後でいいよ」
戸惑う母の美里に、何でと逆に疑問顔で首を傾げる美月なのである。
「…お姉ちゃん…じゃあ、私が一番でもよくない? 家族なんだし…たまには、一番風呂がいいんだけど」
「絶対ダメ!!」
美悠がそう言うと、きっぱり、拒否する美月なのである。困惑する夜桜家なのである。
「み、美月ちゃん…郁人君は…その…まだ、家族ではないのよ」
「え? 郁人は幼馴染だよ」
美悠は、出たと呆れるのである。美月の必殺の幼馴染発言である。美月の中で、幼馴染とはどういう存在なのだと、疑問を口にしたい夜桜家一同なのである。
「お姉ちゃん…そもそも、プールもダメなのに…お兄ちゃんの後なら大丈夫なの?」
「え? プールは嫌だよ…そもそも、郁人もプール嫌いだし…そもそも郁人は幼馴染だから大丈夫だよ」
「じゃあ、お母さんは?」
「無理だよ」
母の美里がそう美月に尋ねるとピシャリとそう発言されて落ち込むのである。父の公人は、怖くて聞けないのである。郁人に対して嫉妬でふるふる震える父の公人なのであった。
「それに、郁人も一番風呂がいいなら、一緒に入ればいいよね…うん、これで問題解決だよね」
美月が、リビングの家族一同揃っている食事の場で爆弾発言するのである。もちろん、場の雰囲気が凍りつくのである。
「我ながら、完璧だよね…うん…郁人と…もし、もしもだよ…もちろん、もしもの話だけど、ふ、夫婦になっても大丈夫だよね」
顔を真っ赤にして照れながらそう言う美月に、照れるとこそこなのかと、猛烈にツッコミたい三人なのである。
「み、美月ちゃん…そのね…い、一緒にお風呂に入るのは…いいけど、あんまり、みんなの前でそう言うことは言わないのよ」
母の美里が勇気を出して、娘のためを思ってそう言うと、美月は疑問顔なのである。
「え? なんで? 子供の頃は一緒によく入ってたし…別にいいよね? それに、ただ、お風呂に一緒に入るだけだよ?」
母の美里は、美月の純情さと鈍感さに頭を抱えるのである。父の公人はそんな娘に対して、ウチの娘は大丈夫だなと安心するのである。
「お姉ちゃん……一緒に入るって…他の人からしたらおかしいからね…エッチな人って思われるから絶対に言わないでよね」
美悠は、姉の美月にはっきりそう言うのである。そして、美月は最初は疑問顔で考えていたが、よくよく自分の発言を思い返して、恥ずかしいことを言ったと思ったのだろう、顔が真っ赤になるのである。
「ち、ち、違うからね!! 私は、ただ、郁人と一緒にお風呂に入りたいだけで!!」
焦る美月は、必死に誤魔化そうとして、さらに爆弾発言をしてしまうのである。
「…美月…どういうことだ?」
「美月ちゃん…それはどういうことなのかしら?」
父の公人と母の美里が怖い顔で、わなわなと恥ずかしさで震える美月を問い詰めるのである。そして、美悠はそんな姉と両親を呆れながら見て、今夜もお風呂に入るの遅くなりそうと思う美悠なのであった。
ここまで、読んでくれてありがとうございます。ぜひ、ブックマークと評価もよろしくお願いします。
さて、過去の夜桜家の日常話です。美月はやはり変わっている子ですね。番外編は今後もちょくちょく、やっていこうかと思いますのでよろしくお願いしますね。
次回も番外編ですかね。本編が早く読みたい人はもう少しお待ちくださいね。
では、次回の更新もよろしくお願いしますね。




