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ギャルゲの主人公と乙女ゲーのヒロインは、  作者: 涼風悠
ギャルゲーの主人公と乙女ゲーのヒロインは、恋人同士ですが、幼馴染の時より恋人同士っぽくないのですが、どうすればいいですか?

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ギャルゲの主人公と乙女ゲーのヒロインは、ゆるふわサブヒロインと一緒にお弁当が食べたい。 その8

 郁人を恨めしい瞳で見つめる宏美は、現在四限目の授業中である。自分の席に座り、郁人に視線で、作戦中止、作戦中止と訴えるゆるふわ宏美だが、郁人は、覚悟を決めた侍のごとく精神統一をはかっており、全く宏美の視線には気がついていないのである。


(もうこうなったら、しかたがありません~…実力行使で、郁人様の食堂(地獄)行きを邪魔するしかないですね~!!)


 気合を入れるゆるふわ宏美は、物理的に郁人の食堂(地獄)行きを阻止することを決意するのである。


 そして、ついに四限目の授業が終わりを迎え、聖戦の時が訪れるのである。決戦に赴く男の顔で席を立ちあがる郁人の所に素早く向かう宏美である。


「いくとさまぁ~!!」

「ゆるふわ…来たか…準備はいいか?」


 郁人は、例の漫画雑誌を手に持ち、戦場に向かう男の表情を浮かべて、ゆるふわ宏美にそう言い放つのである。宏美は、漫画雑誌の事を思い出して、急いで自分の席に戻ると、漫画雑誌を取り出して、郁人の所に戻り、郁人に突き出すのである。


「よし…準備はいいな…さぁ…行くぞ」

「…そうですね~…って、ダメですよ~!! 絶対ダメですからね~!!」


 漫画雑誌を両手で抱えて、その場の雰囲気に呑まれてしまった宏美は、正気を取り戻して、郁人を止めにかかるのである。


「いいから…行くぞ」

「い、郁人様本気ですか~…もう一度考え直してくださいよ~…無謀ですよ~、恐ろしいですよ~」


 恐怖に震える宏美を無視して、郁人は自分の弁当を取り出して、漫画雑誌と一緒に手に持ち、準備を終えるのである。


「郁人君、じゃあ、食堂行こうかぁ」


 そして、超清楚ニコニコ笑顔で、梨緒が郁人の所に来るのである。宏美は、わなわなと恐怖に震え、絶望の表情を浮かべるのである。


「ひ、宏美ちゃん…どうしたの!? どうしてそんなに震えているの!?」

「大丈夫だ…ゆるふわの事は放っておいて大丈夫だ…いつも通り変なだけだ」

「そ、そうなんだぁ…ひ、宏美ちゃん…そんなに食堂に行きたくないなら…来なくても大丈夫だよぉ」


 恐怖で震え、顔が真っ青なゆるふわ宏美に対して、辛辣な郁人と気を遣う梨緒である。


「大丈夫だ…ゆるふわも来るそうだ…というか、来たいらしい…楽しみにしていたらしいからな」


 にやりと邪悪な笑みを浮かべて、絶対にお前も道連れにするという郁人の強い意志を感じて、驚愕の表情を浮かべるゆるふわ宏美である。


「だ、誰が楽しみにしてるんですか~!! もうこうなっては、仕方がありませんね~!! 実力行使ですよ~!! 絶対に食堂(地獄)には行かせませんからね~」


 移動を開始する郁人と梨緒に、宏美はそう力強く宣言して、突如郁人の背後から、襲い掛かるゆるふわ宏美である。


「お、おい! ゆるふわ! お前何をするんだ!?」

「絶対に行かせませんからね~!! 絶対死守、絶対防衛ですよ~!!」


 郁人の腰にしがみつくゆるふわ宏美を引きはがそうとする郁人である。


「いいから、放せ!! ゆるふわ!!」

「絶対放しませんからね~!! 食堂(地獄)に行くのはやめてくださいよ~!!」


 泣きながら必死にしがみつく宏美を、容赦なく引きはがそうとする郁人という二人の必死の攻防を、ジト目で見つめる人物がいる。


「郁人君…宏美ちゃん…何やってるのかなぁ?」


 郁人が、梨緒の放つ圧に気がつき、焦り、ゆるふわを必死に引きはがそうとするが、もはや宏美は、目をつぶり、必死にしがみついて放れないのである。


「おい! ゆるふわ! いい加減にしろ!」

「郁人様が、食堂(地獄)に行くのを諦めてくれたら放しますよ~!!」


 宏美は、実力行使の命がけで、郁人の食堂(地獄)行きを止めようとするのである。梨緒が、ニッコリと笑顔を浮かべて、郁人と宏美に近づいてくるのである。


「お、おい…り、梨緒…お、落ち着け…話せばわかる」

「いくとさまぁ~!! 食堂(地獄)には行かせませんよ~!!」


 にっこり笑顔でゆっくり近づいてくる梨緒に、郁人は焦るが、宏美は全く気がついてないのである。そんな宏美を、ニッコリ見て、梨緒は、宏美の首根っこを摑まえると、郁人から宏美を引きはがすのである。


「?????」


 何が起こったか理解できないゆるふわ宏美は、疑問と驚きの表情を浮かべるが、そんな宏美の顔をニッコリのぞき込む梨緒である。


「宏美ちゃん…いい加減にしようねぇ…郁人君の事…困らせちゃダメだよぉ…わかったかなぁ?」


 ハイライトの消えた瞳で、ゆるふわ宏美の目を見て、そうヤンデレボイスで言い放つ梨緒に、恐怖で固まるゆるふわ宏美である。コクコクと必死に頷くのである。


「フフフ、宏美ちゃんはいい子だねぇ…じゃあ、食堂に行こうねぇ」


 そう言われる宏美は、涙目で、食堂(地獄)行きが決まり、完全に退路が断たれたのである。


「…ゆるふわ…諦めろ…さぁ…弁当を取ってこい…後、ちゃんと、漫画雑誌は装備しておくんだぞ…装備しないと…意味ないからな」


 梨緒に解放され、地面に涙目で座り込む宏美の肩を叩いて、そう言い放つ郁人である。諦めて、宏美は、自分の席にゆらゆらと戻り、カバンから、朝に郁人からもらったお弁当を持ってくるのである。そのお弁当に興味を持った梨緒が宏美に禁断の一言を言ってしまうのである。


「宏美ちゃん…お弁当なんだねぇ…珍しいよねぇ」


 その一言に、ビクッと身体が跳ねるゆるふわ宏美である。もはや、本気で泣きだしそうなゆるふわ宏美である。


「よし…ゆるふわ、準備ができたな…じゃあ…行くか…食堂(地獄)に」

「…いくとさまぁ~」


 ゆるふわ宏美の肩に手を置いて郁人は、そうゆるふわ宏美に言うと、宏美は、全てを諦めて、郁人の名前を呼ぶのだった。その光景に、一人首を傾げる梨緒であった。


 そして、ついに食堂に向かうことになった郁人達一行は、一人を除いて、今から死地に向かう戦士の表情を浮かべ、とりあえず、雑誌を懐にしまう郁人と宏美だった。そんな二人に、やはり首を傾げる梨緒は、とりあえず、笑顔で郁人について行くのであった。


ここまで読んでくれてありがとうございます。ぜひ、ブックマークと評価もよろしくお願いしますね。


さて、ゆるふわ宏美は、結局食堂に行くことになりましたね。可哀想な目にあう宏美だけど、この後も、きっとひどい目にあうことになりそうですね。


次回は、ついに食堂に向かう郁人と宏美は、呑気に待っている美月と作戦を決行することになるが…どうなるんでしょうね?


では、次回の更新もよろしくお願いしますね。

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